グローバルに事業を展開するローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社と、バーチャルテスト・ドライビングの技術を持つIPG Automotive株式会社は、日本の自動車業界のイノベーションを後押しするため、パートナーシップを強化すると発表しました。
自動運転開発の課題を解決する新しいテストシステム
自動運転(AD)技術を搭載した車の開発では、車載レーダーのテストが非常に重要です。これまでは、特別な試験場でしか実施できなかったこのテストを、両社の協力によって開発ラボでも行えるようになりました。
IPG Automotive社のシミュレーションソフトウェア「CarMaker」と、ローデ・シュワルツの高性能なレーダーテスト機器「R&S AREG800A車載用レーダーエコー発生器」、「R&S QAT100アドバンスドアンテナアレイ」、そしてコンパクトな「R&S RadEsTレーダー・ターゲット・シミュレータ」を組み合わせることで、この新しいシステムが実現しました。
このシステムは、「ハードウェア・イン・ザ・ループ(HIL)統合テスト」という方法を用いています。これは、実際に動く本物の車載レーダー(ハードウェア)と、コンピューター上で作り出した仮想の交通状況(シミュレーション)を組み合わせてテストする技術です。これにより、Euro NCAPなどの安全評価で使われるようなADAS/AD(先進運転支援システム/自動運転)のシナリオを、開発ラボで効率良くシミュレーションできるようになります。
開発の時間とコストを大幅に削減
この新しいテストシステムを導入することで、自動車メーカーや部品サプライヤーは、開発にかかる時間とコストを大幅に削減できると期待されています。
IPG Automotive株式会社の代表取締役社長である清水圭介氏は、ローデ・シュワルツ・ジャパンの大崎オフィスが拡張されたことで、両社の機器とソフトウェアを組み合わせたHILシステムのデモンストレーションや、日本のお客様のニーズに合わせた交通シナリオシミュレーションの開発環境が整ったと述べています。
また、ローデ・シュワルツ・ジャパンのT&M事業本部営業部長である菅原則和氏は、このシステムが国内の自動車業界の製品開発を加速させる一助となることを期待しています。
ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワーク、サイバーセキュリティの分野で、90年以上にわたり最先端技術を開発し、社会の安全で「つながる」未来を支えてきました。ドイツ・ミュンヘンを拠点とする独立企業として、長期的な視点で事業を展開しています。
詳細は以下のウェブサイトで確認できます。
IPG Automotive社について
IPG Automotive社は、バーチャル・テスト・ドライビング技術の世界的リーダーです。車両開発のための革新的なシミュレーションソリューションを提供し、ソフトウェアとハードウェア製品を通じて、コンセプト検証から最終的なリリースまでの開発プロセス全体をサポートしています。ドイツに本社を置き、2014年に設立された日本法人であるIPG Automotive株式会社は、日本でのシミュレーションソフトウェアの販売とエンジニアリングサポートを行っています。
詳細は以下のウェブサイトで確認できます。

