台湾南部で「AIシリコンバレー」構想が始動!半導体とAI産業の集積が加速

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台湾の南部地域で、未来の産業を形作る「AIシリコンバレー」構想が本格的にスタートしています。この計画は、半導体やAI(人工知能)、そしてスマート製造といった分野の企業や技術が、特定の場所にぎゅっと集まることで、より大きな発展を目指すものです。

台湾南部シリコンバレー計画のイメージ

台湾南部で進む「AIシリコンバレー」構想

国家科学・技術委員会(NSTC)が中心となり、頼清徳総統の考えのもと「大南方新矽谷(南部シリコンバレー)」計画が進められています。これは、台南、高雄、嘉義、屏東といった南部の主要都市に「科学園区」と呼ばれるハイテク産業地域を整備し、半導体、AI、スマート製造などの産業を集中させることを目的としています。

特に注目されるのは、世界最大の半導体メーカーであるTSMCが、台南に3ナノメートル、高雄に2ナノメートルの最新工場を建設していることです。これらの工場は、AIに必要な高性能半導体を大量に生産するための重要な拠点となります。また、嘉義ではAIや最新の封止(半導体を保護・接続する技術)に関する拠点の整備も進んでおり、南部全体がAI・半導体産業の一大中心地へと変貌しつつあります。

南部科学園区の売上高は、2025年上半期で前年と比べて48.8%も増えており、この地域の産業が非常に勢いがあることがわかります。

米国の軍用ドローン企業と台湾の連携

AI技術の進化は、ドローン産業にも大きな影響を与えています。米国の軍用ドローンを開発するシールドAI、オーテリオン、スカイディオの3社が、台湾の航空宇宙産業開発公司(AIDC)や国家中山科学研究院、そして中堅ドローンメーカーと次々と協力関係を結んでいます。

これらの提携では、AIによるドローンの制御システムや、多数のドローンが連携して飛行する「スウォーム飛行」といった最先端技術が活用されています。防衛、災害対応、産業用といった様々な分野で台湾との協業が強化されており、台湾がAIドローンの供給網における重要な拠点となる可能性が高まっています。

AI・HPC分野で注目されるプラズマ装置メーカー「暉盛科技(NEMSテック)」

IC基板や半導体向けのプラズマ装置を製造する暉盛科技(NEMSテック)は、AIやHPC(高性能計算)向けの分野で目覚ましい成果を上げています。特に、ハイブリッド接合技術やFOPLP(ファンアウト・パネルレベルパッケージ)と呼ばれる最新の半導体製造技術に対応する装置で、業績を回復させています。

また、ABF(Ajinomoto Build-up Film)基板やガラス基板用のエッチング装置でも、日本や米国の主要企業から受注を獲得しており、AIサーバーやデータセンターの需要増加に伴い、長期的な成長が期待されています。

台湾工作機械産業の現状と国際連携

2025年1月から9月までの台湾工作機械の輸出は15.2億ドルで、前年と比べて6.4%減少しました。中国、トルコ、ドイツ向けの輸出が減った一方で、インド、ベトナム、タイといったアジア諸国への輸出は堅調に推移しています。

部品の輸出はほぼ横ばいで、特にリニアスライダーやボールねじといった部品の需要は安定しています。一方、輸入は日本、中国、ベルギーから高性能な機械が導入されたことで39.3%増加しており、台湾国内の設備投資が活発になっていることがうかがえます。

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台湾のAIと半導体産業は、この「AIシリコンバレー」構想によって、今後ますます世界の注目を集めることでしょう。

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