半導体設計の基礎から実践まで、高校生向けプラットフォーム「GAKUSEE MI」登場
木村情報技術株式会社は、高校生を対象とした半導体EDA(Electronic Design Automation)教育プラットフォーム「GAKUSEE MI(ガクシー・ミー)」を、2026年4月に提供開始すると発表しました。
EDAとは、電子回路の設計をコンピューターで行うためのソフトウェアやツールのことです。これまで高校での半導体教育は難しいとされていましたが、「GAKUSEE MI」の登場により、高校生が実践的な設計実習から製造工程体験まで、一貫して半導体について学べるようになります。
「GAKUSEE MI」は、文部科学省が推進する「N-E.X.T.ハイスクール構想」の「アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援(類型1)」拠点校を主な対象とし、インターネットを通じて利用できるクラウドベースのプラットフォームとして提供される予定です。

なぜ今、高校での半導体教育が必要なのか
現在、世界中で半導体産業が急速に成長しており、2026年には市場規模が約1兆ドルに達すると予測されています。日本国内でも、主要な半導体関連企業9社だけで、今後10年間で約4万人もの半導体人材が必要になるといわれています。
しかし、現在の高校教育では、半導体に関する学びは理論が中心で、実際に手を動かして設計するような実践的な機会は限られているのが現状です。このような背景から、高校生のうちから実践的な半導体教育を受けられる「GAKUSEE MI」が開発されました。
「GAKUSEE MI」の3つの特長
「GAKUSEE MI」には、高校生が半導体技術を効果的に学べるように、以下の3つの特長があります。
1. EDAツールを使った本格的な設計実習
プラットフォームの中には、実際に半導体の開発現場で使われているEDAツールと同じ環境が用意されています。これにより、高校生でも本格的な回路設計を体験し、将来、設計エンジニアを目指すために必要な基礎的なスキルを段階的に習得できます。
2. 動画で学べる操作スキル
EDAツールの操作方法は、ステップごとに解説する動画コンテンツとしてプラットフォーム内で提供されます。いつでも好きな時に繰り返し学習できるため、自分のペースでスキルを向上させることが可能です。
3. 学習成果を記録するポートフォリオ機能
学習の履歴や自分で設計した作品は、プラットフォーム内に自動的に保存されます。これにより、自分の学習の進み具合や達成度が一目でわかるようになります。この記録は、進路相談や大学・専門学校への進学、就職活動の際にも活用できる、具体的な実績資料として役立ちます。
期待される効果
「GAKUSEE MI」の導入により、様々な面で良い影響が期待されています。
学生にとって
-
半導体分野への興味・関心が大きく向上し、「回路設計エンジニアになりたい」といった具体的な将来の目標を見つけやすくなります。
-
大学や高等専門学校に進学した際に、すぐに役立つ実践的なスキルを身につけられます。
-
就職活動でアピールできる、具体的なポートフォリオ(実績の記録)を得られます。
教育機関にとって
-
理系分野への進学率が高まり、生徒の進路指導がより充実します。
-
企業との連携が強化され、地域の半導体人材育成の取り組みに貢献できます。
産業界にとって
-
半導体分野の「未経験者」が「即戦力候補」へと成長し、新入社員の教育にかかる費用を大幅に削減できるでしょう。
-
業界への理解が深い志望者が増えることで、離職率の低下にもつながります。
-
具体的なスキルに基づいて採用活動ができるため、効率的な人材確保が期待できます。
リリーススケジュールと今後の展開
「GAKUSEE MI」は以下のスケジュールで提供が開始されます。
-
2026年2月:パートナー校での先行導入を開始し、利用者からの意見を収集します。
-
2026年3月:最終的な開発調整を行い、教員向けの研修プログラムを開始します。
-
2026年4月:正式にサービス提供を開始し、全国に展開します。
-
2026年度内:「N-E.X.T.ハイスクール構想」に採択された学校を中心に、順次導入を拡大していく予定です。
今後は、全国の高等専門学校や大学と協力してカリキュラムをさらに充実させ、最新の技術トレンドに対応した教材を継続的に更新していく方針です。また、地域の半導体コンソーシアムと連携し、地域全体での人材育成を支援する取り組みも進められます。将来的には、2027年以降を目途に、アジア地域への半導体教育プラットフォームの展開も視野に入れています。
半導体教育に関心のある教育機関や関係者の方は、以下のフォームからお問い合わせが可能です。

