ブレインパッドが「衛星データ×AI検索」のすごい活用法3選を発表!新機能も開発中

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衛星データとAIが融合!ブレインパッドが新たな活用法と新機能を発表

株式会社ブレインパッドは、人工衛星から送られてくる画像データと、さまざまな種類の情報をまとめて処理できるAI(マルチモーダルAI)を組み合わせた地理空間検索技術「Orbital Sense(オービタル・センス)」の新しい活用事例3つを公開しました。さらに、より詳細な情報を探し出せる「地理空間ディープリサーチ機能」の開発もスタートしたと発表しています。

これらの活用事例は、「Orbital Sense」のこれまでの利用状況や、ジオテクノロジーズ株式会社との共同研究で顧客に話を聞いた結果、「こんな機能があったら便利なのに」という声が多かったもの。特に、時間や手間がかかる作業でAIを使うことで、大きな効果が期待できると考えられています。

AI検索×地理空間データ

宇宙とAIへの期待が高まる背景

近年、政府も「宇宙」を重要な分野の一つに挙げ、AIの開発や活用を積極的に進める方針を示しています。これにより、宇宙技術とAIを組み合わせた新しい技術やサービスの誕生に、これまで以上に期待が集まっています。

一方で、日本ではまだ衛星画像データと生成AIを組み合わせた具体的な活用事例が少ないのが現状です。これは、生成AIを企業に導入するスピードが、アメリカや中国といった国々に比べてゆっくりであることとも関係していると言えるでしょう。

世界では、災害が起きたときの対応や物流ルートの最適化、都市がどのように成長していくかの予測など、さまざまな分野で生成AIと地理空間データを組み合わせた先進的な事例がどんどん増え、市場も大きく成長しています。

ブレインパッドは、この世界の動きを捉え、日本でも具体的な活用例を示すことで、宇宙関連サービスの発展を加速させることが重要だと考え、今回のユースケース公開に至りました。

高いニーズと手間のかかる作業を解決する3つのユースケース

ユースケース1:運転中の危険な場所(ヒヤリハット地点)を見つける

衛星画像と地理空間データを使って、道路の形、周りの建物、見通しの悪さなどをAIが分析します。これにより、過去に危ない目に遭いそうになった場所や、これから危険が起こるかもしれない交差点や区間を見つけ出し、地図上で分かりやすく表示できます。この情報は、道路の整備計画を立てる際の優先順位を決めたり、ドライバーに注意を促したりするのに役立ちます。

ヒヤリハット地点の検出

※このユースケースは、危険が発生する可能性を推定・把握するための目安であり、最終的な判断は現地での確認などに基づいて利用者が行うことになります。

ユースケース2:太陽光や風力発電に適した広い土地を探す

「広い平らな土地」といったおおまかな言葉で検索するだけで、大規模な発電施設を作るのに適した場所の候補を見つけることができます。さらに、日当たりや風の状況、土地の高さや傾き、送電線からの距離、土地の利用に関するルールといった詳しい情報を重ねて分析することで、なぜその土地が候補なのかを説明できる形でリストアップできます。これにより、大規模な太陽光発電所や風力発電所を建設する最適な候補地を自動で選び、開発にかかる時間と費用を大幅に減らすことが期待されます。

再生可能エネルギー用地の探索

ユースケース3:公共施設の近くにある駐車場に適した土地を探す

病院や学校、役場などの公共施設の場所の情報と、衛星画像からわかる使われていない土地や地面の状況をAIで一緒に分析します。これにより、公共施設に近い順に絞り込み、将来的に駐車場を作るのに適した土地のリストを作成します。効率的な都市計画や、人々の利便性を高めることに貢献するでしょう。

公共施設近くの駐車場用地探索

※このユースケースは、開発が始まった「地理空間ディープリサーチ機能」によって実現可能となります。この新機能の開発完了は2026年初頭を予定しています。

マルチモーダルAIと衛星画像を組み合わせた「Orbital Sense」とは

「Orbital Sense」は、膨大な衛星画像の中から、あいまいな指示でもAIがその意図を読み取り、関連する地域を教えてくれる「あいまい検索」技術です。

「施設の名前」や「広さ」といった文字や数字で表される情報と、衛星画像のような目で見てわかる情報を、マルチモーダルAIという技術で組み合わせることで、これまでの地理情報ではわからなかった「建物の雰囲気」や「地域の住みやすさ」といった、あいまいな情報も検索して提示できるようになります。

Orbital Senseの詳細はこちら

Orbital Sense

ブレインパッド担当者からのメッセージ

ブレインパッドのアナリティクスコンサルティングユニット統括ディレクターである押川幹樹氏は、次のようにコメントしています。

「衛星画像データをビジネスに活用するためには、場所や地形の情報と、そこを動く人々の動きの情報を組み合わせるなど、異なる種類のデータをどう組み合わせるかがとても重要です。今回公開した『生成AI×地理空間データ』の活用事例が、多くの企業にとって、具体的なアイデアを生み出すきっかけとなることを願っています。」

ブレインパッド アナリティクスコンサルティングユニット 統括ディレクター 押川幹樹氏

さらに、ブレインパッドは、もっと多くの種類のデータを組み合わせて分析したいという要望に応えるため、構造化されたデータと連携する「地理空間ディープリサーチ機能」の開発も進めています。

ブレインパッドは「Orbital Sense」を通じて、宇宙とAIの分野での新しい技術やサービスの創出に、一層力を入れていくとのことです。

参考情報

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