徳島大学発のAI企業である株式会社言語理解研究所(ILU)が、ビジネス向けサービスを提供するSansan株式会社の経理DXサービス「Bill One」に、自社のAI技術を提供しました。
この技術は、2025年11月に登場した「Bill One」の新機能「AI自動照合」で使われています。これにより、これまで人が一つ一つ確認していた請求書と仕入れ情報の照合が、AIの力で自動的に、しかも高い精度で行えるようになります。

ILUの強み:日本語を深く理解するAI技術
ILUは、人が日常的に使う言葉をコンピューターが理解し、活用できるようにする「自然言語処理」という分野に強い専門性を持っています。徳島大学で40年以上にわたって蓄積されてきた、日本語の表現や単語に関する膨大なデータ(言語データベース)を独自に持っており、これにより、他の多くの言語と比べて複雑とされる日本語を非常に高い精度で処理できるのが特徴です。
これまでにも、企業が持っているたくさんの書類をAIが使いやすい形に整える「DX-laei」などの、業務を効率化したりコストを削減したりするAI活用サービスを、グループ内外の様々な企業に提供してきました。
「AI自動照合」で経理業務がもっとスムーズに
今回「Bill One」に提供された「AI自動照合」機能は、支払いに関する業務の負担を減らすことを目指しています。ILUは、この機能において、請求書に書かれている明細の内容を正確に読み取り、データとして使える形にする技術を提供しています。これにより、照合の精度が大きく向上しました。
ILUの技術は、「Bill One」だけでなく、Sansanが提供する「Contract One」(契約管理サービス)でも活用されています。
自然言語処理とは?
「自然言語処理」とは、私たちが普段話したり書いたりする言葉(自然言語)をコンピューターが理解し、処理する技術のことです。例えば、かな漢字変換や翻訳、文章の意味を整理したりする際に使われます。
この技術には、人が決めたルールに基づいて処理する方法(ルールベース)や、ChatGPTのような、より柔軟な文章を作り出す大規模言語モデル(LLM)を使う方法など、様々な手法があります。
LLMはインターネット上の大量のテキストから学習するため、非常に多様な文章を生成できますが、時には事実と異なる内容(ハルシネーション)を出力する可能性もあります。一方、ILUが強みとするルールベース処理は、事前に設定した規則に従って処理するため、結果が明確で安定しているという特徴があります。ILUは、このルールベース処理の知見とLLMの柔軟性を組み合わせることで、ビジネスで求められる安定した日本語処理に貢献しています。
自然言語処理についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
その他のサービス紹介
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経理DXから、全社の働き方を変える「Bill One」
Sansan株式会社が提供するBill Oneは、請求書の受領から経費精算、債権管理まで、経理業務の様々な課題を解決するサービスです。請求書や領収書に関わる業務プロセスを根本から変えることで、経理部門だけでなく、会社全体の生産性を高めることを目指しています。
Bill One 公式サイト -
データ構造化ソリューション「DX-laei」
企業に蓄積された様々な形式の書類(PDFやWord、Excelなど)を、生成AIが読み取って活用できる「知識」の形に変換するILU独自のソリューションです。これにより、チャットボットなどの生成AIの回答精度や検索体験を大きく向上させることができます。
DX-laei サービスページ -
AI契約データベースが、利益を守る「Contract One」
Sansan株式会社が提供するContract Oneは、紙や電子など、あらゆる形式の契約書や取引書類を一元的に管理するサービスです。AIとオペレーターによる正確なデータ抽出で、書類間の関係性を自動でつなぎ合わせ、取引の全体像を把握しやすくすることで、企業の利益を守る事業判断をサポートします。
Contract One 公式サイト
株式会社言語理解研究所(ILU)について
ILUは「言葉の価値を最大限に引き出し、顧客の想像を超え続ける」をミッションに、2002年に徳島大学発のAIベンチャー企業として設立されました。大学研究室時代から40年間培ってきた大規模な知識データベースと高度な自然言語処理技術を使い、企業の課題を解決するAIエンジンを開発・提供しています。
ILU 公式サイト
Sansan株式会社について
Sansan株式会社は「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションに掲げ、働き方を変える様々なサービスを提供しています。主なサービスには、ビジネスデータベース「Sansan」や名刺アプリ「Eight」、経理DXサービス「Bill One」、取引管理サービス「Contract One」、データクオリティマネジメント「Sansan Data Intelligence」などがあります。
Sansan株式会社 公式サイト
ILUはこれからも、独自の言語処理技術を通じて、人とAIがより良い関係を築くことに貢献していくとのことです。

