IFSと1X Technologies、産業用AIとヒューマノイドロボティクス統合で協業を発表

ビジネス活用

2025年11月13日、産業用AIソフトウェアを提供するIFSは、ヒューマノイドロボットを開発する1X Technologies(以下、1X)との戦略的パートナーシップを発表しました。この協業は、工場やインフラなど、多くの資産を持つ産業分野でのヒューマノイドロボットの導入と実用化を進めることを目的としています。

AIとロボットが連携する新しい働き方

IFSのAIプラットフォーム「IFS.ai」と1Xのヒューマノイドロボットを組み合わせることで、製造業、公益事業、航空産業といった現場で、すぐに使えるロボットソリューションが開発・導入されます。

このパートナーシップにより、AIが搭載されたロボットが企業の業務プロセスに直接組み込まれ、デジタルな情報と物理的な作業が一体となった環境が実現します。ヒューマノイドロボットがIFS.aiと連携することで、ロボットの動きをリアルタイムで制御し、現場の作業データが企業のシステムへスムーズに送られるようになります。

期待される具体的な活用例

IFSと1Xは、先行して導入する企業とともに、高い効果が見込まれる以下のような分野でヒューマノイドロボットの導入と検証を進めます。

  • 製造業・スマートファクトリーの自動化: IoT(モノのインターネット)技術を通じて、リアルタイムの作業データをIFS.aiに提供します。

  • フィールドサービスの自動化: ロボットが現場でのメンテナンス作業を行い、AIが効率的な保守計画を立てます。

  • 倉庫管理、航空機の整備(MRO)、公益事業のメンテナンスなど、業界に特化した様々な用途での活用が期待されます。

IFSの最高製品責任者であるクリスチャン・ペダーセン氏は、「このパートナーシップは、物理的な世界とデジタルのAIの世界を結びつける素晴らしい機会です。1Xの先進的なロボット技術とIFS.aiを組み合わせることで、賢い機械とシステムが協力して働くソリューションを生み出します。単にロボットを追加するだけでなく、現場の状況を理解し、実際に価値を生み出すことを目指しています」と述べています。

また、1X Technologiesのセールス&オペレーション担当EVPであるホルヘ・ミルバーン氏は、「この協業により、物理的な作業と知的な業務プロセスが途切れることなく連携します。ヒューマノイドロボットとIFS.aiの統合によって、ロボットが単独で作業するのではなく、現場の状況を理解し、変化に対応し、企業全体の意思決定をサポートするデータを提供できるソリューションを構築しています」とコメントしています。

人手不足を解消する「未来の産業ワークフォース」

このパートナーシップは、IFSが描く「産業現場での労働力強化」というビジョンにおいて重要な一歩となります。産業分野では、特に米国で製造業を中心に深刻な人手不足が続いており、再工業化やエネルギー需要の増加も進んでいます。

将来的に、産業の現場では以下のような3種類の「ワーカー」が協力して働く体制が想定されています。

  • ヒューマンワーカー(専門家): 業務全体の調整や重要な意思決定に集中します。

  • デジタルワーカー(AIエージェント): 24時間365日、診断や作業の流れを実行します。

  • ロボットワーカー: 資産の点検や危険な作業を担当し、過酷な環境でも作業を行います。

これにより、従来の人員では難しかった大規模な生産性向上を実現できる環境が整います。IFSは、これらヒューマン、デジタル、ロボットの各ワーカーを一元的に管理・最適化できるプラットフォームを提供します。1X Technologiesとの協業により、ロボットワーカーも同じ企業プラットフォーム上で運用できるようになり、この能力が物理的な世界にも広がります。

今後の展望

このパートナーシップは、IFSがこれまで進めてきた産業用AI戦略(Nexus Blackイノベーションアクセラレータ、TheLoopsおよび7Bridgesの買収によるAI機能の提供など)を基盤としています。今回の高度なロボティクス統合により、産業オペレーションの未来に向けたプラットフォーム構築をさらに加速させます。

統合ソリューションは、2026年に商用提供が予定されており、IFSの顧客向けに世界中で紹介される予定です。

1X Technologiesについて

1X Technologiesは、米国を拠点とするAIとロボティクスの先進企業で、ヒューマノイドロボット「NEO」を開発しています。安全で賢いヒューマノイドロボットを通じて豊かな未来を創造することをミッションとしています。1Xのロボットは、人間と共存して作業できるように設計されており、家庭から製造現場まで幅広く活用できる「人工労働ソリューション」を提供しています。

IFSについて

IFSは、産業用AIとエンタープライズソフトウェアの分野で世界をリードするプロバイダーです。製造、資産管理、サービス運用を通じて、地球を支えるビジネスを支援しています。IFSの技術は、企業が産業用AIの力を活用し、生産性、効率性、持続可能性を高めることを可能にします。IFS Cloudは、AIを活用した柔軟なプラットフォームで、ERP、EAM(企業資産管理)、SCM(サプライチェーン管理)、FSM(フィールドサービス管理)などのニーズを包括的にカバーします。IFSは1983年に設立され、現在では80カ国で7,000人以上の従業員を擁するグローバルリーダーです。詳細については、以下のリンクをご覧ください。

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