AIが読みやすい統合報告書とは?サステナブル・ラボが「AIフレンドリー統合報告書ランキングTOP50」を発表!

ビジネス活用

AI時代の情報開示:統合報告書の「読みやすさ」が重要に

企業が社会や環境への取り組み(ESG情報)を報告する「統合報告書」は、年々情報量が増えています。これまでは人間が読んでいましたが、最近ではAI(人工知能)を使って情報を集めたり分析したりする動きが活発になっています。そのため、統合報告書が「人間だけでなくAIにも分かりやすいかどうか」が、企業にとってとても大切になってきました。

サステナブル・ラボ株式会社は、このようなAI時代の情報開示に対応するため、東証上場企業の中から時価総額上位960社の統合報告書(PDF形式)を対象に、AIがどれだけ読み取りやすいかを独自に診断し、「AIフレンドリー統合報告書ランキング TOP50(2025年版)」として発表しました。

AIフレンドリー統合報告書ランキングTOP50を公開

ランキングの診断方法と上位企業

このランキングでは、統合報告書がAIにとってどれだけ「機械可読性(AI可読性)」が高いかを、以下の8つの視点から診断しています。

  • テキスト抽出性: PDFから文字が正しくコピーできるか。

  • 表の機械可読性: 表のデータがAIに分かりやすく整理されているか。

  • 論理構造/見出し階層の明確性: 見出しの順序が分かりやすいか。

  • ナビゲーション/ハイパーリンク設計: リンクが適切に設定されているか。

  • 段落粒度/冗長性: 文章が長すぎず、要点が分かりやすいか。

  • 要約/対話性: AIが内容を要約したり、質問に答えたりしやすいか。

  • メタデータ/テクニカル健全性: ファイルの情報が適切に設定されているか。

  • 一貫性/アクセシビリティ補助: 全体を通して表現に統一性があり、誰でも利用しやすいか。

総合ランキングTOP3

今回のランキングで総合1位に輝いたのは「トヨタ自動車」でした。続いて2位は「パナソニック ホールディングス」、3位には「東急建設」がランクインしています。

AIフレンドリー統合報告書ランキング TOP50

ランキングから見えてくる傾向

上位50社の統合報告書を見ると、「テキスト抽出性」「表の機械可読性」「ナビゲーション/ハイパーリンク設計」の評価が高い企業が多いことが分かりました。これは、基本的な情報の取り出しやすさや、報告書内の移動のしやすさが重要視されていることを示しています。

一方で、「段落粒度/冗長性」「要約/対話性」「一貫性/アクセシビリティ補助」といった、より高度な「AIへの分かりやすさ」に関しては、まだ改善の余地がある企業が多いようです。

業種別では、「情報通信・サービスその他」や「電機・精密」の企業が上位に多く見られました。

AIに「読まれやすい」統合報告書を作るには?

AIに統合報告書をより良く読み取ってもらうためには、いくつかのポイントがあります。

  • 画像化されたテキストを減らす: 文字が画像になっているとAIは読めません。文字としてコピーできるようにすることで、AIが内容を理解しやすくなります。

  • 表の構造を明確にする: 表のどこが見出しで、どこがデータなのかをAIが区別できるように整理することが大切です。

  • 見出しの階層を分かりやすくする: 大見出し、中見出し、小見出しといった情報のまとまりがはっきりしていると、AIは報告書の全体像を掴みやすくなります。

  • リンクを適切に設定する: 目次や章の間にリンクを貼ることで、AIが関連情報にスムーズにアクセスできるようになります。

サステナブル・ラボが提供する支援

サステナブル・ラボ株式会社は、企業がESG情報を整理し、より分かりやすく開示できるよう、非財務データ基盤「TERRAST」シリーズを提供しています。

AI時代の情報開示に関する評価や改善、さらには社内での報告書作成の進め方についてもサポートを行っています。AI可読性診断の詳細や改善支援、個別企業の診断結果に関するお問い合わせは、以下のリンクから可能です。

お問い合わせ

解説イベント開催のお知らせ

2026年1月16日(金)には、今回のランキングをテーマにした解説イベントが東京・大手町で開催される予定です。なぜ今「AI可読性」が重要なのか、AIに「読まれやすい」統合報告書の共通点、具体的な設計のポイントや良い事例が紹介されます。申し込みページは、後日以下のPeatixページで公開されます。

2026年 ESG経営のアップデート

サステナブル・ラボ Peatixページ

サステナブル・ラボ株式会社について

サステナブル・ラボ株式会社は、ESG(環境・社会・ガバナンス)に特化した非財務データプラットフォーム「TERRAST」シリーズを提供するESGテックカンパニーです。データサイエンスとサステナビリティ、金融の知識を組み合わせ、企業規模を問わずESG経営を支援し、社会貢献と経済活動の両立を目指しています。

タイトルとURLをコピーしました