バーチャル空間と現実をピタッと合わせる!新ソフトウェア「CalibFX®」が映像制作の常識を変える

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バーチャルプロダクションの課題を解決する「CalibFX®」が登場

最近よく耳にする「バーチャルプロダクション」とは、現実のスタジオで撮影している映像(実写)と、コンピューターで作られた映像(CG)をリアルタイムで合成して、まるでCGの世界にいるかのような映像を作り出す技術のことです。しかし、この技術には「実写とCGの映像が少しずれてしまう」という課題がありました。

この課題を解決するため、株式会社スパイスがフランスのMiraxyz SAS社製の新しいソフトウェア「CalibFX®(キャリブエフエックス)」を導入します。この「CalibFX®」は、実写とCGのズレを解消し、まるでそこにCGがあるかのようにピタリと合わせることを目指した画期的なツールです。

CalibFX®のメインイメージ

「CalibFX®」は、2025年12月に正式リリース予定で、さまざまなカメラやレンズ、3Dエンジン、カメラトラッキングシステムに対応しているため、多くのバーチャルスタジオで活用が期待されています。

「CalibFX®」の2つの主要機能

「CalibFX®」には、主に「レンズキャリブレーション」と「カメラオフセット」という2つの大切な機能が備わっています。これらの機能が連携することで、実写とCGの完璧な位置合わせを実現します。

1. レンズキャリブレーション

この機能では、撮影に使うレンズの特性(画角、歪み、焦点距離など)を正確に測定し、「レンズプロファイル」というデータを作成します。このデータを使うことで、CGの世界でも実際のレンズで撮影したかのように、リアルな映像を再現できます。

ARタグボードを使ったレンズキャリブレーションの様子

具体的な方法としては、「ARタグボード」という特別なボードをカメラで撮影しながら、レンズのズームやフォーカス(ピント)の情報を読み取っていきます。この作業によって、放送用レンズ、シネマレンズ、ズームレンズ、単焦点レンズなど、幅広い種類のレンズに対応可能です。

計測できる主な項目

  • 画角(Field of View)

  • 歪み係数(K1、K2)

  • 入射瞳位置オフセット(Nodal Offset)

  • 焦点距離(Focus Distance)

  • 絞り値(Aperture)

  • センサーサイズ(Censor Size)

  • 光軸位置(Center Shift)

対応する3Dエンジン

  • Unreal Engine

  • Aximmetry

  • Pixotope

  • ZeroDensity

  • Vizrt

  • Brainstorm

2. カメラオフセット

次に、この機能を使って、現実のスタジオ空間とCG空間の正確な位置合わせを行います。これにより、実写のカメラが動いても、CGがずれることなく、現実とCGが一体化した映像を作り出せます。

ARタグキューブを使ったカメラオフセットの様子

スタジオの床に「ARタグキューブ」という目印を置き、実写カメラで撮影することで、スタジオの基準点とカメラの位置のズレを計算します。このズレの情報を3Dエンジンに送ることで、実写とCGの位置合わせが完了します。

また、「CalibFX®」のカメラオフセット機能は、次世代のトラッキングプロトコルである「OpenTrackIO(オープントラックアイオー)」にも対応しています。これは、カメラの位置や動き、レンズのデータを含むオープンソースの技術で、より高度な位置合わせを可能にします。

Sony FR7との連携でさらに効率アップ

「CalibFX®」は、PTZカメラ(遠隔操作で動かせるカメラ)であるSony FR7との連携も予定しています。2026年2月のファームウェアアップデートでFR7がOpenTrackIOに対応すると、CalibFX®で計算したカメラオフセット値をFR7本体に直接送れるようになります(2026年第1四半期に実装予定)。

Sony FR7とCalibFX®の連携イメージ

これにより、FR7とCalibFX®を組み合わせたバーチャルプロダクションでは、レンズキャリブレーションのステップが省略され、実写とCGの位置合わせが最短1分で完了する見込みです。短時間で高品質な映像合成ができるため、バーチャルスタジオでの活用が非常に期待されます。

製品構成

「CalibFX® Suite Bundle」には以下のものが含まれます。

  • CalibFX®ソフトウェアライセンス(1シート)

  • ARタグボード

  • ARタグキューブ

Inter BEE 2025で実演デモを初披露

「CalibFX®」の実演デモは、2025年11月19日(水)から21日(金)まで幕張メッセで開催される「Inter BEE 2025」の株式会社スパイスブース(Hall 4:4409)にて行われます。

  • 開催期間:2025年11月19日(水)~21日(金)

  • 場所:幕張メッセ

  • 小間番号:4409(Hall 4)

  • 出展内容

    • バーチャルプロダクション向けカメラトラッキングシステムとキャリブレーションソフトウェアの展示

    • Sony FR7とCalibFXを組み合わせたAR合成デモの実演

    • OptiTrack WiredCinePuckを使ったカメラトラッキングのAR合成デモの実演

ぜひこの機会に、最先端のバーチャルプロダクション技術とその効果を体験してみてはいかがでしょうか。

Inter BEE 2025の詳細はこちらからご覧ください。
https://www.inter-bee.com/ja/

問い合わせ先

株式会社スパイス(CalibFX®正規販売代理店)
モーションキャプチャー事業部

〒107-0052東京都港区赤坂2-14-5 Daiwa赤坂ビル3F
メール:mocap-vp@spice-group.jp
電話:03-5549-6157

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