AIのビジネス活用を学べるコミュニティ「SHIFT AI」を運営する株式会社SHIFT AIが、2025年11月のAI業界の最新情報をまとめた「AIトレンド通信11月号」を公開しました。
2025年11月は、OpenAIの「GPT-5.1」やGoogleの「Gemini 3」といった、まさに次世代のAIモデルが次々に登場した、AIの歴史の中でも特に重要な時期となりました。これらの新しいAIは、ただ賢くなるだけでなく、まるで人間のように深く考えたり、私たちの代わりに複雑な作業をこなしたりする能力を身につけています。

主要AIツールの最新動向ハイライト
OpenAI
OpenAIからは、新しい世代のAIモデル「GPT-5.1」が発表されました。これは、AIが私たちの指示をより柔軟に理解し、まるで人間と話しているかのように自然な会話ができるようになったことが大きな特徴です。特に、質問の難しさに合わせてAIが考える深さを自動で変える「適応的推論」という機能が強化され、より賢く、より的確な答えを出せるようになりました。
また、AIの話し方を8種類から選べるようになり、よりパーソナルな対話が可能になっています。

さらに、プログラミングに特化した「GPT-5.1-Codex-Max」も登場し、複雑なプログラミング作業を効率的に行えるようになりました。
ChatGPTには、私たちが買い物をするときの情報収集や比較をAIが代わりに行ってくれる「ショッピングリサーチ」機能が追加されました。これにより、自分にぴったりの商品を見つけやすくなります。
教育現場向けには、セキュリティを強化し、先生同士が協力しやすい「ChatGPT for Teachers」がアメリカで無料で提供され始めました。また、日本を含む一部の地域では、最大20人でチャットを共有し、一緒にアイデアを出し合ったり、意思決定をしたりできる「グループチャット機能」のテストも始まりました。

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Googleからは、これまでのGoogle AIの中で最も高性能なモデル「Gemini 3」が登場しました。このAIは、テキストだけでなく、写真や動画のような見た目の情報も非常に高い精度で理解し、内容をまとめたり、質問に答えたりできます。また、プログラミング能力も非常に高く、実際の開発作業にも役立つでしょう。
Gemini 3には、深く考える「Deep Think」や、指示を受けて複数のステップの作業を自動で進める「エージェント機能」も加わり、AIがより自律的に動けるようになっています。

Google Labsからは、画像編集ができる生成AIツール「Google Mixboard」が日本語でも使えるようになりました。言葉で指示するだけで簡単に画像を生成したり、用意されたテンプレートを使ってデザインを楽しんだりできます。
AIに指示することで、プログラミングのコード作成や間違い探し(デバッグ)などを自動で行ってくれるAIエディタ「Google Antigravity」も公開されました。現在は個人アカウントで無料で試すことができます。
さらに、スタジオ品質の画像を生成できるAI「Nano Banana Pro」も提供が始まりました。このAIは、日本語の文字を画像の中にきれいに描いたり、資料作成やデザイン制作を強力にサポートしたりと、クリエイティブな作業を大きく助けてくれます。


GoogleフォトもAIによって大きく進化しました。声で写真を編集したり、AIが写真の内容を理解して、より魅力的な画像に変換したりできるようになりました。

調べものをするためのツール「NotebookLM」には、新しい機能「Deep Research」が登場しました。これは、AIがインターネット上のたくさんの情報を調べて、信頼できる情報をまとめたレポートを自動で作ってくれる機能です。また、資料からプレゼンテーション資料や図解を簡単に作れる機能も加わり、調べものから資料作成までが非常に効率的になりました。
Meta
Metaは、1,600以上の言語に対応する音声認識モデル「Omnilingual ASR」を公開しました。これは、これまで対応が難しかった多くの言語を含む、世界中の言葉をAIが理解できるようになる画期的な技術です。この技術はオープンソースとして公開され、誰もが使えるようになっています。
また、MetaのAIアシスタント「Meta AI」が日本でも少しずつ使えるようになりました。InstagramやFacebookなどのアプリで利用でき、日本の文化に合わせた親しみやすい会話ができたり、グループチャットでの議論をまとめたり、GIF画像を作ったりと、様々な場面で私たちをサポートしてくれます。

