コンガテック、現場で活躍するAIの新しい心臓部を発表
組込みコンピューティング技術の専門企業であるコンガテックが、Qualcomm Dragonwing™ IQ-Xプロセッサーを搭載した新しいコンピューターモジュール「conga-HPC/mIQ-X」を発表しました。このモジュールは、AI(人工知能)の力を、私たちの身近な場所、つまり「現場(エッジ)」でよりパワフルに、そして効率良く使えるようにするためのものです。

「conga-HPC/mIQ-X」とは?
この新しい「conga-HPC/mIQ-X」は、Armという種類のコンピューターの頭脳(CPU)を搭載した小型コンピューターモジュールです。これまでは、高性能なコンピューターは主にx86という別の種類のCPUが使われることが多かったのですが、このモジュールはArmベースでありながら、それらに匹敵する高い計算能力と、少ない電力で動く優れた効率性を両立しています。
特に注目すべきは、AIの計算に特化した「NPU(ニューラルプロセッシングユニット)」を搭載している点です。NPUがあることで、ローカルでの機械学習(AIが自分で学習すること)や、最近話題の「大規模言語モデル(LLM)」といった高度なAI処理を、素早く、そして効率的に実行できます。そのAI性能は最大45 TOPS(テラOPS)に達し、これはAIが1秒間に45兆回の計算ができることを意味します。
クレジットカードサイズの高性能AIコンピューター
「conga-HPC/mIQ-X」は、ほぼクレジットカードと同じくらいの小さなサイズ(95mm x 70mm)にまとめられています。限られたスペースに高性能なAIを搭載したい場合に非常に役立ちます。
また、高速なLPDDR5X RAMというメモリが直接取り付けられており、データ処理を素早く行えます。さらに、マイナス40℃からプラス85℃という、とても広い温度範囲で安定して動作するため、工場や屋外など、厳しい環境下でも安心して使える設計になっています。
この小型ながらパワフルなモジュールは、以下のような様々な分野での活用が期待されています。
-
セキュリティ:監視カメラでのAI分析など
-
一般消費者向け小売業:店舗での顧客行動分析など
-
ロボティクス:自律移動ロボットの制御や画像認識など
-
メディカル テクノロジー:医療機器での画像診断支援など
-
インダストリアル オートメーション:工場での品質検査や予知保全など
開発者にとってのメリット
このモジュールは、Armの強みをWindows上で活用したい開発者にとって理想的なプラットフォームです。コンピューターを動かすための基本ソフトであるUEFIに互換性があり、Windowsとの連携もスムーズに行えるため、他の方法と比べて開発にかかる時間を大幅に短縮できます。
コンガテックは、開発者が製品を市場に投入するまでの時間を短くするために、「aReady.COM」という包括的なサポート体制を提供しています。これには、最適な冷却ソリューションや評価ボード、そして設計に関するサポートが含まれます。さらに、オペレーティングシステムやIoT(モノのインターネット)機能のためのソフトウェアも、あらかじめ検証され、インストールされた状態で提供されるため、開発の負担を大きく減らすことができます。

「conga-HPC/mIQ-X」の詳しい情報については、以下のウェブサイトをご覧ください。
https://www.congatec.com/jp/products/com-hpc/conga-hpcmiq-x/
コンガテックは、この新しいモジュールを通じて、より多くの場所でAIの高性能な処理が実現できるよう、これからも組込みコンピューティング技術の進化を推進していくことでしょう。

