AIが私たちの生活に深く関わるようになるにつれて、その技術が社会に与える影響、特に「倫理」に関する議論がますます重要になっています。
2025年12月24日(水)には、現代美術家 窪田望氏が監督したドキュメンタリー作品『AIが消し去る声』の特別無料上映会と、AIの倫理をテーマにしたトークセッションが開催されます。このイベントは、Pivot Tokyo主催の「AI BB TOKYO 2025 冬」内で行われます。

ドキュメンタリー『AIが消し去る声』とは
このドキュメンタリーは、「AIの進化の影で、無自覚に進むマイノリティの排斥」という、現代社会が直面する重要なテーマを描いています。
監督の窪田望氏はAIの専門家でもあり、生まれつき5本指ではない「裂手症(れっしゅしょう)」の当事者やそのご家族、医療従事者の方々への取材を通して、「AI社会の背後にある分類の暴力性」を浮き彫りにします。
生成AIの開発現場では、5本指ではない画像が「エラー」として修正されることが話題になることがあります。しかし、窪田監督は、その「エラー」の背後に排斥されているマイノリティの暮らしがあるのではないか、と考え、この作品を制作しました。
本作は、世界各国の国際映画祭やアートアワードで高く評価されており、これまでに4つの国際アワードを受賞。さらに、8カ国18の映画祭・アートアワードで公式上映や展示が決定しています。


特別上映会の概要
特別上映会では、ドキュメンタリーの上映に加え、様々なプログラムが予定されています。
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日時: 2025年12月24日(水) 10:30 – 11:50
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場所: MAGNET BY SHIBUYA 109 7F
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主催: Pivot Tokyo株式会社
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参加形式: 会場参加のみ(オフライン開催、オンライン配信・アーカイブ配信はありません)
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プログラム:
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ドキュメンタリー『AIが消し去る声』上映
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AIと倫理に関するディスカッション(鑑賞者の方も参加可能)
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NPO法人Hand&Foot代表の浅原ゆき氏、講演家・インフルエンサーのすらいむ氏、そして窪田望監督によるトークセッション
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「AI BB TOKYO 2025 冬」について
この特別上映会が開催される「AI BB TOKYO 2025 冬」は、最新のAI技術をビジネスに活用するための最先端情報を得られるグローバルイベントです。業界をリードする企業や革新的なスタートアップが集まり、AIエージェント、予測分析、パーソナライズ、ビジネスインテリジェンスなど、AIが企業に与える影響について深く学ぶことができます。
イベントの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.web3bb2025.pivot-tokyo.com/
現代美術家 窪田望氏の活動

窪田望氏は、現代美術家であると同時に、AIの社会実装事業を推進する企業の経営者でもあり、国内外で20のAI特許を持つAI研究者でもあります。
彼の作品コンセプトは「外れ値の咆哮(ほうこう)」です。AI開発の現場では、データに混じる「外れ値」と呼ばれる異質なデータが、良い出力精度を妨げるため排除されることがあります。しかし、窪田氏は「社会的マイノリティーなどの生活は無視されて良いはずがないのに、進化の過程で見落とされている」という疑問を抱いています。作品制作を通じて、社会の中で不要とされてきた外れ値の価値を再評価し、その本質的な価値を浮き彫りにする表現を追求しています。
この特別上映会は、AI技術がもたらす恩恵だけでなく、その裏に潜む課題についても深く考える貴重な機会となるでしょう。

