KDDIが生成AI不正検知のResemble AIに出資、巧妙化するディープフェイク詐欺対策へ

AI倫理・社会問題

KDDIが生成AI不正検知のResemble AIに出資

近年、AI(人工知能)の技術が進化するにつれて、本物と見分けがつかないほど精巧な偽の画像や音声、いわゆる「ディープフェイク」が悪用されるケースが増えています。これにより、AIを使った詐欺の被害が世界中で広がり、デジタル社会の安全が脅かされています。

こうした状況に対し、KDDIは、AIや最先端技術を持つ有望なスタートアップ企業を支援するための「KDDI Open Innovation Fund V」を通じて、生成AIを活用した不正検知技術をリードするアメリカのResemble AIに出資しました。

RESEMBLE.AIとKDDI Open Innovation Fundのロゴ

ディープフェイク詐欺の深刻な実態

ディープフェイクによる詐欺被害は非常に深刻で、その損失はすでに15.6億ドル(約2,300億円)に達していると報告されています。さらに、アメリカでは2027年までに年間400億ドル(約6兆円)規模に拡大する可能性があると予測されており、対策が急務となっています。

参考情報:

Resemble AIの最先端技術

Resemble AIは、人間とAIエージェントの両方を狙うディープフェイクの脅威に対して、リアルタイムで不正を検知する技術を提供しています。彼らの技術は非常に高い精度を誇り、特に以下の製品が注目されています。

  • DETECT-3B Omni: この技術は、業界で最も高い検出精度を持つと評価されており、大手企業や政府機関でも利用されています。ディープフェイク検出の性能を測る国際的な評価機関「Hugging Face」のリーダーボードでも、主要な評価基準で1位を獲得しました。

  • Resemble Intelligence: Google Gemini 3を搭載したこのプラットフォームは、画像や音声だけでなく、複数の種類の情報(マルチモーダル)を組み合わせてディープフェイクの検知結果を分析します。

Resemble AIは、今回の資金調達を受けて、これらの技術のグローバル展開をさらに加速させる予定です。

Resemble AIについて、CEOのZohaib Ahmed氏へのインタビュー記事も公開されています。

KDDIが目指す安全なデジタル社会

KDDIは、Resemble AIがディープフェイク検出市場で持つ独自の立ち位置と、将来性を高く評価しています。今回の連携を通じて、日本国内におけるAIを利用したフィッシング詐欺やなりすまし詐欺の対策に貢献し、安全なデジタル社会の実現を目指します。

KDDIは、海外の有望なスタートアップ企業が日本に進出するのを支援したり、日本のスタートアップ企業が海外で活躍するのを後押ししたりと、パートナー企業と共に新しいビジネスモデルを創造するオープンイノベーションを推進しています。

KDDIのオープンイノベーションの取り組みに関する詳細はこちらをご覧ください。

Resemble AI 会社概要

  • 社名: Resemble AI Inc.

  • 本社: 米国カリフォルニア州

  • 設立年月: 2018年12月

  • 事業内容: AIによる不正検知ソリューションの開発・提供

  • 代表者: Zohaib Ahmed, CEO

  • URL: https://www.resemble.ai/

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