Unreal Engine向け揺れものプラグイン「Bone Dynamics」が進化
ゲームや映像の世界で、キャラクターの髪や服が自然に揺れる動きは、リアルさを高める大切な要素です。この自然な動きを作るためのツール「Silicon Studio Bone Dynamics(ボーンダイナミクス)」が、さらに使いやすくなりました。
シリコンスタジオ株式会社は、Unreal Engine(アンリアルエンジン)というゲーム開発ソフト向けの「揺れもの物理演算プラグイン」である「Bone Dynamics」の新しいバージョン(Ver.1.1.0)を発表しました。

「Bone Dynamics」とは?
「Bone Dynamics」は、キャラクターの骨格(ボーン)を使って、髪や服、アクセサリーなどが本物のように揺れる動きを再現するプログラムです。まるで現実の世界のように、重力や動きに合わせて自然に揺れる様子を、Unreal Engineの中で簡単に作ることができます。このプラグインを使うことで、ゲーム開発者はよりリアルで魅力的なキャラクターを生み出すことが可能になります。
バージョンアップで追加・改善された主な機能
今回のバージョンアップ(Ver.1.1.0)では、ユーザーからの要望に応えて、様々な機能が追加・改善されました。
1. iOSプラットフォームに対応
これまでのWindowsやAndroid™に加え、iPhoneやiPadなどのiOSデバイスでも「Bone Dynamics」を使った揺れものの表現が可能になりました。これにより、より多くの環境で高品質なコンテンツが提供できるようになります。
2. 異常検出システム
キャラクターの動きが速すぎたり、複雑すぎたりすると、髪や服が体にめり込んでしまう(コリジョン貫通)といった不自然な動きが発生することがあります。新しいバージョンでは、このような異常を自動で見つけて、不自然な部分を自動的に修正する「リセット」機能が追加されました。


3. 当たり判定の自動調整・精度向上
布や髪の毛の揺れを計算する際、どこまで細かく「当たり判定」を行うかが重要になります。今回のアップデートでは、ボーンの数が足りない場合でも、当たり判定を自動で最適な細かさに調整してくれる機能が加わりました。これにより、より自然で正確な揺れを表現できるようになっています。
4. ジョイント自動追加機能
キャラクターの揺れる部分(ジョイント)を一つずつ設定するのは大変な作業です。新しい機能では、特定の条件に合うボーンをまとめてジョイントとして自動で追加できるようになり、作業の効率が大きく向上します。
その他の改善と詳細情報
上記以外にも、既存の機能が改善されたり、見つかった不具合が修正されたりしており、全体の動作がよりスムーズになっています。詳しい情報や既存機能については、以下のウェブページやTECHブログで確認できます。
シリコンスタジオは、これからもゲーム開発者が質の高いゲームを簡単に作れるよう、ユーザーの声に応えて機能の追加や改善を続けていくとのことです。
シリコンスタジオ株式会社について
シリコンスタジオ株式会社は、ゲームや映像制作だけでなく、自動車、建築など幅広い分野で3DCG技術を提供している会社です。世界トップレベルの技術力で、クリエイターとユーザーに感動を届けることを目指しています。企画、技術、人材など、ゲーム企業が抱える様々な課題を解決するだけでなく、ゲーム業界で培った3DCG技術を他の業界にも展開できるのが強みです。

※ 掲載の製品はUnreal® Engineを使用しています。
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