AIが顕微鏡操作を劇的に変える!エピストラとエビデントが共同開発した『FLUOVIEW™ FV5000』が発売

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エピストラ株式会社と株式会社エビデントは、顕微鏡の操作を大幅に効率化するAI物体探索システムを共同で開発しました。このシステムは、AI支援ソフトウェア「FLUOVIEW Smart™」に搭載され、次世代型共焦点・多光子励起レーザー走査型顕微鏡「FLUOVIEW™ FV5000」として2025年10月29日にエビデントより発売されました。

FLUOVIEW FV5000

開発の背景:顕微鏡操作の課題をAIで解決

共焦点レーザー走査型顕微鏡は、細胞や組織の細かい部分を高解像度で観察し、三次元的に分析できる、生命科学研究に欠かせないツールです。しかし、近年、顕微鏡の機能が高度になり、設定や操作が複雑化していました。特にAI初心者や顕微鏡に慣れていない方にとっては、設定に時間がかかったり、誤った操作をしてしまったりすることが、研究を進める上での大きな壁となっていました。

この課題を解決するため、両社は共同開発を実施。エピストラの持つ数理最適化や画像解析の技術と、エビデントの光学設計技術を組み合わせることで、「誰でも迷わず、短時間で質の高い画像を得られる」AI搭載ソフトウェア「FLUOVIEW Smart™」が誕生しました。

FLUOVIEW Smart™とは?AIが観察をサポート

「FLUOVIEW Smart™」は、「FLUOVIEW™ FV5000」に搭載されたAI支援ソフトウェアです。このソフトウェアの目的は、観察の準備から画像の取得まで、一連の操作を効率的にすることです。

このソフトウェアでは、AIが自動的に試料(観察したいもの)の位置や構造を見つけ出し、観察したい部分を正確に捉えます。さらに、レーザーの出力や撮影の条件も自動で最適なものに調整してくれます。これにより、これまで数分かかっていた顕微鏡の立ち上げや調整作業が、1分以内でのワンクリック操作で完了できるようになりました。顕微鏡に不慣れな方でも、迷うことなく質の高い画像を得られるだけでなく、経験豊富な研究者にとっても作業効率の向上や、いつでも同じ条件で撮影できるというメリットがあります。

エピストラは、「FLUOVIEW Smart™」の中心となるAI物体探索システムを開発しました。このシステムは、低い倍率で撮影した画像から標本がある場所を自動で探し出し、その後高い倍率に切り替えて細部を撮影するプロセスを支えています。これにより、使う人の経験やスキルに関わらず、安定した観察結果が得られるようになりました。

さらに、エピストラが独自開発した条件最適化AI「Epistra Accelerate™」もこのシステムに採用されています。これにより、レーザー出力などの撮影条件をAIが自動で最適化し、常に質の高い画像を安定して取得することが可能になります。

エピストラのAI解析技術とエビデントの光学技術が融合して生まれた「FLUOVIEW Smart™」は、共焦点顕微鏡の操作をより直感的でスムーズなものへと進化させ、研究現場に新しい標準を提案します。

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株式会社エビデントについて

エビデントは、オリンパスから受け継いだ100年以上の光学技術を基盤に、顕微鏡分野で高い技術力を誇る企業です。優れた光学技術と最先端のデジタル技術を融合させ、研究者や医療従事者、エンジニアが「目に見えないものを可視化」するのを支援しています。ライフサイエンス分野では、蛍光イメージングシステム、AI画像解析、デジタルパソロジーなど幅広い製品を提供し、研究・臨床・教育に貢献しています。

エピストラ株式会社について

エピストラは、製薬企業をはじめとするライフサイエンス分野の研究開発をAIソリューションで支援する企業です。独自開発の実験条件最適化AI「Epistra Accelerate」や画像解析AI「Epistra Vision」を活用し、研究現場に寄り添った支援を提供しています。すでに大手製薬企業を中心に60件以上の導入実績があり、理化学研究所との共同研究では、網膜色素上皮細胞の分化効率を80%以上向上させるなどの成果を上げています。これらの成果は国際論文誌『eLife』にも掲載されています。

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