つくば市で自動運転「こども MaaS」実証実験が今年もスタート!三次元都市モデルとJAXA技術で安定走行を目指す

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つくば市で自動運転「こども MaaS」の実証実験が始まる

つくば市では、2025年11月5日(水)から「こども MaaS」導入に向けた自動運転走行の実証実験を今年も実施します。この取り組みは、東海クラリオン株式会社とつくば市が協力して進めるもので、子どもや移動が難しい方々がもっと気軽に外出できるよう、低速の自動運転モビリティサービスを提供することを目指しています。

つくば市駅周辺を走行するYADOCAR-iドライブ

昨年度に引き続き、今年は特に、高層ビルや街路樹が多いつくば駅周辺での自動運転の課題解決に力を入れます。このエリアでは、従来の衛星測位システム(GNSS)の電波が届きにくく、自動運転モビリティが自分の位置を正確に把握するのが難しいという問題がありました。

最新技術で自動運転の精度を向上

今年の実験では、この課題を解決するために、いくつかの新しい技術が導入されます。

  1. 三次元都市モデルデータ: つくば市の詳しい三次元地図データを活用します。
  2. MADOCA-PPP: 内閣府が提供する準天頂衛星からの高精度な位置情報サービスです。
  3. JAXA開発ソフト: 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したソフトウェアを使って、衛星測位の精度をさらに高めます。

これらの技術を組み合わせることで、電波が届きにくい場所でも自動運転モビリティが自分の位置をより正確に知り、安定して走れるようになることを目指しています。

また、つくば市が取り組んでいる、つくば駅周辺を楽しく移動できるパーソナルモビリティのシェアリングサービス「つくモビ」の実証実験も同時に行われます。将来的には、自動運転と連携して、手ぶらで乗り降りできるチケットシステム(ハンズフリーチケッティング)の実験にもつながる予定です。

実証実験の概要

今回の実証実験は、つくばエクスプレス「つくば駅」周辺で行われます。

  • 一般試乗の実施期間

    • 2025年11月5日(水)~11月16日(日)

    • 2026年1月15日(木)~1月26日(月)

  • 運休日:11月10日(月)・11日(火)、1月20日(火)・21日(水)

  • 乗降場所:つくばセンター広場、つくばカピオ前(この2区間を往復します)

  • 走行時間:9:00~11:00/11:30~13:30/14:00~16:00

  • 定員数:最大3名

  • 料金:無料

天候などによる運休情報は、公式X(旧Twitter)で確認できます。
https://x.com/yadocaridrive

チラシ表面

チラシ裏面

東海クラリオンの「YADOCAR-iドライブ」とJAXAとの協力

今回の実証実験で使われるのは、東海クラリオンが開発した「YADOCAR-i(ヤドカリ)ドライブ」という「後のせ自動運転システム」です。このシステムは、「自動運転をもっと安くして社会を変える」という考えのもと、今ある車にも後から取り付けられるように開発されました。

ヤドカリが貝殻を引っ越すように、どんな車にも自動運転システムを導入できることから「YADOCAR-iドライブ」と名付けられています。特定の地域や用途、低速での利用に限定することで、導入費用やメンテナンスの手間を抑え、長く使い続けられる自動運転モビリティを目指しています。

東海クラリオンとJAXAは、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」という枠組みで、2023年6月から衛星測位技術を使った「YADOCAR-iドライブ」の共同開発を進めています。

JAXAとの共創について、詳しくはこちらのJAXAプレスリリースをご覧ください。
https://www.jaxa.jp/press/2023/08/20230808-1_j.html

停留所

乗車の様子

東海クラリオンは、この実証実験を通じて、自動運転モビリティが直面する位置特定(測位精度)の課題を乗り越え、「こども MaaS」の実現に貢献していきたいと考えています。今後も、地方自治体や研究機関と協力しながら、地域の課題を解決する自動運転技術の開発と、それを実際に社会で使えるようにする取り組みを進めていくとのことです。

東海クラリオン株式会社の「YADOCAR-i」に関する情報はこちらで確認できます。
https://www.tokai-clarion.co.jp/yadocar-i/

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