Funds Startupsが「説明できるAI」と「品質を保証するAI」で社会を支えるコーピー社にベンチャーデットを実行

AI

Funds Startups株式会社は、東京大学とフランスの国立研究機関Inriaから生まれたAIスタートアップ、株式会社コーピーに対し、ベンチャーデットを実行したことを発表しました。この資金提供は、コーピー社が目指す「XAI(説明できるAI)」技術と「QAAI(AIの品質検証)」技術を活用した、失敗が許されない重要な分野(ミッションクリティカル領域)でのAI導入を後押しするものです。

Funds StartupsとCORPY & Co.のロゴ

投資実行の背景

Funds Startupsが今回ベンチャーデットを実行したコーピー社は、AIがなぜそのような判断をしたのかを人間にもわかりやすく説明するXAI技術と、AIがきちんと正確に動いているかを確認するQAAI技術を使い、人命や社会基盤に関わるような「ミッションクリティカル領域」でのAI導入を進めている企業です。現在、これらの技術をベースにしたAIの開発・運用・品質管理ソリューション「CONFIDE」を柱に、AIプロダクトの提供(SaaS事業)と、AIの研究開発やデジタル変革の支援(支援事業)を展開しています。

Funds Startupsは、SaaS事業と支援事業を組み合わせる企業は、支援事業で安定した収入を得ながら、株式の発行だけでなく、借入による資金調達(デットファイナンス)を賢く使うことで、資金調達にかかるコストを最適化できると考えています。

しかし、成長途中のスタートアップでは、一般的な金融機関からの融資だけでは対応しきれない資金ニーズが生じることも少なくありません。Funds Startupsは、このような様々な成長の形を持つスタートアップが、それぞれの事業に合った最適な資金調達方法を選べるよう、ベンチャーデットを提供しています。今回の投資も、コーピー社の持つ確かな技術力を生かした事業展開を、デットファイナンスを通じて加速させたいという思いから行われました。

コーピー社について

コーピー社は、「先端AI技術で人命を救い、平等を拡張する」ことを会社の目標(ミッション)に掲げ、失敗が許されないミッションクリティカル領域でのAI導入を目指しています。AIを実際に使う上で欠かせない品質保証に焦点を当て、以下のような取り組みを行っています。

  • XAI(説明できるAI)技術: AIの判断根拠をわかりやすくすることで、信頼性を高めます。

  • QAAI(AI向け品質検証)技術: 実際の環境でAIがどれだけ頑丈に、そして安全に動くかを検証します。

これらの包括的なアルゴリズム開発とソリューション提供を通じて、AIが社会に安全に受け入れられるように努めています。

また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトにも参加し、生成AIを適切に管理・利用するための「AIセーフティ基準」の策定や、AIの安全性を評価・管理する技術の開発にも取り組んでいます。

各社からのコメント

株式会社コーピー 代表取締役 山元 浩平氏

山元氏は、Funds Startupsからのベンチャーデットによる支援に感謝の意を表明しました。創業以来、ミッションクリティカル領域でAIを安全に活用するために不可欠なXAIやQAAIといった先端技術と知識を着実に積み上げてきたと述べています。これらの技術は、AIの判断根拠や妥当性の説明、環境変化への対応、人や他のシステムとの連携といった、従来のAI開発とは異なる高度な要件に応えるために重要です。同社は、多くの企業との協力により、技術を実際の現場で持続的に活用できる設計思想へと磨き上げ、これが事業の確かな基盤となっていると強調しました。この基盤をより多くの企業が活用できるよう、AIの開発・運用・品質管理を一貫してサポートする「CONFIDE」を提供し、AIが社会インフラとして機能する未来を支えていく考えを示しました。Funds Startupsの共感と支援が、技術的にも事業的にも大きな価値創造への後押しとなると述べています。

Funds Venture Debt Fund プリンシパル 小原 満美氏

小原氏は、コーピー社の資金調達をベンチャーデットで支援できたことを大変喜ばしく思うと述べました。ミッションクリティカル領域におけるAI導入は、生命や社会基盤に直結する非常に重要なテーマであり、高い説明可能性、品質保証、セキュリティが強く求められる一方で、試作段階(PoC)で止まってしまい本格導入に至らないという課題があったと指摘しています。しかし、AIモデルの内部がブラックボックス化することに伴う説明責任や安全性確保(AISafety)の重要性が世界的に高まる中、この分野の技術進化は不可欠であると説明しました。

コーピー社は、長年の研究開発と大手企業との協力により、XAI技術やQAAI技術といった最先端技術を基盤に、AI導入の「本番運用」を支える独自の技術力と信頼を築き上げてきたと評価しています。これらの技術を統合したAI開発・運用プラットフォーム「CONFIDE」を軸に、SaaS事業と研究開発支援事業を両輪として成長を続けているとのことです。また、山元CEOが東京大学やYahoo! JAPAN研究所、仏Inriaといった世界的な研究機関で経験を積んだAI研究者であり、その知見をもとに優秀なAIエンジニアを集めてきたことが、同社の高度な技術基盤を築き上げた最大の原動力であると述べました。

ミッションクリティカル領域におけるAI導入の実現は、日本だけでなく世界全体にとって重要なテーマであり、「ミッションクリティカルなAIの実現」という非常に難しい課題に対し、真摯に挑戦し続けるコーピー社が描く未来が、必ずこの分野を前進させると確信しており、Funds Startupsもその挑戦を全力で支援すると表明しました。

Funds Startupsについて

Funds Startups株式会社は、「社会に良い影響を与えるスタートアップが、最も理想的な成長を遂げられる仕組みを開発する」ことを目標に、2023年12月に設立されました。Funds Startupsは、Funds Venture Debt FundのGP(無限責任組合員)として、ファンドの運営や、金融機関へのベンチャーデットに関する支援を中心に活動しています。今後は、この事業を核としながら、スタートアップ専門の投資銀行部門のような役割として、スタートアップの資金調達方法の多様化や、資金調達しやすい環境を整えることにも取り組んでいく予定です。

Funds Startupsに関する詳細はこちらをご覧ください。

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