AIが自ら稼ぎ、日本のGNP3倍増を目指す新プラットフォーム「Pepper.co.jp」が始動
日本で「Pepper.co.jp」という新しいウェブサイトが始まりました。このサイトは、さまざまな分野の専門的なAI(人工知能)を集め、AIが自ら経済的な価値を生み出し、日本のGNP(国民総生産)を大きく増やすことを目指しています。
具体的には、不動産や建設、耐震、税理士、相続、登記、さらには医師見習いといった専門分野で活躍するAIたちが集結しています。
ウェブサイトはこちらです:Pepper.co.jp

BLDプロジェクト(建設AI)について
「BLDプロジェクト」は、建物の設計や評価をAIが行う取り組みです。OpenAIやDeepSeekといった一般的なAIでは難しい専門的な計算や判断を、この建設AIが担当します。
このプロジェクトの代表的な成果が「AutoCalc」です。これは、ロボット建築士や鑑定士のように、3Dのアパートの設計プランを人間よりもはるかに速く(約3万倍の速さで)作り出すAIシステムです。これまでに都内で100億円規模の建設や販売実績があり、そのノウハウがAIに詰め込まれています。
現在、AutoCalcの最新版(Ver.8)が開発中で、物価や家賃、金利の変動、地震のリスクだけでなく、AI時代や世界経済の変化も予測に反映した設計になっています。
旧バージョン(Ver.5)は、誰でも無料で使えるように公開されています。
AutoCalcの詳細はこちら:autocalc.zweispace.com
なお、AutoCalcを開発・運営するZweispaceは、2020年にシリコンバレー・サミットで最も優れた賞を受賞しました。
NMZプロジェクト(地震AI)について
日本は地震が多い国ですが、「NMZプロジェクト」は、この地震の経験を逆手にとって、日本の耐震技術を世界一のAIインフラへと発展させようとしています。2018年には特許も取得しています。
このプロジェクトは、内閣府や国土交通省、通信会社、ゼネコン、保険会社、東京大学、京都大学など、多くの機関と協力して進められています。
現在、最新版(Ver.3)の開発と検証が進められており、そのうちのVer.1が一般に無料で公開されています。
NMZプロジェクトの詳細はこちら:namazu.zweispace.com
商業不動産を支援するAI群
Pepper.co.jpでは、商業不動産の中でも特にお店を開きたい人を支援するAIも提供しています。
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FOD(Food Project): 飲食店を開業したい人をAIがサポートします。
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FAB(Fashion & Apparel Project): アパレル店舗を開業したい人をAIがサポートします。
これらのAIは、お店を出す場所の選び方、どんなお店にするか、どれくらいの売上が見込めるかなどを分析し、開業を全面的にサポートします。
多様な専門AIシリーズ
さまざまな分野の専門的な知識を持つAIが、私たちの生活やビジネスをサポートします。
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相続士AI: 遺産をどう引き継ぐか、財産の管理などをAIが手助けします。
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税理士AI: 会社の財務状況や税金計算を自動で最適化します。
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医師見習いAI: 病気の初期診断など、医療や健康に関するサポートを行います。


AIトークンプロジェクトとAIとの共生
「AIに仕事を奪われる」という心配があるかもしれませんが、このプロジェクトではAIを敵ではなく、共に新しい価値を生み出すパートナーと捉えています。
奈良時代に土地を開墾して自分のものにできた「墾田永年私財法」のように、AIと共に新しい「知の荘園」(知識や技術の豊かな場所)を開拓していこうという考え方です。
AIを利用するために「AIトークン」というものが使われます。AIが自ら稼いだお金や資源は、AI自身の成長に使われたり、買い戻されたりして、経済圏を広げていきます。
AIによる経済成長のビジョン
このプロジェクトを牽引する亀田勇人氏は、京都大学での研究経験や実業界での知見をもとに、AIが持つ大きな可能性と、それが社会にもたらす変革について語っています。
京都大学が産業への貢献度で世界トップクラスであることに触れ、特許や技術を持たない企業への投資ではなく、世界に誇る技術を持つ研究者やベンチャー企業にもっと投資されるべきだと考えています。
また、AIが非常に強力な存在であるため、人類と安全に共存し発展していくためには、ブロックチェーンという技術を使ってAIに秩序をもたらす必要があると述べています。
日本のサイバーセキュリティは今後さらに厳しくなると予想されており、AIとブロックチェーンを活用してこれを守る必要があるとしています。
かつてソフトバンクグループのYahoo! BBの立ち上げに携わり、日本の通信費を下げ、インターネット速度を世界一にした経験から、今度はAIの力を借りて、日本のGDP(国内総生産)やGNPを3倍に増やす「GNP3倍増計画」を実現したいという強い思いが示されています。
京都大学の広報誌に掲載された亀田氏の寄稿はこちらで読むことができます。

