大阪ガスマーケティング、エクシオ・デジタルソリューションズ、セカンドサイトアナリティカの3社が共同で開発した「施工品質チェックのAIモデル」が、一般社団法人日本ガス協会主催の「2025年度 技術賞」を受賞しました。このAIモデルは、ガス機器設置工事の安全を守りながら、作業の効率を大きく向上させる画期的な技術として評価されています。

受賞したAIモデルの概要
今回受賞したAIモデルは、ガス機器の設置工事が終わった後の品質確認を、AI(人工知能)が自動で行うものです。工事現場で撮影された写真をAIが解析し、「締め付け具合」や「シール材の塗布状況」など、確認すべき9つの項目をリアルタイムで判定します。これにより、年間10万件以上行われるガス機器設置工事の点検作業が、より正確に、そしてスピーディーになりました。

開発の背景と目的
これまでのガス機器設置工事では、ヒューマンエラー(人の手によるミス)を防ぐために、作業者自身が行う「セルフチェック」と、管理者が行う「ダブルチェック」が行われていました。しかし、工事の件数が非常に多いため、すべてのエラーを完璧に見つけ出すことは難しく、担当者の負担も大きいという課題がありました。
そこで、このAIモデルが開発されました。現場で集められたたくさんの写真をAIに学習させることで、施工後の写真から瞬時に不良箇所を判定できるようにしました。これにより、もし問題が見つかっても、その場で素早く修正できるようになり、管理者の方々の負担を減らし、施工品質をさらに高めることを目指しています。

AIモデルの開発内容
このAIモデルは、約4,600枚もの実際の工事写真データを使って開発されました。AIがたくさんのデータから自動で学ぶ「ディープラーニング」という技術と、写真の中から特定のものをAIが見つけ出す「物体検出技術」を組み合わせて作られています。これにより、例えば写真の中からシール材の位置や状態を正確に特定し、独自のルール(判定ロジック)に基づいて、施工が正しいかどうかを判断できるようになりました。
このツールの導入によって、施工品質の維持・向上はもちろんのこと、確認作業にかかる時間を減らすなど、業務全体の効率アップが期待されています。
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各社の役割と今後の展望
今回の受賞は、以下の3社の共同開発によるものです。
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大阪ガスマーケティング株式会社:本プロジェクトの目的設定や要件定義に深く関わり、最重要事項である保安の担保と生産性向上を主導しました。
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エクシオ・デジタルソリューションズ株式会社:大阪ガスマーケティングとの方針調整や要件整理、そしてAIモデルを動かすための周辺システムの開発を担当しました。
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セカンドサイトアナリティカ株式会社:AIモデルの「どんな問題を解決するか」という設定から、AIモデルの構築、そしてその評価まで、AI技術の中核部分を担当しました。
エクシオ・デジタルソリューションズ株式会社は、システムソリューションの専門家として、お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。今後もAIをはじめとする様々なIT技術を活用し、社会が抱える人材不足といった課題の解決に貢献していくとのことです。
エクシオ・デジタルソリューションズ株式会社 公式ホームページ
会社概要
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大阪ガスマーケティング株式会社
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所在地:大阪市中央区平野町四丁目1番2号
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代表者:代表取締役社長 森崎 健志
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セカンドサイトアナリティカ株式会社
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所在地:東京都千代田区神田西福田町3番地 RBM神田ビル 6階
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代表者:代表取締役社長 高山 博和
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エクシオ・デジタルソリューションズ株式会社
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所在地:東京都港区三田3-5-27 住友不動産東京三田サウスタワー
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代表者:代表取締役社長 前田 幸一
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