生成AIで文書管理がもっとスマートに
企業に眠る膨大な文書は、まるで「知識の宝庫」です。しかし、その文書を整理し、必要な情報を探し出すのは、これまで大変な手間がかかる作業でした。そんな文書管理の常識を、最新の「生成AI」が大きく変えようとしています。
株式会社日立ソリューションズは、文書管理システム「活文 Contents Lifecycle Manager」に、生成AIの力を加える新しいオプション「生成AI連携属性抽出オプション」を2025年11月21日から提供開始します。この新機能によって、文書の情報を自動で取り出し、登録する作業がぐっと楽になります。

面倒な事前設定は不要!生成AIが情報を自動抽出
従来の文書管理では、AI-OCR(画像から文字を読み取る技術)を使う場合でも、どこからどんな情報を読み取るか、事前に細かく設定する必要がありました。しかし、この「生成AI連携属性抽出オプション」では、そうした手間がほとんど不要になります。
生成AIが文書の内容をまるごと理解し、取引日や部品番号といった管理に必要な情報を自動で選び出してくれます。担当者は、AIが抽出した情報が正しいかを確認するだけで、登録作業が完了します。これにより、これまで多くの人手と時間がかかっていた文書管理の負担が大きく減ります。
文書の内容を深く理解し、活用を促進
さらに、このオプションは単に情報を抽出するだけでなく、生成AIが文書に書かれている内容を評価したり、分析したりして、その結果を管理項目として登録することもできます。例えば、顧客アンケートの文書であれば、AIが「店舗への評価」や「要望の有無」、「自由記述の主な内容」などを自動でまとめてくれるのです。
これにより、文書の一覧画面を見ただけで、その文書がどんな内容なのか、すぐに把握できるようになります。ファイルを開いて一つ一つ確認する手間が省け、必要な情報を素早く見つけ出せるため、企業の知識活用が促進され、業務改善や意思決定の質を高めることに貢献します。
例えば、以下のような文書で活用できます。
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店舗顧客アンケート、顧客満足度調査:アンケートの内容評価、分析
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品質検査報告書、不具合報告書、クレーム対応記録:品質不具合レポートの原因分析
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作業日報、工程管理表、作業指示書:工程改善ポイント抽出
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納品書、検収報告、購買契約書、品質評価レポート:サプライヤー評価
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コールセンター記録、メール対応履歴、チャットログ:苦情や要望の分析
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監査報告書、内部統制評価書、業務改善報告書:コンプライアンスリスク検出
今後の展望:対話型AI検索で「使えるナレッジ」へ
日立ソリューションズは、この生成AIによる属性抽出機能に加えて、文書活用をさらに広げる計画を進めています。将来的には、RAG(検索拡張生成)という技術を活用し、「活文 企業内検索基盤」と連携することで、対話型のAI検索を実現する予定です。これにより、まるでAIと会話するように、蓄積された文書の中から必要な情報を瞬時に引き出せるようになるでしょう。企業内の文書が、より「使える知識」として活用できる環境づくりを支援していきます。
文書管理のニーズ変化と「活文 Contents Lifecycle Manager」
近年、少子高齢化による人手不足や、ベテラン社員の知識を若手に引き継ぐ「技能継承」といった課題が深刻化しています。これまでの文書管理システムは、文書を「保存」し「検索」することが主な役割でしたが、今はそこに加えて、蓄積された文書を「活用」したいというニーズが高まっています。
日立ソリューションズの文書管理システム「活文 Contents Lifecycle Manager」は、文書や帳票、企業間でやり取りされる情報などを、安全かつ効率的に管理・活用するための製品です。文書のライフサイクル(発生から廃棄まで)を一元的に管理し、電子帳簿保存法といった法令への対応にも役立ちます。このシステムは、オンプレミス(自社で設備を持つ)とクラウド(インターネット経由で利用する)の両方で利用できるため、企業の環境に合わせて導入できます。
「活文 Contents Lifecycle Manager」の詳細は、こちらで確認できます。
日立ソリューションズは、「DX by AX toward SX」というコンセプトのもと、AIの活用を通じてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。

