株式会社マクニカは、ガス・重油メーターの検針業務を効率化する新しいシステム「AIカメラシステム」の販売を開始しました。このシステムは、AIカメラがメーターの情報を自動で読み取り、マクニカが提供するエネルギー管理システム「Kisense®」と連携することで、エネルギーの使用状況を「見える化」し、さらに分析までを一貫して行えるようになる画期的なソリューションです。
AIカメラシステムとは?
「AIカメラシステム」は、工場や製造現場にある既存のガス・重油メーターにAIカメラを設置し、メーターの数値を自動で読み取る仕組みです。これにより、これまで人が直接行っていたメーターの確認作業が不要になります。読み取られたデータは、エネルギー管理システム「Kisense®」に自動で送られ、エネルギーの使用状況をグラフなどでわかりやすく表示したり、ムダがないかを分析したりすることができます。

このシステムが生まれた背景
近年、多くの職場で人手不足が深刻化しており、メーターの検針作業もその影響を受けています。また、これまでエネルギーの使用状況を正確に把握するためには、専用の流量計を設置するのが一般的でした。しかし、これらの流量計の導入には高額な費用がかかるだけでなく、大規模な工事が必要になることも多く、なかなか導入が進まないという課題がありました。
AIカメラを使ってデータを取得するケースは増えてきましたが、取得したデータをどのように活用してエネルギーを効率的に使うか、CO2排出量をどう減らすかといった、さらに踏み込んだ分析までは難しいのが現状でした。そこでマクニカは、これらの課題を解決するために「AIカメラシステム」を開発しました。
導入のメリット
このシステムを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
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導入コストを抑えられる:既存のメーターにAIカメラを取り付けるだけなので、大がかりな設置工事が不要です。これにより、導入にかかる費用や時間を大幅に削減できます。
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高精度な自動読み取り:AIの画像解析技術により、メーターの数値を高い精度で自動的に読み取ります。
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エネルギーの「見える化」と分析:「Kisense®」と連携することで、ガスや重油などのエネルギー使用量をクラウド上でリアルタイムに確認・分析できます。これにより、どこでどれだけのエネルギーが使われているか、ムダがないかなどをすぐに把握できます。
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現場の負担軽減と管理レベル向上:異常な数値が検知された際にはアラートで通知したり、自動でレポートを作成したりする機能も備わっています。これにより、現場の担当者の作業負担が減り、より効率的なエネルギー管理が可能になります。
現在、このシステムは回転式メーターに対応していますが、今後は7セグメント表示のメーターにも対応する予定です。
今後の展望
マクニカは今後、「AIカメラシステム」で対応できるメーターの種類をさらに増やしていく計画です。そして、異常の検知やCO2排出量の最適化など、企業全体のエネルギーマネジメントをより高度にサポートするプラットフォームを目指していくとのことです。これにより、企業の省人化やコスト削減に貢献し、持続可能な社会の実現を目指します。
用語解説
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Kisense®:エネルギーの使用量を比較・分析したり、コストに換算したり、CO2排出量を「見える化」したり、異常を知らせるアラート通知など、さまざまな機能を備えたプラットフォームです。AIカメラで取得したデータのほか、多くの設備のデータも集めて分析できます。
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回転式メーター:ガスや水道などの使用量に応じて、内部の羽根車が回転し、その回転数から使用量を表示するタイプのメーターです。
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7セグメント表示:「日」の字のように並んだ7つの発光体を点灯させることで、数字や簡単な文字を表示するディスプレイ装置です。
マクニカの環境ソリューション事業について
マクニカは、半導体事業だけでなく、世界中の最先端技術を活用して環境問題の解決にも取り組んでいます。特に、サーキュラーエコノミー事業では、「エネルギーマネジメント」「省エネマネジメント」「資源循環マネジメント」「環境ライフマネジメント」の4つの分野で事業を展開し、CO2排出量の削減や脱炭素社会の構築を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。
関連情報
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製品の詳細はこちら: https://www.macnica.co.jp/business/energy/products/148602/
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マクニカのサーキュラーエコノミー事業について詳しくはこちら: http://www.macnica.co.jp/business/energy/

