朝日新聞社がAIによる整文技術で特許を取得
朝日新聞社は、AI(人工知能)を使って音声データから読みやすい文章を自動で作成する「整文処理」という技術で特許(第7749098号)を取得しました。この技術は、会議やインタビューなどで話された内容をテキストに書き起こす際の、読みにくさという課題を解決するために開発されました。

話し言葉をスムーズな文章に変えるAI技術
普段の会話では、私たちは「えーと」といった言いよどみや、同じ言葉を繰り返すなどの冗長な表現をよく使います。これらをそのまま文字にすると、非常に読みにくくなってしまいます。これまでは、書き起こされた文章を人が手作業で読みやすく修正する作業が、時間も手間もかかる大きな負担でした。
今回特許を取得した技術は、音声認識(話している内容を文字にする)、話者分離(誰が話しているかを分ける)、文分割(文章の区切りを判断する)といった、文章を整えるための準備段階の処理と、AIが直接文章を読みやすく修正する「整文処理」を一つにまとめて行います。
これにより、話し言葉特有の言いよどみや重複表現を取り除いたり、表現のばらつきを統一したり、文の誤りを直したりすることが可能になります。その結果、話された内容を忠実に残しつつ、誰もが読みやすい文章に仕上げることができるようになりました。
この技術によって、書き起こし文の品質が向上し、文章を編集する作業の効率も大きく改善されることが期待されます。
コンテンツ制作支援サービス「ALOFA」で利用可能
この新しい整文技術は、朝日新聞社が提供するコンテンツ制作支援サービス「ALOFA(アロファ)」の「AIリフレーズ」機能としてすでに搭載されています。「ALOFA」は、音声認識と自然言語処理という最先端のAI技術を組み合わせたツールです。音声を素早くテキストに変えるだけでなく、発言者ごとに分けて表示したり、不要な言葉を削除したり、さらには文章の要約や見出しの生成まで、一連の作業をスムーズにサポートします。
「AIリフレーズ」機能を使うことで、音声の書き起こしから記事などの執筆に取りかかる際の初期の整文作業をぐっと楽にできます。これにより、書き手は文章の推敲(より良い表現を考える作業)に、より早く集中できるようになります。
朝日新聞社は今後も、この整文技術をさらに高め、利用する方々にとってより使いやすいサービスを目指していくとのことです。

