北海道札幌市に本社を置く株式会社RealtyBankが、不動産・建築業界向けの新しいAIツール「デジタルステージングAI」に「Image to Imageモデル」を追加し、正式にリリースしました。
この新しいAIは、部屋の写真を読み込むと、その部屋の形や窓、ドアの位置を崩すことなく、まるでそこに家具が置かれているかのような画像をたった30秒で作り出します。これまでAIで画像を生成すると、部屋の構造が不自然になってしまうことがありましたが、このツールは日本の住宅に特化して開発されているため、より自然で実用的な画像が期待できます。
「Image to Imageモデル」とは？
RealtyBankが開発した「Image to Imageモデル」は、写真の中の部屋の構図（壁、窓、床、天井など）を一切変えずに、家具だけを自然に配置するAIです。通路や扉の位置も考慮して、バランスの取れたレイアウトを自動で考えてくれます。
これまでのAIでは、一から新しい画像を生成するため、実際の部屋とは異なる構造になってしまうことがありました。しかし、このモデルは実写の空間をそのまま活かすため、広告や提案資料にすぐに使える高品質な画像を平均30秒で生成できます。
利用料金は、1枚あたり都度課金で300円、サブスクリプション契約なら最安で1枚100円から利用可能です。
開発の背景：日本の住宅に合わせたAIを
これまでAIを使った部屋のイメージ作成には、大きく分けて二つの課題がありました。
- 構造の歪み： ChatGPTのようなAIでは、部屋の壁や扉の形が崩れてしまい、実際の部屋と違って見えることがありました。
- 日本仕様との不一致： 海外で作られたAIサービスは、日本の家屋の間取りや家具の大きさに合わず、不自然な仕上がりになることが多かったのです。
RealtyBankは、これらの課題を解決するため、3年間で集めた3万枚以上の「人が手作業でデジタルステージングした画像」をAIに学習させました。これにより、日本の住宅にぴったりの、現場で本当に役立つAIが完成しました。
主な機能と特徴
-
画像構図保持型生成: 元の画像の構造を壊さず、家具だけを追加します。
-
自然な家具レイアウト: AIが部屋の動線（人の動き）を考えて家具を配置します。
-
対応間取り（先行公開）: リビングダイニング＋ベッドルーム、ワンルームに対応しています。
-
平均生成時間: 約30秒で1枚の画像を生成します。
-
商用利用可能: 生成された画像は、広告や提案資料にそのまま使えます。
サブスクリプション契約者特典：内装変更機能が使い放題に
月額プランの契約者は、これまで利用回数が決まっていた床、壁、天井の素材変更機能が、無制限で使えるようになります。
-
サンゲツ社の壁紙、床材、天井材約1,000点が新たに追加されました。
-
素材の品番で選べるため、実際の建材選びやリノベーションの提案にも活用できます。
新機能：生成前後を比較できる「スライド表示機能」
今回のリリースに合わせて、AIで家具を配置する前と後を、スライダーを動かして比較できる機能が追加されました。これにより、お客様に「ビフォー・アフター」を視覚的に分かりやすく説明でき、提案の説得力を高めることができます。
料金プラン
料金プランは、必要な時に都度利用できる「Spot」プランと、月額で利用できる「Standard」「Professional」「Premium」の3つのサブスクリプションプランがあります。利用頻度に合わせて選べるため、無駄なく活用できます。
今後のアップデート予定
RealtyBankは、今後もサービスの拡充を予定しています。
-
2025年11月以降: 対応する間取りが5タイプに増える予定です。
-
リビングダイニング
-
マスターベッドルーム
-
ベッドルーム
-
-
2025年12月以降: さらに2タイプの間取り（リビングルーム、ダイニングルーム）が追加され、インテリアスタイルもモダン、北欧風、ジャパディなど9種類に増える予定です。
RealtyBankの代表取締役である川上 将司氏は、「撮影した写真に、暮らしの未来を描く。Image to Imageモデルはその発想をAIで実現した新しいステージング手法です。画像内の室内構造を保ちつつ“信頼できる生成画像”として、広告、販売、設計すべての現場で役立てていただきたいと考えています。AIのちからでもっと早く！もっと自由に。を実現すべく本機能の充実に全力かけて取り組みます」とコメントしています。
このサービスは、不動産や建築の現場で、より早く、より自由に、お客様への提案力を高める強力なツールとなるでしょう。
RealtyBankの「デジタルステージングAI」について、詳細はこちらをご覧ください。