xAI
xAIからは、新しいAIモデル「Grok 4.1」が正式に発表されました。このモデルは、これまでのGrokが持っていた賢さや信頼性を保ちつつ、より創造的で、感情豊かな表現ができるようになりました。また、AIが事実と異なる情報を生成してしまう「ハルシネーション」の発生率が以前のモデルに比べて3分の1に減り、さらに使いやすくなっています。


Anthropic
Anthropicは、Claudeの最上位モデル「Opus 4.5」と、たくさんの新しい機能を発表しました。特にプログラミングの能力が非常に高く、Anthropic自身も「コード生成やAIエージェントの用途で世界最高のモデル」だと自信を見せています。プログラミングだけでなく、見た目の情報を理解したり、論理的に考えたり、数学の問題を解いたりする能力も大きく向上し、これまでで最も安全なAIモデルだとされています。

Microsoft
Microsoftは、年に一度のイベント「Microsoft Ignite 2025」を開催し、Windowsを「AIのキャンバス」に変えるための新しい技術やサービスをたくさん発表しました。企業がAIをもっと簡単に、安全に使えるようにWindowsを進化させることを目指しています。
発表された主な新機能としては、企業の中にあるAIエージェントをまとめて管理する「Microsoft Agent 365」があります。これにより、AIエージェントも社員のように管理され、その活動を把握したり、セキュリティを強化したりできるようになります。
また、AIの知能をさらに高める「3つのIQ機能」も発表されました。これは、日々の仕事(Work IQ)、ビジネスデータ(Fabric IQ)、AIアプリ開発(Foundry IQ)のそれぞれの分野で、AIがより賢く、私たちをサポートするための「頭脳」のようなものです。
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AIの進化は「考えるパートナー」へ
株式会社SHIFT AIの代表取締役である木内翔大氏は、2025年11月のAIの進化について、「AIの歴史において極めて重要な分岐点」とコメントしています。特に「GPT-5.1」の「適応的推論」や「Gemini 3」の「Deep Think」といった、AIが深く考える能力が加わったことは大きな意味を持つと述べています。
これまでのAIは、いかに早く正確な答えを出すかが重要でしたが、これからは、いかに深く考え、複雑な問題を解決できるかという質が問われる時代になったのです。AIが、私たちの状況に合わせて「すぐに答える」か「じっくり考える」かを使い分けられるようになることで、AIは単なる道具ではなく、私たちと一緒に悩み、考える「パートナー」へと変わっていくでしょう。
また、Microsoftの「Agent 365」やPerplexityの「インスタント購入」機能のように、AIがチャット画面を飛び出して、具体的な作業を完了させる「エージェント(実行者)」としての役割も進化しています。
木内氏は、「日本をAI先進国に」という目標を持つ私たちにとって、このAIの進化は追い風であるとし、「もはやAIは『導入するかしないか』を議論するものではなく、『どの仕事をAIに任せ、どう共存するか』を考える段階に来ている」と強調しています。この圧倒的な進化を恐れずに、自分たちのビジネスや生活にどう活かしていくかを考えていくことが重要です。
株式会社SHIFT AIについて
株式会社SHIFT AIは、「日本をAI先進国に」というミッションのもと、生成AIをはじめとするAI技術のビジネス活用を学べるコミュニティ「SHIFT AI」を運営しています。会員数は2万5000人を超え、AI人材の育成を推進しています。

代表取締役 木内翔大氏について

木内翔大氏は、株式会社SHIFT AIの代表取締役であり、「日本をAI先進国に」をテーマに生成AIについて情報を発信しています。
- X (旧Twitter):https://x.com/shota7180

