ホットリンク、生成AI活用が社内文化として定着した社内調査結果を公開
AIが個人の効率化からチームの自動化・ナレッジ共有へ進化
SNSマーケティング支援サービスを提供する株式会社ホットリンクは、社内で生成AIツールがどのように活用されているかについての調査結果(2025年10月度)を発表しました。この調査から、AIの活用が個人の業務効率化だけでなく、チームやプロジェクト単位での業務のやり方を見直したり、知識を共有する仕組みづくりにも広がっていることが明らかになりました。バックオフィスを含む各部門や、正社員以外の業務を行う人にもAIが浸透し、組織全体でAIが業務の土台として機能し始めていることがうかがえます。
AI活用の全体像と調査の目的
ホットリンクは、「AI時代のソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」という目標を掲げ、AIの活用を5つの段階に分けて進めています。現在は、最初の段階である「事業部や会社の業務にAIを組み込む」ことをほぼ達成し、次の段階である「コンサルティングや業務を助けるAIエージェントを作る」ことに取り組んでいます。

AIを日々の業務に取り入れることで、SNSマーケティング支援などのサービスがより効率的になり、社員一人ひとりの働き方も変化しています。今回の調査は、AIがどのように日常業務で使われているかを知るために実施され、2024年4月の初回から数えて7回目となります。AIがどれくらい定着しているか、どんな効果があるか、どこまで活用範囲が広がっているかを継続的に記録し、会社全体でAIを日常的に使うという方針に沿って、社内の変化を分かりやすく示しています。
調査概要
-
対象: 株式会社ホットリンクの正社員、契約社員、アルバイト、インターンシップ生
-
有効回答数: 141名
-
期間: 2025年10月9日~10月24日
-
形式: アンケート
調査結果のポイント
1. AIサービスの利用頻度が高い
ホットリンクでは2024年からAIサービスを導入しており、今回の調査でAIが日々の業務に深く根付いていることが確認されました。「毎日(週に5回以上)」AIサービスを利用している社員は72.1%に上り、「週に3〜4回」利用する社員を含めると、週3回以上利用する社員は96.4%にもなります。これは、前回調査(2025年7月)と比べても安定した利用が続いており、AI活用がすでに定着していることを示しています。

初回調査(2024年4月)では「毎日」利用する社員が2割に満たなかったことを考えると、この1年半でAIが業務に欠かせない存在になったことがわかります。
2. AI活用で業務効果を実感
業務におけるAIサービスの利用効果について尋ねたところ、「ある程度向上している」が48.2%、「大幅に向上した」が37.6%となり、全体の8割以上の社員がAIによる良い効果を実感していることが明らかになりました。

AI導入によって業務時間がどのくらい短くなったかについては、「大幅に短縮できた」と答えた社員が28.4%で、前回調査(2025年7月)の26.7%からさらに増えました。

さらに、AI導入によって仕事の質(アウトプットの精度や説得力など)がどのように変わったかを尋ねたところ、「明らかに向上した」と答えた社員は34.6%で、前回調査(2025年7月)の30.0%から増加しました。これにより、業務のスピードアップと質の向上が同時に進んでいることがわかります。

3. AI導入で感じるポジティブな効果
AI導入による良い効果について自由回答で尋ねたところ、主に次の3つのタイプに分けられました。
-
効率化: 業務のスピードアップ、手間(工数)の削減、最初の作業を素早く始められるようになった。「議事録や報告書の作成が数分で完了しています」といった声があります。
-
知的生産: 考えることの整理、新しいアイデアの発想がしやすくなった、成果物の品質が上がった。「アイデアが広がった」「表現をより良くするのに役立っている」といった声があります。
-
心理的支援: 相談相手としての活用、新しいことに挑戦するハードルが下がった、安心感が生まれた。「『悩んだらAIに聞く』という習慣ができた」「未経験の業務にも挑戦できる」といった声があります。
これらの声から、AIが単なる「業務を効率化するツール」から、「一緒に考えてくれるパートナー」へと、社員の認識が変わってきていることがうかがえます。
4. チームやプロジェクトでの活用状況
チームやプロジェクト内でのAI活用状況を尋ねたところ、AIが特定の個人だけが使うものではなく、日々の業務に溶け込んでいることが明らかになりました。社員がGPTsやGAS、Notion AIといった生成AIツールを使いながら、自分たちで業務の流れを見直し、知識を共有する仕組みを整える動きが定着しています。
-
「チーム内でも、AIで作成した下書きを共有してブラッシュアップする流れが自然にできている」
-
「新しい業務の初動はまずAIに聞いて整理してから動くのが当たり前になった」
-
「議事録やアイデア出しなど、AIを使わない業務のほうが少なくなった」
前回調査(2025年7月)以降も、生成AIが、社員自身が業務を再設計し、仕組みを作っていくための手段として活用されていることがわかる結果となりました。
今後の展望
ホットリンクは今後も、社内での知識共有を軸に、部署を横断してAI活用を進める仕組みづくりを進めていきます。また、各部署の「AI活用キーマン」と呼ばれる社員に対して、技術者がサポートするメンター制度を導入し、自分たちで課題を見つけて解決できる人材を育てていきます。
さらに、AIの活用レベルの差や利用意欲の低下を防ぐため、社内研修制度を計画・実施し、社員全体のスキルアップと活用方法の統一を目指します。そして、AIを業務のパートナーとして扱う文化をさらに育て、社員が自ら業務プロセスを見直し、より良い形にできるように支援していきます。
生成AIの活用が「定着」から「構造化」へと進む中で、ホットリンクは引き続き、AIを積極的に活用する組織として、創造的な業務改革を推進していくとのことです。
ホットリンクのAI活用に関連する記事
ホットリンクのAI活用に関する詳しい情報は、以下の記事でも紹介されています。
株式会社ホットリンクについて
株式会社ホットリンクは、日米で事業を展開するホットリンクグループの中心企業です。SNSへの投稿など、人々が発する「声」であるソーシャルビッグデータを分析し、企業のマーケティング活動や報道、災害対策などに役立てる支援を行っています。Web3の分野でも、データ分析・活用力を活かして基盤を担い、世界中の人々が「HOTTO(ほっと)」できる世界の実現を目指しています。
-
設立日: 2000年6月26日
-
代表者: 代表取締役グループCEO 檜野安弘
-
本社所在地: 東京都千代田区富士見一丁目3番11号 富士見デュープレックスビズ5階
-
事業内容: SNSマーケティング支援

