楽天、国内最大級の高性能AI「Rakuten AI 3.0」を発表!日本のAI開発をリード

生成AI(Generative AI)

楽天が日本のAI開発を加速する新モデルを発表

楽天グループ株式会社は、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業産業技術総合開発機構(NEDO)が進める日本の生成AI開発力強化プロジェクト「GENIACプロジェクト」の一環として、新しいAIモデル「Rakuten AI 3.0」を開発したことを発表しました。

この「Rakuten AI 3.0」は、特に日本語の扱いに長けた大規模なAIモデルです。今後、楽天の様々なサービスで利用される予定で、来年の春には、このAIの技術を一般にも公開することが計画されています。

「Rakuten AI 3.0」のすごいところ

1. 日本語の理解力がトップクラス

「Rakuten AI 3.0」は、楽天がこれまでに開発したAIモデルの中でも最大級の規模を誇り、約7,000億個もの情報処理の単位(パラメータ)を持っています。楽天独自の高品質な日本語と英語のデータや、これまでの技術力・研究成果を活かして開発されたため、日本の独特な言葉のニュアンスや文化、習慣まで深く理解することができます。

日本語のAIの能力を測る「日本語版MT-Bench」という評価テストでは、他の主要なAIモデルと比較してトップクラスのスコアを達成しました。

2. コストを大幅に削減

このAIモデルを楽天のサービスで利用する際の試験では、他の同じくらいの規模のAIモデルを使った場合と比べて、最大で90%ものコスト削減が可能になることが分かりました。これは、AIを動かすための費用を大きく抑えられることを意味します。

3. 賢く効率的に動く仕組み

「Rakuten AI 3.0」は、「Mixture of Experts(MoE)」という特別な設計を取り入れています。これは、AIが複数の「専門家」のようなサブモデルを持っていて、必要な時にだけその専門家を選んで使うことで、効率よく賢く動けるようにする仕組みです。

約7,000億個のパラメータを持つ大きなAIでありながら、個々の処理では約400億個のパラメータだけを使うため、大規模なデータを素早く効率的に学習・処理することができます。

Rakuten AI大規模言語モデル比較

楽天グループのChief AI & Data Officerであるティン・ツァイ氏は、「高品質で費用を抑えられるAIを開発することで、利用者の体験をより良くし、価値のあるAIを提供することを目指している」とコメントしています。経済産業省AI産業戦略室長の渡辺琢也氏も、「高い性能を持つAIモデル開発の成果を歓迎し、日本のAI産業をリードすることを期待している」と述べています。

「Rakuten AI 3.0」は、楽天のショッピング、金融、旅行といった様々なサービスで順次導入される予定です。楽天は今後も、豊富なデータと最先端のAI技術を活用し、世界中の人々に新しい価値を提供していくとしています。

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