AIがユースケースからシステム構成図を自動生成する「CONCCENT」が正式リリース
シンガポールに本社を置くレインディア テクノロジーが、システム開発における悩みを解決する新しいツール「CONCCENT(コンセント)」を正式に発表しました。
このツールは、システムの「ユースケース」、つまり「誰が、何を、どう使うか」という利用シーンから、AIが自動でシステムの設計図である「システム構成図」を作り出す、国内初の画期的なサービスです。
システム開発では、レビューに時間がかかったり、関係者間の認識にズレが生じたり、必要な資料が不足しているために手戻りが発生したりすることがよくあります。CONCCENTは、こうした非効率を大幅に減らし、システム開発の品質を高めることを目指しています。

システム開発の現場が抱える「認識合わせ」の課題
多くの開発現場では、レビューや資料不足が原因で「認識合わせ」に多くの時間が費やされています。ある調査によると、開発者の60%以上が、足りない資料に関する答えを探すために毎日30分以上を使っていると報告されています。また、別のレポートでは、ソフトウェアエンジニアが週に平均10.9時間も会議に費やしていることが示されています。さらに、きちんとした資料がない組織では、新しいメンバーが仕事に慣れるまでの期間が30%から50%も長くなると推定されています。
特に日本では、専門的な判断基準が特定の個人に集中しやすく、設計に関する知識が組織全体で共有されにくいという問題があります。これが、レビューや引き継ぎにかかる時間を増やし、開発のスピードを遅らせる原因となっています。
CONCCENTは、このような非効率な状況を改善し、レビューを速くしながらも、開発の品質を同時に高めるために開発されました。

CONCCENTの3つの革新的な特徴
CONCCENTには、システム開発のプロセスを大きく変える3つの特徴があります。
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ユースケース起点の構成図で「誰が・何を・どう使うか」が一目でわかる
システムの利用目的や使われ方から構成図を作成するため、関係者全員がシステムの全体像や目的をすぐに理解できます。
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AIが構成図を自動生成(使うほど提案精度が向上)
「目的の入力」「テンプレートの選択」といった簡単な操作をするだけで、AIが自動でシステム構成図を作成します。使い続けるほどAIが学習し、より適切な構成図を提案できるようになります。
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レビューコメントを一元管理し、伝達コストを大幅削減
システム構成図とそれに対するレビューコメントをまとめて管理できるため、コメントのやり取りにかかる手間や時間を大幅に減らすことができます。
他のツールとの違い
一般的に使われる作図ツール(Figma、Miro、Lucidchartなど)は、自由に図を描くことを主な目的としています。しかしCONCCENTは、システム構成図の作成とレビューの効率化に特化することで、以下の点を同時に実現する独自のツールです。
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ユースケースを起点とした構成図の生成
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AIによる構成図の提案
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システム構成図とレビューコメントの一体管理
また、Cloudviz.ioやCloudcraftといった専門的な構成図ツールと比較しても、CONCCENTはレビューの効率化だけでなく、過去の案件で得た知識を再利用できる点が大きく異なります。

CONCCENTの活用シーンと導入メリット
CONCCENTは、さまざまな場面で活用できます。
利用シーン
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お客様へのシステム構成の説明
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セキュリティ監査のための資料作成
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開発チーム内での認識の統一
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保守チームへの引き継ぎ
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新しいメンバーがチームに参加する際の教育
導入メリット
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レビュー時間の短縮
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説明資料や補足資料の作成にかかる時間の削減
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品質が安定した設計プロセスを築ける
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特定の個人にしかわからない状況(属人化)を避けられる
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過去のレビューで得た知識を再利用できる
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プロジェクト全体の品質が向上する
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経営の意思決定がより的確になる(コメントの量やシステムの複雑さなどの数値に基づいた判断)
価格プラン
CONCCENTは、利用者のニーズに合わせて3つの価格プランを提供しています。
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Free(お試し利用):0円
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Standard(個人開発者向け):1,650円/月(税込)
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Business(組織利用・開発チーム向け):27,500円/月(税込)
今後の展望
DevOps市場は、2033年には800億ドルを超える規模に成長すると予測されています。CONCCENTは、単にレビューを効率化するツールにとどまらず、開発の品質を組織全体で安定させるための標準化プラットフォームとなることを目指しています。さらに、「設計ナレッジの資産化」という、これまでにない分野を開拓する中心的な存在になることを目指しています。
CONCCENTは、システム設計とレビューに関する知識を組織の貴重な財産として蓄積し、これからのシステム開発を支える基盤となるサービスを提供していくとのことです。


サービスURL
CONCCENTの詳しい情報や利用については、以下の公式サイトをご覧ください。

