
株式会社ビーマップ、株式会社エジソンエーアイ、AIバイオメディカル株式会社(AIBM)の3社が、画期的な医療プラットフォームの開発を目指す「プロジェクトHawaii」を共同で始動しました。このプロジェクトは、デジタルツインとバイオ3Dプリンターをリアルタイムにつなぎ、現実世界と仮想世界を同期させる「Physical AI(フィジカルAI)」の実現を目指すものです。現在、東京都のイノベーション助成制度に応募しており、3年間の研究開発が計画されています。この助成制度では、都内の中小企業が行う大型開発プロジェクトに対して、3年間で最大8,000万円の研究開発費用が助成される可能性があります(参考:tokyo-kosha.or.jp)。
「プロジェクトHawaii」に込められた意味
プロジェクト名「Hawaii」は、「Human-Augmented World through AI Integration and Innovation」の頭文字から取られています。これは、AIの統合と革新を通じて、人間の可能性を広げる未来社会の実現を目指すという思いが込められています。
プロジェクトの概要
プロジェクトHawaiiでは、AIによる画像解析とデジタルツイン技術を使い、バイオ3Dプリンターで再生臓器を作るプロセスをリアルタイムでコントロールします。具体的には、仮想空間にある臓器のモデル(デジタルツイン)と、実際に臓器を造形するプロセスを通信ネットワークで常に同期させます。AIがプリンターの動きをその場で調整することで、成長や個人差に合わせて変化する「生きた設計図」に基づいた臓器再生を目指します。
このプロジェクトの主なポイントは以下の通りです。
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バイオ3Dプリンターで再生臓器を造形します。
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デジタルツイン上で仮想の臓器モデルを常にシミュレーションします。
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AIが画像解析を通じて造形プロセスをリアルタイムで補正します。
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通信・ネットワーク基盤によって、現実世界と仮想世界を同期させます。
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成長や個体差に合わせて変化する「生きた設計図」を実現します。
3社の役割分担
このプロジェクトでは、各社がそれぞれの専門分野を活かして貢献します。
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AIバイオメディカル株式会社(AIBM):バイオプリンターの開発と、デジタルツインとプリンターをつなぐ技術の構築を担当します。
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株式会社エジソンエーアイ:画像解析AIアルゴリズムの開発と、デジタルツイン環境を使ったリアルタイム制御システムを担当します。
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株式会社ビーマップ:Physical AIを実現するための通信基盤の構築と、スタートアップ企業への支援全般を担当します。
3年間の開発計画
プロジェクトは以下の3段階で進められます。
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1年目(基盤構築期):通信インフラ、デジタルツイン環境、試作プリンターの準備を行い、概念実証(PoC)を実施します。
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2年目(高度化期):AIによる補正の精度を高め、より複雑な形状の臓器造形に対応できるようにします。
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3年目(実証・事業化準備期):医療現場での実証実験を行い、必要な規制に対応しながら、事業化に向けた準備を進めます。
関係者のコメント
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馬谷 聡(株式会社ビーマップ CTO):「デジタルとフィジカルをリアルタイムで融合する世界初の試みに挑戦できることに、大きな意義を感じています。ビーマップは本プロジェクトで培う通信インフラ技術とネットワークノウハウを活かし、スタートアップ企業との協働で医療イノベーションの実現を目指します。」
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山浦 真由子(株式会社エジソンエーアイ CEO):「エジソンエーアイが持つ画像解析AI技術をデジタルツイン環境に組み込むことで、従来困難だったバイオプリンティング工程の精密なリアルタイム制御を可能にします。現実と仮想のギャップをAIで埋め、再生医療分野で新たな価値を創出していきたいです。」
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櫻田 伸一(AIバイオメディカル株式会社 代表取締役社長):「AIBMは再生医療にAIを融合させることで、これまで不可能だった“生きた臓器”の創出に挑んでいます。本プロジェクトを通じ、成長に追随する次世代の再生臓器プラットフォームを世界に先駆けて確立し、一人でも多くの患者さんの命を救う未来を切り拓きたいと考えています。」
用語の解説
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デジタルツイン:現実世界(物理空間)の情報をセンサーなどで集め、そのデータをもとにサイバー空間に現実のモノや環境をそっくりそのまま再現する技術です(参考:softbank.jp)。現実のモノと仮想のモデルをリアルタイムで連携させることで、シミュレーションや未来予測に役立てることができます。
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フィジカルAI(Physical AI):カメラなどの様々なセンサーから得たデータをAIが直接処理することで、機械(ロボットなど)が現実の物理世界を認識し、理解し、その場で自分で判断して行動できるようにする人工知能の分野です(参考:hpe.com)。パソコンの中だけで動く従来のAIとは異なり、フィジカルAIは現実の状況にすぐに対応し、物理環境と仮想環境のズレをなくすことを目指します。
参加企業紹介
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株式会社ビーマップ(BeMap, Inc.):東京都千代田区に本社を置く、無線通信や交通・放送などの社会インフラとIT技術をつなぐモバイルシステムインテグレーターです。モビリティ関連のソリューション提供やIoT/通信インフラの構築などを手掛けています。
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株式会社エジソンエーアイ:東京都港区に本社を置くスタートアップ企業で、AI・画像解析やブロックチェーンなどの最先端技術を活用し、企業や社会に役立つソリューションを提供しています。生成AI技術の研究や導入支援、レジレス店舗システムなど、幅広い事業を展開しています。
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AIバイオメディカル株式会社(AI Biomedical Inc.):東京都千代田区に本社を置く2023年設立のスタートアップ企業です。AI技術を使った再生医療関連事業を展開しており、独自の5軸3DバイオプリンターとAI・デジタルツインの融合技術により、成長に追随する再生人工臓器の創出を目指しています。
プロジェクトに関するお問い合わせ先
プロジェクトHawaiiに関するお問い合わせは、以下の各社窓口までご連絡ください。
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株式会社エジソンエーアイ:https://edison.ai/#contact
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AIバイオメディカル株式会社:support@ai-biomedical.jp

