CADモデル生成AI「MEDA」が国際ホワイトペーパーで紹介

株式会社ゴーデルブロックがAccelerated Komputing社と共同で研究を進めている「MEDA(Mechanical Engineering Design Agents)」というCADモデル生成AI技術が、世界的に注目されています。このMEDAが、大手コンサルティング会社Accenture、ドイツのフラウンホーファー研究機構、ドイツ人工知能研究センター(DFKI)が共同でまとめたホワイトペーパー「AI in New Product Development: Connecting Data & Unlocking Knowledge」に、先進的なAI技術の事例として掲載されました。
このホワイトペーパーは、製品開発のあらゆる段階でAIをどのように活用できるか、その現状と将来の可能性をまとめたものです。137本もの研究論文を分析して作られた、非常に大規模な産学連携の研究成果となっています。
MEDAとは? AIが設計を助ける画期的な技術
MEDAは、特に機械系のCADアプリケーションにおける「モデル生成」の分野で、とても革新的なAIシステムとして紹介されています。このAIは、まるで人間のように「設計専門家」「CADスクリプト作成者」「実行者」「スクリプト実行レビュー者」「CAD画像レビュー者」という5つの役割を持ったAIエージェントが協力し合って動きます。
具体的には、テキストで指示を出したり、CADモデルの見た目(ビジュアルフィードバック)を確認したりしながら、パラメトリックなCADモデル(数値で形を細かく決められるモデル)を自動で作り出し、さらに何度も改良を重ねていきます。つまり、自然な言葉で「こんな形の部品を作ってほしい」とAIに伝えれば、AIが自分で考えて3D CADモデルを生成してくれる、というわけです。
高い精度と効率を実現するMEDAの技術
MEDAの大きな特徴は、その高い精度と効率にあります。CADモデルを作成するためのスクリプトの実行成功率は99%と非常に高く、さらに、従来のやり方と比べて点群距離誤差(モデルの正確さを示す指標)を56%も削減できることが報告されています。この技術は、2025年に開催される国際的な設計工学技術会議「ASME 2025国際設計工学技術会議(IDETC/CIE2025)」でも発表される予定です。
ホワイトペーパーの公開情報
今回のMEDAが掲載されたホワイトペーパーの詳細は以下の通りです。
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タイトル: AI in New Product Development: Connecting Data & Unlocking Knowledge
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著者: Dirk A. Molitor, Vlad Larichev, Tobias Guggenberger, Marcel Altendeitering, Daniel Porta, Matthias Ziegler
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発行: 2025年11月
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DOI: 10.13140/RG.2.2.24371.69923
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公開先: ResearchGate
株式会社ゴーデルブロックについて
株式会社ゴーデルブロックは、2023年2月に設立された企業で、科学技術計算ソフトウェアの開発を主な事業としています。AIを活用した先進技術の研究開発に力を入れています。

