S&VLとLP-RESEARCHが協力合意!HMDで自動車開発がもっとリアルに
自動車関連のバーチャルテストサービスを提供するS&VL株式会社と、センサー技術に強い株式会社LP-RESEARCHが、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に関する技術の活用で協力することに合意しました。
近年、新しい自動車の開発はどんどん速くなっており、実際に車を作る前にコンピューター上でシミュレーションを行う「デジタル開発」がとても重要になっています。また、自動運転や安全技術など、より安全で快適な車への期待も高まっています。

S&VLが提供する最先端のバーチャルテスト
S&VL株式会社は、アジアで初めて最新のドライビングシミュレーター「DiM300」を導入した企業です。このDiM300を使って、車の開発に必要な高度なバーチャルテストサービスを提供し、自動車メーカーや部品メーカーの開発をサポートしています。S&VLはDiM300の使い道を広げ、性能を上げるための取り組みも行っており、その一つがHMDの活用です。
LP-RESEARCHのHMDとセンサー技術
一方、株式会社LP-RESEARCHは、IMUセンサー(車の動きや傾きなどを測る高性能なセンサー)の開発を得意としています。この技術を応用して、HMDを装着した人の動きを正確に追跡する技術や、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)のデータを組み合わせるシステムの開発を進めています。LP-RESEARCHの技術は、VR/AR分野での動きの検出や位置の特定をより正確にするのに役立っており、最近では自動車開発をはじめ、さまざまな分野で使われ始めています。
協力で実現する「超リアル」なシミュレーション
DiM300の活用範囲を広げたいS&VLと、HMD技術を自動車開発に応用したいLP-RESEARCHの目指す方向が一致し、今回の協力合意となりました。両社は、DiM300とHMDを組み合わせることで、現実世界と仮想世界の境目をさらに小さくし、まるで本物のような体験ができるシミュレーション環境を作り上げていきます。

HMDを使うと、通常のスクリーン映像では再現が難しい「両眼視差」(左右の目で見たときのずれから立体感を感じる仕組み)を正確に表現できます。これにより、コックピットの内装や映像の遠近感がより現実的に感じられ、ドライバーはシミュレーションに深く没入できるようになります。
さらに、車両用の光学カメラ(ART Smarttrack3)を使ったシステムと組み合わせることで、実際に車を作る前の段階から、内装のデザインやHMI(Human Machine Interface:人と機械の操作部分)の設計・検証を行うことが可能になります。これにより、開発にかかる時間やコストを減らし、効率を大幅に上げることが期待されます。

両社代表からのコメント
S&VL株式会社 代表取締役の村松 英行氏は、「LP-RESEARCHとの協力合意を大変光栄に思います。S&VLのシミュレーション技術とLP-RESEARCHの技術・知見を融合させ、よりリアルに近い環境で自動車のデジタル開発を進めていきたい」と述べています。
株式会社LP-RESEARCHの代表取締役、ペーターセン クラウス氏は、「S&VL株式会社と協業できることを大変嬉しく思います。LPVR-DUOシステムやVarjo XR-4といった当社のHMD統合技術と、S&VLの世界トップクラスのシミュレーション環境が組み合わさることで、自動車開発における没入感の高いリアリズムの新しい基準を築けると確信しています。次世代のバーチャルテスト環境の進化を加速させ、自動車の設計・検証・体験のあり方を再定義していくことを楽しみにしています」とコメントしています。
S&VL株式会社について
S&VLは、自動車メーカーや部品メーカー向けに、実験とシミュレーション技術を組み合わせたサービスを提供する企業です。社名の「S&VL」は「Simulation & Virtual testing Lab.」の頭文字から取られています。
最先端のドライビングシミュレーターを活用し、バーチャルテスト環境の提供から、シミュレーションモデルの開発、評価、そして開発プロセスの改善提案まで、一貫したソリューションを提供しています。現場での豊富な経験に基づく実験技術とバーチャル技術を組み合わせることで、開発効率の向上、製品品質の向上、開発期間の短縮といった課題解決を目指しています。
株式会社LP-RESEARCHについて
東京に拠点を置くLP-RESEARCHは、VR・AR・IoTなどの分野に向けたセンサーシステムや、複数のセンサー情報を統合するソリューションの研究開発を行っています。
代表的な製品である慣性計測装置(IMU)をはじめ、独自開発したセンサー統合アルゴリズムを使い、主に産業向けのAR/VR分野で、高精度な動きの検出や位置の特定技術を提供しています。
特に、動いている車両や最新のドライビングシミュレーターでのAR/VRアプリケーションでは、同社の車両用VRシステム「LPVR-DUO」が、ユーザーに高い没入感を提供するための中心的な技術として活用されています。


