PalantirとNVIDIAが協業を発表!AIで企業のデータを賢い判断に変える新技術

ビジネス活用

AI(人工知能)の技術が日々進化し、私たちの生活やビジネスに大きな変化をもたらしています。そんな中、データ分析の専門家であるPalantirと、AIの計算を高速化する半導体で有名なNVIDIAが、手を組むことを発表しました。

今回の協業は、企業が持つたくさんのデータを、まるで生き物のように動き、賢い判断を下せるAIへと変えていくことを目指しています。

NVIDIAとPalantirのロゴ

PalantirとNVIDIAの強力タッグが実現すること

Palantirが提供する「Palantir AI Platform(AIP)」という、企業向けのAIを使うための土台があります。このAIPの中心にある「Ontology(オントロジー)」という仕組みに、NVIDIAの最先端技術が組み込まれることになりました。

具体的には、NVIDIAがAIを速く動かすための計算技術や、AI開発を助ける特別な道具箱「NVIDIA CUDA-Xライブラリ」、そしてNVIDIAが開発したAIの頭脳となる「NVIDIA Nemotronモデル」がOntologyに統合されます。これにより、企業は自分たちのデータを活用して、小売業、医療、金融サービス、公共部門など、さまざまな分野でAIを使った自動化や、特定の仕事をするAIプログラム(エージェント)を動かせるようになります。

NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、「PalantirとNVIDIAは、AIを実際に役立て、企業データを賢い判断に活かすという同じ目標を持っています」と語っています。この協業によって、これまで難しかった複雑なビジネスの仕組みを、AIがより速く、より効率的に動かせるようになることが期待されます。

小売大手Lowe’sでのAI活用事例

この新しい技術をいち早く導入するのが、大手小売企業のLowe’sです。Lowe’sは、世界中に広がる商品の流れ(サプライチェーン)をデジタル上で再現し、AIが常に最適な状態に調整できるようにします。

これにより、コストを削減しながらお客様の満足度を高め、変化の激しい状況にも柔軟に対応できるようになるでしょう。Lowe’sの幹部は、「今日のサプライチェーンはとても複雑で、AIが迅速な適応と最適化の鍵となる」と述べています。

オペレーショナル インテリジェンスの進化

Palantir AIPは、高いセキュリティとデータ保護が求められる環境でも動かすことができます。AIPの核となるOntologyは、会社の複雑なデータや業務の流れを、現実世界のモノやそれらの関係性を表す「デジタルの分身」として作り上げます。これにより、まるで会社全体をデジタル上で動かしているかのように、AIが賢く働けるようになるのです。

NVIDIAの技術は、この「デジタルの分身」をさらに賢くします。例えば、NVIDIA CUDA-Xデータサイエンスライブラリは、大量のデータを高速で処理するのに役立ちます。また、NVIDIA cuOpt™というAIは、最適な計画を立てることを可能にし、NVIDIA AI Enterpriseプラットフォームは、企業がAIを使ってサプライチェーンを動的に管理するのをサポートします。

さらに、NVIDIA Nemotron™やNVIDIA NeMo™ RetrieverといったAIモデルを使えば、Ontologyから得た情報をもとに、AIが自動で働くプログラム(エージェント)を素早く作ることができます。将来的には、NVIDIAの最新の高性能AIチップ技術「NVIDIA Blackwellアーキテクチャ」もPalantir AIPに導入される予定で、これによりAIの開発から実際の運用まで、一連の流れがさらに速くなります。

企業は、NVIDIAのAI工場のような環境でPalantir AIPを動かすことで、最高の効率でAIを活用できるようになるでしょう。

今後の展望

この協業は、AIがビジネスの現場でさらに深く活用されるための重要な一歩となります。企業が持つデータを最大限に活かし、より賢く、より速く意思決定を行うことで、これまでの常識を覆すような新しいビジネスの形が生まれるかもしれません。

AIについてもっと知りたい方は、2025年10月29日に開催される「NVIDIA GTC Washington D.C.」でのPalantirとNVIDIAによるAI運用に関するワークショップに参加することもできます。NVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏の基調講演もオンラインで視聴可能です。

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