映像の不正利用を防ぐ新技術!ドイツnablet社の「ビデオ・フィンガープリンティング」が日本初上陸

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アリドレムネクスト株式会社は、2025年11月19日(水)から21日(金)に幕張メッセで開催される「Inter BEE 2025 国際放送機器展」で、ドイツnablet社の最新技術「Video Fingerprinting(ビデオ・フィンガープリンティング)」を日本で初めて本格的に導入することを発表しました。この技術は、映像業界が抱える著作権保護、無断転載検出、配信監視といった長年の課題を大きく変える可能性を秘めています。

映像を守る新技術

映像に「指紋」をつける革新的な技術

ビデオ・フィンガープリンティング技術は、まるで人間の指紋のように、一つひとつの映像に固有の「指紋」を生成する技術です。動画に含まれる色や形、カメラの動きといった様々な特徴を分析し、それを元に映像を識別できる情報を作り出します。

この「映像の指紋」はとても賢く、動画の一部が切り取られたり、サイズや画質が変わったりしても、元の映像と同一であることを見分けることができます。例えば、SNSや動画共有サイトで、タイトルやファイル名を変えて再投稿された動画でも、映像の内容そのものから元の動画と一致するかどうかを自動的に検出できるのです。これにより、著作権侵害や不正利用を素早く見つけ出すことができます。

これまでの方法では、映像に透かしを入れたり(ウォーターマーク)、追加情報を埋め込んだり(メタデータ管理)する必要がありました。しかし、ビデオ・フィンガープリンティング技術は映像そのものの情報を使うため、改変に強く、より自然に映像コンテンツを管理・検出できるようになります。

nablet社の「Video Fingerprinting」の特長

nablet社の「Video Fingerprinting」は、「速く、軽く、そして幅広く使える」という点が大きな特長です。放送局や動画配信サービスが持つ大量の映像データに対しても、ほぼリアルタイムで検索や照合を行うことができます。

この技術を活用することで、次のようなことが可能になります。

  • 放送中や配信中の映像が、正規のものであるかを監視する。

  • 広告や番組、ニュース映像の重複チェックや再利用の効率化を図る。「どの映像をいつ使ったか」「他のメディアで使われているか」などを効率的に管理できます。

  • 膨大なアーカイブ映像の中から、見たいシーンを素早く探し出すことができます。

  • インターネット上に不正にアップロードされた動画を自動で検出し、通報システムと連携できます。

「Video Fingerprinting」は、映像コンテンツを守るだけでなく、映像をより効果的に活用するための新しい基盤を築く可能性を秘めています。この技術で生成される指紋データは非常に小さく、大量の動画を扱ってもデータベースの容量を抑えられます。データが小さいからこそ、高速な検索・検出が実現するのです。

このソリューションは、既存の映像アーカイブシステムや配信監視プラットフォームなどと簡単に連携できるソフトウェアとして提供されます。

日本市場への展開と未来

アリドレムネクスト株式会社は、このnablet社の「Video Fingerprinting」を日本市場に導入し、放送事業者、動画配信サービス、制作会社、教育機関など、映像を扱う様々な分野での展開を予定しています。今後は、映像アーカイブとの連携や、配信監視プラットフォームとの統合、クラウド環境での利用検証などを進め、日本での実用化と商用利用を推進していくとのことです。

アリドレムネクスト株式会社の代表である刈谷剛敏氏は、「nablet社のこの技術は、高速で軽量、そしてとても汎用性が高く、映像の不正利用検出をより確実で簡単なものにします。これにより、コンテンツを守るだけでなく、映像がもっと自由に流通し、再利用される時代が到来するでしょう。ぜひご注目ください」と述べています。

ドイツnablet社について

2011年にドイツ・アーヘンで設立されたnablet社は、映像技術に特化した企業です。放送、配信、ポストプロダクションといった映像制作の全工程に対応する「メディア処理エンジン」や「検索・識別ソリューション」、「コーデック・SDK」などを世界中のプロフェッショナル市場に提供しています。自社開発の技術により「映像をもっと速く、もっと賢く」扱える環境を追求しており、大手放送局やクラウド映像配信サービスでの採用実績も豊富です。

アリドレムネクスト株式会社について

アリドレムネクスト株式会社は、次世代映像とコンピュータグラフィックス技術の研究・開発・提供を行う映像ソリューション企業です。4K・8Kといった超高解像度映像、最新のコーデック、低遅延ストリーミング、リアルタイム3Dレンダリング、AI技術などを自社で手がけています。ソフトウェアライセンス販売や受託開発など、幅広いソリューションを展開し、映像制作、配信、アーカイブなど多様なニーズに応えています。2018年5月に設立され、国内ではまだ浸透していない最先端映像技術を日本に広めることを目指しています。

より詳しい情報は、nablet社のウェブサイトをご覧ください。

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