博報堂DYホールディングスと博報堂テクノロジーズは、AIを活用した広告戦略・戦術立案エージェント「CREATIVE BLOOM PLANNING」に、OpenAI社が開発した最新のAI技術「GPT-5.2」を導入したことを発表しました。この新しい技術の導入により、マーケティングの仕事がよりスムーズに、そして質の高いものになることが期待されています。

最新AI「GPT-5.2」で何が変わる?
「CREATIVE BLOOM PLANNING」は、博報堂DYホールディングスが開発した統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の一部です。今回、OpenAI社の最新大規模言語モデル「GPT-5.2」が組み込まれたことで、主に次の2つの点で性能が向上しました。
1. 情報を素早く、より良い内容で提供できるように
GPT-5.2の推論能力が上がったことで、たくさんの商品情報の中から、お客様の隠れた本音やニーズ(顧客インサイト)を短い時間で見つけられるようになりました。これにより、市場の変化に素早く対応し、お客様にぴったりの戦略をタイミング良く実行できるようになります。
2. AIがうそをつくリスクが減る
AIが誤った情報を生成してしまう「ハルシネーション」という課題がありました。GPT-5.2の導入により、このハルシネーションのリスクが減り、データに基づいた信頼性の高い分析やレポート作成が可能になります。これにより、お客様が大切な決断をする際に、より強力なサポートが提供されます。
このAIエージェントの開発には、博報堂DYグループのAI専門家集団「HCAI Professionals」が関わっています。社員一人ひとりの創造性を高めながら、お客様企業のマーケティング活動をより効率的で高度なものにするためのAIエージェント開発が進められています。
「CREATIVITY ENGINE BLOOM」とは
「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、博報堂DYホールディングスが2024年6月に開発した、マーケティングに関わるさまざまな業務を一つにまとめるプラットフォームです。広告やデジタルマーケティングだけでなく、クリエイティブな制作、販売促進、お客様との関係づくり(CRM)まで、幅広い領域をまとめて管理できます。

このプラットフォームは、博報堂DYグループが持つ「生活者DATA PLATFORM」という独自のデータ基盤とAI技術を組み合わせることで、利用者のアイデアを広げ、新しいコミュニケーションサービスやビジネスの創造をサポートします。
「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、以下の5つの主要な機能と、それを支える「生活者DATA PLATFORM」で構成されています。
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STRATEGY BLOOM: マーケティング戦略の計画をサポートし、AIを使って市場の状況を分かりやすくしたり、ターゲットのお客様を決めたり、目標(KPI)を設定する作業を効率化します。
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MEDIA BLOOM: メディアの効果を最大限に高め、テレビとデジタルを組み合わせた最適なメディア計画を効率的に立てます。
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CREATIVE BLOOM: AIを使ってクリエイティブ(広告など)の評価や自動生成を行い、制作業務を効率的かつ高度にします。
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COMMERCE BLOOM: 購買データとECサイトの情報を連携させ、実店舗とオンラインを合わせたマーケティング戦略を支援します。
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ENGAGEMENT BLOOM: お客様との良い関係を築くことをサポートし、お客様の生涯価値(LTV)を高めるための個別マーケティングサービスを提供します。
これらの機能は、「生活者 DATA PLATFORM」によって支えられています。これは、博報堂DYグループのデータと外部のデータを一つにまとめ、BLOOMの各機能で使えるようにしたものです。また、「Human Centered AI機能」というAIサービスも提供され、マーケティング業務の効率化と利用者の創造性の向上を支援します。
「生活者発想プラットフォーム」で新しいアイデアを生み出す
「生活者発想プラットフォーム」は、お客様や市場、社会への深い理解と新しい発見を通じて、AIとともに創造性を広げるための基盤です。AIという新しいパートナーを得て、お客様の心を動かすアイデアを生み出し、創造性をさらに高めるための新しい発想の土台となります。

このプラットフォームには、主に4つの機能があります。
- 生活者: 「バーチャル生活者」との対話を通じて、お客様の視点からの発想を支援します。
- 市場: 市場の動きを把握し、これからの業界のトレンドを発想する手助けをします。
- メディア/生活者インターフェース: お客様とのコミュニケーション方法をデザインするアイデアを提供します。
- 効果予測: 仮想の市場でマーケティングの効果を予測したり、広告クリエイティブを事前に評価して改善したりします。

「生活者発想プラットフォーム」で生まれたアイデアは、「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の各機能をはじめとする様々なAIマーケティングソリューションでさらに精度を高め、実行されます。これにより、AI時代の企業マーケティングが強力にサポートされます。
関連情報
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統合マーケティングプラットフォームBLOOMにて「CREATIVE BLOOM PLANNING」を開発: <https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/news/corporate/2024/10/5020.html>
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博報堂DYホールディングス ニュースリリース: <https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/news/corporate/2025/12/6118.html>

