来庁不要の“顔パス定期券”!加賀市で顔認証を使った乗合タクシーが始まります

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来庁不要の“顔パス定期券”が加賀市の乗合タクシーで実用化へ

石川県加賀市で、顔認証の技術を使った「顔パス定期券」の実証実験が始まりました。これは、役所に行かなくても定期券が買えて、乗合タクシーに乗る時に顔を見せるだけでOKという、とても便利なシステムです。株式会社Liquidがこのプロジェクトをサポートし、2025年10月1日から実証実験が始まり、2026年春には本格的に運用が始まる予定です。

顔パス定期券のイメージ

なぜ「顔パス定期券」が必要なの?

加賀市では、AIが自動で最適なタクシーを手配する「AIデマンド型乗合タクシー」が2024年8月から導入され、利用者が約1.5倍に増えました。特に、お年寄りの方が多く利用しています。しかし、タクシーの利用料金が負担になるという声もあり、加賀市は定期券の導入を決めました。この定期券を、より便利に、そして効率的に使えるようにするために、「顔パス定期券」の実証実験が行われることになりました。

「顔パス定期券」の仕組み

この「顔パス定期券」は、「PASS」というデジタルIDウォレットのアプリを使います。PASSは、マイナンバーカードで本人確認をして顔写真を登録すると、自分だけのデジタルIDが作れるサービスです。

利用の流れは次のようになります。

  1. アカウント作成: マイナンバーカードで本人確認を行い、顔写真を登録してPASSアプリにアカウントを作ります。
  2. 定期券の購入と紐付け: 本人または家族が、市役所やショッピングセンターなどで定期券を購入し、その情報をPASSアプリと連携させます。
  3. 乗車時の利用: タクシーに乗る時は、定期券やスマートフォンを出す必要はありません。顔をかざすだけで、本人であることと定期券を持っていることが同時に確認されます。

顔パス定期券の利用イメージ

このシステムのすごいポイント

来庁不要で手続きが完結

定期券を買う時の本人確認は、オンラインでできます。そのため、わざわざ市役所の窓口へ行く必要がありません。家族が代わりに手続きをすることも可能です。乗車時も顔認証なので、定期券を持ち歩く手間がなくなります。

1回の登録でいろいろなサービスが利用できる

「PASS」は、一度登録すれば、医療、防災、子育てなど、さまざまな生活サービスで顔認証IDとして使えます。今回の取り組みで交通機関にも広がり、従来のICカードやアプリとは違う、手ぶらで便利な体験を提供します。

乗合タクシーの利用イメージ

スマートフォンがなくても大丈夫

スマートフォンを持っていない方でも使えるように、家族のアカウントと連携したり、職員が代わりに登録や申請をサポートするアプリも用意されています。

デジタルIDウォレット「PASS」とは?

「PASS」は、自分の名前や住所、誕生日、そして持っている資格や健康情報などをスマートフォンでまとめて管理できるアプリです。施設を利用する際に、サービスごとに何度も個人情報を登録したり、本人確認書類を提示したりする手間がなくなります。顔認証やスマートフォンのQRコードを読み取るだけで、簡単に本人確認ができます。

この取り組みは、国が目指す「デジタル田園都市国家構想」とも相性が良く、「誰一人取り残されないデジタル化」の先進的な例として注目されています。避難所や自治体の施設での本人確認などにも使われており、その実績が評価され、ELEMENTSグループは「日本スタートアップ大賞2024」で総務大臣賞を受賞しました。

加賀市の「スマートシティ」の取り組み

加賀市は、市民がデジタル技術を使って便利で快適に過ごせる「スマートシティ加賀」を目指しています。特に、高齢化などの地域の課題をデジタル技術で解決する自治体として、「デジタル田園健康特区」にも指定されています。2024年3月からは、マイナンバーカードと顔認証を使い、市内のさまざまな施設を“顔パス”で利用できる「加賀市版スマートパス構想」も始まっています。

まとめ

今回の「顔パス定期券」の導入は、乗合タクシーをよく利用するお年寄りの方の費用負担を減らし、外出の機会を増やすことにつながります。また、タクシーの運転手さんの負担を軽くし、運行をより効率的にすることも期待されています。加賀市は、この便利な顔認証システムを活用することで、地域住民の皆さんが安心して移動できる、より良い街づくりを進めていくことでしょう。

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