車の開発がもっと早く、もっと安全に!IPG Automotiveが「CarMaker V15.0」で実現する未来

開発・プログラミング

IPG Automotiveは、自動車開発のためのシミュレーションソフトウェア「CarMaker製品ファミリ」の最新版、バージョン15.0を2025年12月9日より日本でも提供開始することを発表しました。

近年、車の開発はますます複雑になり、特に自動運転や先進運転支援システム(ADAS)のような新しい技術を安全に、かつ早く市場に出すことが求められています。CarMakerは、実際の車を作る前にコンピューターの中で様々なテストを行うことで、開発にかかる時間やコストを減らす手助けをしています。

CarMaker V15.0

開発の初期段階から車の頭脳をテスト

最新版V15.0では、車の「頭脳」とも言えるECU(電子制御ユニット)を仮想空間でテストできる「バーチャルECU(vECU)」の機能が強化されました。これにより、開発の早い段階からソフトウェアやシステムが正しく動くかを確認できるようになります。まるで車の設計図ができたばかりの段階で、実際に車を走らせるのと同じようなテストができるイメージです。この「シフトレフト」と呼ばれるアプローチによって、問題点を早期に発見し、修正することで、開発サイクルを短縮し、効率を大幅に高めることができます。

ADAS・自動運転開発をさらに加速

自動運転システムを開発するためには、現実世界での正確なデータ(グラウンドトゥルースデータ)が非常に重要です。CarMaker V15.0では、このグラウンドトゥルースセンサーが改良され、より高精度なセンサーデータを提供できるようになりました。これにより、車の周りの状況を認識するアルゴリズムの検証がしやすくなり、シミュレーションの精度も向上します。また、特定のセンサー(RSIセンサー)のモデルも改良され、よりリアルな映像を作る技術(レンダリングとレイトレーシングアルゴリズム)の最適化によって、センサーの検出精度が向上しました。開発チームは、ADASや自動運転の機能をより迅速かつ正確に車に組み込めるようになるでしょう。

耐久性テストの最適化で開発を効率化

V15.0では、車の耐久性テストも効率化されます。仮想空間での交通参加者(他の車や歩行者など)との相互関係が改善されたことで、実際の道路でテストする代わりに、バーチャル環境でより信頼性の高いテストができるようになりました。交差点のモデルがより正確になったり、車の経路計画が最適化されたりすることで、実際のテストとバーチャルテストがスムーズに連携し、開発が加速します。

電動二輪車の開発にも対応

IPG Automotiveのシミュレーション技術は乗用車だけでなく、二輪車の開発にも活用されています。MotorcycleMakerソフトウェアは、特に電動二輪車の開発に特化しており、現実的な電動ドライブトレイン(モーターやバッテリーなどの動力部分)の構成を柔軟に仮想空間で検討できます。これにより、開発の初期段階で最適なレイアウトを見つけ、市場のニーズに素早く対応できるようになります。

IPG AutomotiveのDirector Product ManagementであるAlexander Frings氏は、「CarMaker 15.0では、バーチャル車両開発における現実性、スケーラビリティ、および効率性を重視しています。多様なグラウンドトゥルースデータから最適化されたECU連携、現実的な耐久性テストシナリオまで、新機能は開発全段階において、より早い段階で信頼性が高い再現可能なテストを実現します。」と述べています。

IPG Automotiveは、バーチャル・テスト・ドライビング技術の世界的リーダーとして、車両開発のための革新的なシミュレーションソリューションを提供しています。同社のソフトウェアとハードウェア製品は、車のコンセプト検討から最終的なリリースまでのすべての開発プロセスで活用されています。

IPG Automotive株式会社は、ドイツIPG Automotive GmbHの日本法人として、2014年に設立されました。日本での自動車開発用シミュレーションソフトウェアの販売と、関連するエンジニアリングサポートを行っています。

詳細は以下の公式サイトをご確認ください。

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