ピクシーダストテクノロジーズ株式会社が開発した、建設現場の品質管理や施工管理を助けるDXサービス「TOTTARROW(トッタロー)」が、「建設DXアワード2025」で「生産性向上(労務)部門賞」を受賞しました。
この賞は、建設業界の生産性を高め、働き方を良くするための優れた取り組みに贈られるものです。多くの企業が参加した中から、「TOTTARROW」は特に現場の労働負担を減らす効果が評価され、見事受賞に至りました。
建設現場の負担を大きく減らす「TOTTARROW」
「TOTTARROW」は、建設現場で特に時間と手間がかかる配筋検査や出来形検査の仕事を、ぐっと楽にするためのサービスです。360度カメラで現場を撮影した動画と、建物の設計情報(BIMデータ)、そしてAI(人工知能)の技術を組み合わせることで、現場での撮影作業や、その後の報告書作りを自動化・効率化します。

実際にこのサービスを導入した建設現場では、配筋写真の撮影や報告書作成にかかる時間が、なんと約80%も減らせたという成果が出ています。このように、現場で働く人たちの負担を直接的に軽くし、建設業界全体の働き方を改善している点が、高く評価されました。
審査員からは、「現場の検査作業を劇的に減らす可能性を秘めている」「検査担当者が楽になるだろう」「360度カメラで撮影して、検査帳票作成まで簡単にできる」といった声が寄せられています。
現場の声から生まれたサービス
ピクシーダストテクノロジーズのKOTOWARI事業部長である中元達也氏は、今回の受賞について、「TOTTARROWは、建設現場で働く方々が『当たり前だと思っていた負担』を少しでも減らしたいという思いから、現場の意見をもとに開発を続けてきました」とコメントしています。
品質を守るために欠かせない検査や報告書作成の仕事は、これまで多くの時間と労力を必要としてきました。しかし、「TOTTARROW」は、AIなどの新しい技術を使うことで、その負担を根本から軽くし、人が本当に集中すべき「判断」や「確認」の仕事に専念できる環境を目指しています。
TOTTARROWの主な特長
「TOTTARROW」には、以下のような特長があります。
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現場を撮影するだけで報告書を作成
360度カメラで現場を撮影するだけで、配筋写真の報告書が自動で作られます。さらに、デジタルメジャーを使って鉄筋の数や位置を測ることも可能です。 -
AIと人が協力して作業
AIが自動で画像を分析し、難しい部分は専門のスタッフが対応することで、早く正確な報告書を作成します。 -
現場の作業時間を大幅に削減
実際の実験では、配筋写真の撮影と報告書作成にかかる現場での作業時間を約80%も減らすことができました。 -
公共工事での採用実績も
すでに公共工事で使われている実績があり、建築基準法の中間検査でも、従来の工事写真と同じように扱われています。 -
現場からの良い評価
導入した現場からは「従来より広い範囲を記録できる」「撮影の時間が明らかに減った」「撮り忘れの心配が減った」といった声が上がっています。
サービスの詳細はこちらで確認できます。
今後の展望
ピクシーダストテクノロジーズは、これからも「TOTTARROW」の機能をさらに増やし、多くの建設現場で使ってもらえるように取り組んでいくとのことです。
現在、配筋検査で使われている技術を、他の検査や管理の仕事にも広げていく予定です。また、設計情報やBIMデータとの連携を強化することで、検査の確認作業自体ももっと効率的にし、現場の人が品質の確保という大切な仕事に集中できる環境をさらに作っていきます。
ピクシーダストテクノロジーズは、これからも技術と現場の知識を組み合わせることで、建設業界が抱える人手不足などの課題を解決し、生産性の向上と働き方改革の両方を実現することを目指しています。

