NVIDIAとOracleが米国最大のAIスーパーコンピューターを構築し、科学的発見を加速

AI

NVIDIAとOracleは、米国エネルギー省(DOE)と協力し、科学的発見を推進するための米国最大のAIスーパーコンピューターを構築すると発表しました。この画期的なプロジェクトは、アルゴンヌ国立研究所に設置され、AIを活用した科学の時代を切り開くことが期待されています。

NVIDIA、米国エネルギー省、Oracleのロゴ

記録的な規模のAIスーパーコンピューター

今回発表されたAIスーパーコンピューターは「Solstice(ソルスティス)」と「Equinox(エクイノックス)」の2つです。

  • Solsticeシステム: 記録的な10万基ものNVIDIA Blackwell GPU(高性能なAIチップ)を搭載します。

  • Equinoxシステム: 2026年前半に稼働開始予定で、1万基のNVIDIA Blackwell GPUを搭載します。

これら2つのシステムはNVIDIAのネットワーク技術でつながり、合計で2,200EFLOPS(エクサフロップス、AIの計算能力を示す非常に大きな単位)という驚異的なAI性能を発揮します。これは、米国の安全保障、科学、エネルギー分野での技術的リーダーシップを推進するというDOEの目標達成に大きく貢献するでしょう。

科学的発見を加速するエージェント型AI

これらのスーパーコンピューターは、アルゴンヌ国立研究所に設置され、世界中の科学者や研究者が利用できるようになります。研究者たちは、AIが自分で考えて行動し、科学的な問題を解決する「エージェント型AIワークフロー」を開発・活用できるようになります。

具体的には、NVIDIAの

  • Megatron-Coreライブラリを活用して、新しい最先端のAIモデルや、AIが物事を理解し推論するモデルを開発・訓練します。

  • TensorRT™推論ソフトウェアを使って、これらのモデルが素早く「答えを出す」ための効率的な仕組みを構築します。

これにより、ヘルスケア研究から材料科学まで、幅広い分野での進歩が期待されています。このプロジェクトは、AIと科学における米国のリーダーシップを確保するというトランプ政権のコミットメントを反映しており、官民連携の新しいモデルを活用して構築されます。

関係者のコメント

NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアン氏は、「AIは現代で最も強力な技術であり、科学はその最大のフロンティアです。このスーパーコンピューターは、米国の発見のためのエンジンとなるでしょう」と述べています。

米国エネルギー長官のクリス・ライト氏は、「AI競争に勝利するためには、米国の技術と科学の最高の頭脳と産業を結集する、新しい創造的なパートナーシップが必要です。これらのシステムは、科学技術革新の推進力となります」と強調しました。

アルゴンヌ国立研究所の所長であるポール・K・カーンズ氏は、「EquinoxとSolsticeシステムは、幅広い科学AIワークフローを加速するために設計されています。数千人の研究者を育成し、Advanced Photon Sourceのような最先端の実験施設と連携させることで、国の最も差し迫った課題に取り組むことができます」と語っています。

OracleのCEOであるクレイ・マグワーク氏は、「Oracleは、エネルギー省と提携し、高性能なソブリンAI機能を提供できることを誇りに思います。アルゴンヌとの協力により、国の最も複雑な課題に取り組み、科学的進歩の次の波を加速する重要なリソースを提供します」と述べました。

これらのAIスーパーコンピューターは、今後数十年にわたり、科学、エネルギー、国家安全保障における大規模な協力の基盤となり、AI分野における米国のリーダーシップをさらに確固たるものにすることでしょう。

NVIDIAとパートナー各社が米国におけるAIイノベーションをどのように推進しているかについては、

タイトルとURLをコピーしました