音声AIプラットフォーム「Recho」が3億円を調達!企業向けサービスをさらに強化

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Rechoが3億円の資金調達を実施

株式会社Recho(レコー)は、声で動くAI(Voice AI)の仕組みである「Voice AIプラットフォーム Recho」について、シリーズAラウンドの最初の資金調達(ファーストクローズ)で3億円を集めたことを発表しました。この資金調達はSBIインベストメント株式会社が中心となって行われ、Rechoは金融機関や行政機関などの大企業向けの市場(エンタープライズ市場)での本格的なサービス展開をさらに進める計画です。

Rechoは2024年4月にサービスを始めて以来、高い安全性や信頼性が求められる企業にサービスを導入し、実際の会話の複雑さ、声の品質、安定性、セキュリティなど、実務で重要となる要素を検証してきました。今回の資金調達によって、これまで個別の企業と協力して作り上げてきたサービスを、より多くの企業で使えるようにする(汎用化)ことを目指します。

資金調達の背景

1. これまでの実績を土台に、さらに大きな展開へ

Rechoは2025年1月にも1.2億円の資金を調達しており、その時から、多くの企業で使われることを急ぐのではなく、業界トップレベルの企業にサービスを提供することで、大企業が求める高い品質基準を満たす製品開発に力を入れてきました。金融機関や行政機関のような、特に高いセキュリティと信頼性が求められる場所での導入を通じて、サービスの正確さや提供方法の形を整え、多くの企業にサービスを提供できる体制ができてきています。今回の資金調達は、より多くの企業にVoice AIプラットフォームを提供するための人材を増やし、技術の基盤を強化することが目的です。

2. SBIインベストメントとの協力関係

今回の中心となる投資家であるSBIインベストメントとは、すでにSBIグループ内でAIに関するプロジェクトを進めています。この関係を通じて、金融業界でVoice AIを本格的に活用するための戦略的な協力体制が作られています。SBIグループが持つ金融業界での深い知識やネットワークを活用し、Rechoの大企業向け市場での展開を強化していくとのことです。

3. 自社開発の技術と、実際の現場での実績

最近、AIが自動で文章や音声などを作り出す「生成AI」の進化により、AIが人間の代わりに電話対応などを行う「Voice Agent」の市場が注目されています。しかし、調査によると、特定の仕事に特化した生成AIのうち、実際に企業で使われているものは約5%にとどまっており、Voice AIの分野でも、試作段階から実際の運用に移るには高い技術的なハードルがあることがわかっています。

Rechoは創業当初から、AIの技術を最初から組み込んだ設計(AIネイティブなアーキテクチャ)で、声の合成(TTS)、声の認識(ASR)、会話の制御といった音声に関する技術をすべて自社で開発してきました。これにより、従来の自動応答システムやチャットボットの延長ではなく、生成AIの時代に最適化された仕組みで、人間に近い自然な会話体験と、業務にしっかりと役立つ高い適合性を実現しています。声の合成(TTS)と声の認識(ASR)の技術は、世界の基準と比べてもトップレベルの性能を達成しており、特に日本語の自然さや認識の正確さで優れているとされています。現在では、大手金融機関、行政機関、世界的なメーカー、プラットフォーム企業などで導入が進み、電話対応業務の効率化やお客様の体験向上に貢献しています。

今後の展開

Rechoは、今回の資金を主に以下の目的で活用する予定です。

1. エンジニアチームの強化

Rechoは、社員の90%以上がエンジニアというAIに特化した組織です。音声の基盤技術の研究開発から、実際の運用までを一貫して提供しています。通常は複数の会社に分かれるような基盤モデルの開発、評価、統合、運用といった作業を社内で完結させることで、お客様からの意見をすぐに技術改善に反映し、素早い改善サイクルと大企業が求める品質を実現しています。今回の資金調達では、研究開発、基盤技術、プラットフォーム開発、お客様への導入を担当する専門エンジニアの採用をさらに強化し、この一貫した体制を広げることで、技術開発から導入までのスピードを一層速め、市場でのリーダーとしての地位を確立することを目指します。

2. サービス導入の拡大と、製品の汎用化

これまでRechoは、個別の企業の要望に深く応えるようなコンサルティング型のアプローチで事業を進めてきました。しかし、各業界を代表する企業での実績から得た知識を元に、今後は製品をより多くの会社で使えるようにし(汎用化)、将来的には、導入企業が自分たちで簡単にVoice AIを構築できるようなサービスの提供も計画しています。これにより、幅広い業界への導入を拡大・加速し、すべての企業が高い品質のVoice AIを活用できる未来を実現することを目指します。

株式会社Recho 代表取締役 邱実氏のコメント

株式会社Recho 代表取締役 邱実氏

株式会社Rechoの代表取締役である邱実氏は、SBIインベストメントをリード投資家として迎えての資金調達について喜びを表明しています。この1年半、Rechoは「本物のVoice AI」を作ることにこだわり、金融機関や行政機関といった最も要求の高い顧客と向き合い、大企業が求める品質基準を満たすプラットフォームを確立できたと述べています。Voice AI市場には多くの企業が参入していますが、デモンストレーションで動くことと、実際に運用に耐えることの間には大きな違いがあり、RechoはAIの技術を最初から組み込んだ基盤と、研究開発から運用までを一貫して行う組織体制でこの課題を乗り越えてきたと説明しています。今回の資金調達により、これまで磨き上げてきた製品をより多くの企業に提供できる体制を整え、「Voice AgentといえばRecho」と言われるような存在になるべく、チーム一丸となって取り組んでいくとのことです。

会社概要

株式会社Recho(レコー)は、「Your 2nd Voice」というコンセプトのもと、AIに特化した音声AIプラットフォームを開発・提供しています。独自に開発した声の合成・認識技術と会話制御システムにより、大企業が求めるレベルのVoice Agentを構築できる環境を提供し、すべての人がより豊かにつながる社会を目指しています。

  • 代表者:邱 実

  • 主要事業:Voice AIプラットフォーム及びVoice Agentの開発・運営

  • 本社:〒104-0053 東京都中央区晴海3丁目10-1 Daiwa晴海ビル 2F

  • URL:https://recho-ai.com

採用情報

Rechoでは、Voice AIプラットフォームと新しい未来を一緒に作っていく仲間を募集しています。特に、音声AI技術の研究開発、音声基盤技術の開発、プラットフォーム・インフラ開発、プロジェクトエンジニアなど、エンジニア職種を中心に積極的に採用を行っています。エンジニアが90%を超える技術に特化した環境で、世界トップレベルの技術開発に挑戦したい方からの応募を待っているとのことです。

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