AI(人工知能)の力を使って、必要な時に車を呼んで乗り合える新しい交通サービス「かつらいど」が、2025年10月1日から和歌山県かつらぎ町でスタートします。これは、近畿地方で初めてのAIオンデマンド配車システム「TAKUZO(タクゾー)」を使った試みです。高齢者の方々をはじめ、地域の皆さんの移動をサポートする「そこそこ便利な交通」の実現を目指します。

「TAKUZO」とは?地域に合わせたAI交通システム
「TAKUZO」は、株式会社バイタルリードが開発したAIオンデマンド配車システムです。都市部でよく見かけるすぐに車が来るタクシーとは少し違い、人口の少ない地域でも効率よく運行できるように工夫されています。たくさんの人が乗り合うことで、少ない車の台数でも多くの人を運べるようにAIが最適なルートや配車を計算してくれるのが特徴です。
「そこそこ便利な交通環境」を目指す
このシステムは、「すぐに来なくても、必要な時に利用できる」という「そこそこ便利」な交通環境を地方に提供することを目指しています。月額の定額制(サブスクリプション)で利用できるプランもあり、一度だけでなく、何度も気軽に外出できるようになることを期待されています。
また、地元のタクシー会社やバス会社の経営を圧迫しないよう、空いている時間を活用して運行できる仕組みが考えられています。自治体にとっても、公共交通にかかる費用を減らせるメリットがあり、みんなにとって良い交通サービスとなることを目指しています。

みんなに嬉しい「三方良し」のビジネスモデル
「TAKUZO」は、利用者、タクシー事業者、行政の三者すべてにメリットがある「三方良し」の仕組みを目指しています。
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利用者: 月額3,000円から5,000円で乗り放題になるプランや、1回ごとの料金設定も可能です。これにより、交通手段の心配なく外出を楽しめます。
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タクシー事業者: 空いている時間を使って運行することで、新しい収入源を得ることができます。
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行政: 持続可能な地域交通を実現し、財政的な負担を減らすことができます。
「フルーツ王国」かつらぎ町での挑戦
今回の実証運行の舞台となる和歌山県かつらぎ町は、紀の川が流れ、豊かな自然に恵まれた「フルーツ王国」として知られています。春にはいちご、夏には桃やぶどう、秋には柿、冬にはみかんと、一年を通して美味しい果物が楽しめる魅力的な地域です。

また、世界遺産にも登録されている「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部があるなど、歴史と文化が息づく場所でもあります。このような自然豊かな地域で、AIを使った新しい交通モデルがどのように地域の暮らしを豊かにしていくのか、注目されます。

「かつらいど」の詳しい情報
「かつらいど」は、AIが最適なルートを選んで、ほぼドアツードアで送迎してくれる乗り合い交通サービスです。まるで、タクシーのように家の近くまで来てくれる便利なサービスです。

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実施期間: 2025年10月1日から2026年3月31日まで
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対象地域: 和歌山県かつらぎ町内(一部地域を除く)
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運行時間: 平日の午前7時15分から午後7時30分まで(最終乗車時間)
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予約方法: 電話またはWebアプリから簡単に予約できます。
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運賃: 1回の乗車は600円です。また、月額3,000円で乗り放題になるプランもあります。小学生以下のお子さんは、どちらの料金も半額になります。
今後の展望
株式会社バイタルリードは、この「TAKUZO」を通じて、地域に合った持続可能な公共交通の形を作り上げていくことを目指しています。これまでの交通計画の経験と、AIなどのデジタル技術を組み合わせることで、交通だけでなく、様々な分野(「交通×X(エックス)」)で地域社会に貢献していくとのことです。
TAKUZOについてもっと知りたい方は、公式サイトをご覧ください。
- TAKUZO公式サイト: https://takuzo.vitallead.co.jp/
株式会社バイタルリードの日常や交通に対する考え方、そして社員の方々に焦点を当てた情報発信は、公式noteでご覧いただけます。
- 株式会社バイタルリード公式note: https://note.com/vtl_vitallead

