AIデータクラウド企業であるSnowflakeは、企業が最先端のAIアプリケーションをより迅速かつ安全に開発、導入するための新しい開発者ツールを発表しました。
これらのツールは、AI開発におけるコラボレーションを強化し、オープンソースツールとの連携をスムーズにし、さらにデータの品質管理機能も向上させることで、開発者の皆さんの生産性を高め、運用の手間を減らすことを目指しています。EVgoやSTARSといった先進的な企業も、すでにSnowflakeの統合された開発環境を活用し、運用コストの削減や開発効率の向上を実現しています。

「エージェント型AI」とは?
「エージェント型AI」とは、まるで人間のアシスタントのように、自分で目標を理解し、その目標を達成するために必要な一連の行動を計画・実行できるAIのことです。例えば、「このデータを分析してレポートを作成して」と指示すると、AIが自分でデータ収集、分析、レポート作成のステップを考え、実行するといったイメージです。
MIT Technology Review Insightsの調査によると、すでに20%の組織がAIエージェントを導入しており、今後12か月以内に54%の組織が導入を予定しているとのこと。この急速な広がりは、AIを支えるデータの管理を担うデータエンジニアリングチームにとって大きな負担となる可能性も指摘されています。
AI開発を加速するSnowflakeの新しい開発者ツール
Snowflakeは、このような課題を解決し、AIアプリケーションの開発から運用までをよりスムーズにするためのAIネイティブ開発者ツールを提供します。
効率的なAIアプリ開発を支援
- Cortex Code(現在プライベートプレビュー中)
Snowflakeのユーザーインターフェース内で、自然な言葉を使って操作できるAIアシスタントです。自分のSnowflake環境全体を簡単に把握し、複雑なデータ処理の最適化やコスト削減につながる調整をAIが提案してくれます。

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Snowflake Cortex AISQL と Snowflake Dynamic Tables(一般提供開始)
これらの機能を使うことで、開発者はシンプルなSQLクエリ一つで、規模を問わず使えるAI推論パイプラインを構築できるようになります。 -
AI Redact(現在パブリックプレビュー中)
非構造化データ(例えば、テキストや画像など)に含まれる機密情報を自動的に見つけ出し、マスク(隠す)する機能です。これにより、セキュリティとプライバシーを守りながら、AIが利用できるマルチモーダルデータセット(様々な種類のデータを含むセット)を準備できます。
オープンで協力的な開発基盤
Snowflakeは、世界標準の開発ツールと、様々なサードパーティー製品との連携を可能にすることで、開発者が使い慣れたツールで自由に開発できる柔軟性を提供します。これにより、AIアプリ開発におけるチーム間の協力が促進され、開発スピードが大きく向上します。
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シームレスなコラボレーションで開発を加速
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Workspaces(一般提供開始)
Snowflakeの統合開発環境で、バラバラになりがちなデータ作業を解消し、チームでの協業を促進します。様々なファイル形式に対応したコード作成、整理、管理ができる統合エディタです。 -
Git Integration(一般提供開始)
ソフトウェア開発でよく使われるバージョン管理システム「Git」と直接連携できます。これにより、コードの変更履歴をスムーズに管理し、チームでの共同作業がより効率的になります。 -
VS Code インテグレーション(一般提供開始)
多くの開発者が利用する統合開発環境(IDE)である「VS Code」との連携機能です。使い慣れた環境で作業し、チーム全体でコードを共有できます。
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既存ツールのサポートによる運用負担の削減
- dbt Projects on Snowflake(一般提供開始)
Enlyte、InterWorks、NTTドコモ、STARSといった企業は、Snowflake環境内で直接dbtプロジェクト(データ変換ツール)を構築、検証、デプロイ、監視できるようになりました。これにより、エンジニアは多様なツールやインフラの管理に費やす時間を減らし、より価値のある分析に集中できます。
- dbt Projects on Snowflake(一般提供開始)
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コード変更を最小限にし、生産性を向上
- Snowpark Connect for Apache Spark(一般提供開始)
企業が既存のApache Spark™ コードをSnowflakeの安全な環境上で実行できるように支援します。例えば、VideoAmpなどの企業は、この機能を使って開発者の生産性をさらに高めています。Snowpark実行エンジンを活用した部門では、最大5.6倍の高速化と41%のコスト削減を実現した事例もあります。
- Snowpark Connect for Apache Spark(一般提供開始)
安心して開発できるデータ品質とコードセキュリティを強化
エージェント型AIアプリを大規模に展開するには、利用するデータの品質とセキュリティを最高水準に保つことが非常に重要です。Snowflakeは、これらの管理を簡素化するための機能も強化しています。
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Data Quality User Experience(UI)(パブリックプレビュー中)
データの信頼性を監視・報告する複雑な作業を簡単にするための機能です。開発者はデータの正確性を評価し、自動で作成されるサマリーから深い洞察を得ることができます。 -
Code Security(一般提供開始)
開発チームが新たなセキュリティ構造を活用し、開発者コードへの不正アクセスのリスクを排除します。これにより、データポイズニング(誤ったデータを意図的に混入させること)の防止や、AIモデルの改ざん阻止といった高度な防御が可能になります。
Snowflakeのプロダクト担当上席副社長であるChristian Kleinerman氏は、「エンタープライズAIの成功は、最も信頼できるデータと最も生産的な開発者によって決まります」と述べており、統合されたガバナンス環境の元で、開発者がエンタープライズ対応AIアプリをより短期間で構築できるよう支援していく姿勢を示しています。
関連情報
Snowflakeの最新情報や詳細については、以下のリンクをご覧ください。
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エージェント型AI開発の未来を推進するSnowflakeの開発者環境の強化に関するブログ投稿
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SnowflakeでPythonを使ったデータエンジニアリングの第一歩:Intro to Data Engineering using Python in Snowflake
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Snowpark Pythonによるデータエンジニアリングパイプライン:Data Engineering Pipelines with Snowpark Python
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BUILD 2025で公開されたすべてのイノベーションと発表内容:Snowflakeのニュースルーム
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Snowflakeの最新情報(LinkedIn):https://www.linkedin.com/company/snowflake-computing/posts
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Snowflakeの最新情報(X 本社公式):https://x.com/Snowflake?_fsi=GoSftacn
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Snowflakeの最新情報(X 日本公式):https://x.com/Snowflake_Japan
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Snowflakeについて:snowflake.com/ja

