身体の反応で安全を守る!新たなセキュリティシステムが登場
株式会社ポイント機構は、人の「心理状態」と連動する新しいセキュリティシステムに関する特許「特許第7780682号」のライセンス契約を開始しました。
この特許は、金庫、家、パソコンなどへの不正な侵入や操作を、利用者の身体の反応(バイタルデータ)から判断して防ぐことを目指しています。強盗に脅されたり、酔った状態での操作など、これまでのセキュリティでは防ぎきれなかった状況での安全確保に貢献する可能性があります。

「心理状態連動型セキュリティOS」の仕組み
このシステムは、簡単に言うと「人の体の反応を使って、金庫や家、PCなどの“カギを開ける・アクセスする”行為をより安全にする」ものです。
一般的なセキュリティシステムは、カギ、暗証番号、指紋・顔認証などで「本人かどうか」を判断します。しかし、本人が脅されたり、無理やり操作させられたりする状況には対応できないという弱点がありました。
この新しい特許は、以下の仕組みでこの弱点をカバーします。
-
コンピュータや金庫の前にいる人の「体の状態(心拍、呼吸、皮膚電気反応など)」をセンサーで測定する。
-
測定した状態が、その人の「いつもの状態(基準値)」とどれくらい違うかを数値で比較する。
-
その差が大きい場合、カギを開ける・アクセスするのを止めたり、警報を出したりする。
なぜ身体の反応で安全が分かるのか?
人間は、怖いとき、脅されているとき、極度に緊張しているときに、心拍数が上がったり、呼吸が浅く速くなったり、皮膚電気反応(GSR)が変化したりといった「交感神経の反応」が自然に現れます。これは生理学の基本的な法則です。この特許は、この自然な体の反応を利用して、普段と違う「おかしい」状態を判断し、セキュリティ操作を規制する仕組みです。
どのような課題を解決するのか
この特許は、従来のセキュリティシステムが抱えていた「本人が脅されて操作させられる」という課題を解決することを目指しています。
例えば、以下のようなケースでの対策が期待されます。
-
金庫室での強盗:暗証番号や指紋があっても、脅されて開けてしまう可能性があります。このシステムでは、バイタルが異常に高いと判断され、解錠が停止し警報が発せられます。
-
社員にパスワードを入力させる内部犯行:社員本人が入力すると、通常のアクセスに見えてしまいます。しかし、心拍やGSRが激しく変化していれば、そのアクセスを停止したり、上長に通知したりすることができます。
特許の具体的な内容
この特許は、以下の要素で構成されるセキュリティシステムを定義しています。
-
保護手段:金庫の鍵、ドアロック、アクセス制御など、守りたい部分。
-
解除手段:鍵穴、テンキー、ログイン画面など、解除操作を受け付ける部分。
-
バイタルメータ:人の心拍や皮膚電気反応などを計測するセンサー。
-
メモリ:利用者ごとの「普段のバイタル基準値」を保存する場所。
-
保護解除規制手段:「解除してよいか」を判断し、おかしい時には解除を止める仕組み。
さらに、異常時に外部(警備会社など)へ知らせる「通報手段」を加えることもできます。
複数のバイタルデータで高精度な判断
心拍数、呼吸数、体温、血圧、皮膚電気反応(GSR)、眼振(目の揺れ)、酸素飽和度、血糖値、心電図波形など、複数のバイタルデータを組み合わせて測定することで、より高精度な判断が可能になります。例えば、心拍数が一時的に上がっても、他のバイタルが正常であれば誤判定を防ぎ、複数の指標が同時に異常を示したときに「危険」と判断することができます。
さまざまな対象に適用可能
この特許は、金庫や保管庫だけでなく、住居、装置、乗り物、コンピュータシステム、ネットワークシステム、電子記憶媒体のデータ、コンピュータ処理の動作など、幅広い対象に適用できることが示されています。
未来の安全を守る技術
このシステムは、「人間の“体の異常な反応”を使って、金庫や家・PCなどの鍵を、“おかしいときは開けないようにする”技術」と言えるでしょう。
脅迫、酩酊、極度の緊張など「危険な状況」のときに、通常であれば開いてしまう鍵やログインを、機械が自動的に守ってくれる未来が期待されます。
株式会社ポイント機構は、この新特許のライセンス契約を開始しており、未来の安全な社会の実現に貢献することを目指しています。
詳細については、株式会社ポイント機構の公式サイトをご覧ください。
https://point-kikou.co.jp/

