AIエンジニアのフリーランス案件、平均年収999万円!リモートワークが主流に【2025年12月調査】
2025年12月時点のフリーランスAIエンジニア案件に関する最新の調査レポートが発表されました。この調査は、8,014件のフリーランス案件データに基づいており、AIエンジニアの市場動向が明らかになっています。
調査サマリー
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AIエンジニア案件の平均年収は999万円です。
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リモートワーク可能な案件が全体の85.6%を占めています。
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AIエンジニア案件は、全IT案件のうち2.03%の割合です。
AIエンジニアの年収はIT職種で9位(999万円)
AIエンジニア案件の平均月額単価は83.2万円、これを年収に換算すると999万円となります。この金額は、IT職種全体の年収ランキングでは9位に相当します。

ITコンサルタントやPMOといった上位の職種に比べると少し下がりますが、AIエンジニアは、その成果が企業の売上向上やコスト削減に直接結びつきやすい特性があります。そのため、専門性が高いほど、比較的高い単価を維持しやすい職種と言えるでしょう。
AIエンジニアの仕事は多岐にわたり、機械学習モデルの設計、学習、評価だけでなく、実際にシステムに組み込んで運用したり、問題がないか監視したりする役割も担います。開発そのものよりも、使うデータの質を確保したり、運用方法を設計したりすることが、成果を大きく左右する重要なポイントです。
最近では、文章や画像を自動で作り出す「生成AI」の利用が広がっています。これに伴い、情報が外部に漏れないようにする対策や、著作権などの権利に配慮すること、そして生成される情報の質を管理することも、ますます重要になっています。このような背景から、AIエンジニアの需要は今後も安定して高まっていくと考えられます。
AIエンジニアの案件数はIT職種で16位(案件比率2.03%)
AIエンジニアの案件は、IT市場全体の2.03%を占め、IT職種別の案件数ランキングでは16位です。平均月額単価は83.2万円と高めですが、案件数の割合は現状ではそれほど高くありません。

案件数がこの水準にとどまる背景には、AIを導入する前にデータの準備や検証に時間がかかり、すぐに外部の専門家に依頼する案件として立ち上がりにくいという事情があります。特に、個人情報や企業の秘密情報を扱う業務では、データを外部に出すのが難しく、まずは社内で試しながら進める企業も少なくありません。
AIエンジニアは、目的に合った学習方法を選び、モデルを作成・評価し、実際に使える形にシステムに組み込み、運用後の精度を確認するといった幅広い役割を担います。開発だけでなく、使用するデータの品質管理や、誤ったAIの出力が業務に与える影響を抑えるための設計も非常に重要です。
生成AIの活用が広がるにつれて、AIの回答の正確さ、情報漏洩への対策、そして継続的に運用できる体制づくりが求められるようになります。実装と運用の両方に責任を持てる人材は限られているため、案件数が相対的に少なくても、専門性に応じて高い単価が維持されやすい職種と言えるでしょう。
AIエンジニア案件のリモートワーク比率
2025年12月時点でのAIエンジニア向けフリーランス案件では、フルリモート(完全に在宅)が37.5%、一部リモート(在宅と出社の組み合わせ)が48.1%、常駐(オフィス勤務)が14.5%となっています。フルリモートと一部リモートを合わせると85.6%にも達し、在宅を基本としつつ、必要に応じて出社する働き方が主流であることがわかります。

前月と比較すると、フルリモート案件は1.6%増加しましたが、一部リモートは0.2%減少し、常駐も1.3%減少しました。AIエンジニアの仕事は、設計、実装、検証、改善といった作業が多く、これらは在宅でも進めやすい傾向にあります。
しかし、学習に使うデータの取り扱いが非常に厳格な企業や、社内のサーバー環境で開発を行う案件では、出社が求められることもあります。そのため、一部リモートが最も高い割合を占める職種となっています。
前年同月と比較すると、一部リモートが11.4%減少した一方で、常駐が11%増加しました。実際にAIを運用する段階では、データを提供する部署や業務を行う部署との細かい調整、品質の基準に関する合意、運用体制の準備が重要になります。これらの作業は、対面で進めた方が効率的なケースも少なくありません。
このことから、今後も在宅中心の働き方を維持しつつ、重要な会議や現場での確認が必要な時だけ出社するという運用が主流になっていくでしょう。
AIエンジニア案件の多い業界
2025年12月時点のAIエンジニア向けフリーランス案件では、以下の業界で特に多くの案件が見られます。
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1位:サービス(7.40%、593件)
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2位:WEBサービス(6.79%、544件)
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3位:toB(法人向けサービス)(5.40%、433件)
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4位:通信(4.77%、382件)
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5位:SaaS(3.49%、280件)
これらの上位5業界で、全体の約27.9%の案件を占めています。

これらの業界に案件が集まる背景には、機械学習や生成AIを、提供するサービスの価値に直接結びつけやすく、継続的に改善していくことが前提となる点が挙げられます。例えば、サービスやWEBサービスでは、おすすめ機能、検索の精度向上、広告の最適化、不正利用の防止などで、常にAIの精度改善が求められます。そのため、モデルの更新や検証の需要が途切れることなく発生します。
法人向けサービスの売上予測や、通信ネットワークの異常を事前に検知する仕組みなど、AIを継続的に運用・改善していく分野では、今後もAIエンジニアの需要が期待されるでしょう。
AIエンジニアの特徴と担当領域
AIエンジニアは、データから学習するAIモデルを設計し、予測、推薦、画像や文章の理解といった機能を、製品や業務システムに組み込む専門家です。彼らは、課題の設定から、データの収集・整理、AIが学習しやすい形にデータを加工する「特徴量設計」、学習、そしてその評価までを一貫して担当します。さらに、開発したAIシステムを実際に使えるように実装し、API(プログラム同士をつなぐ仕組み)やバッチ処理(まとめて実行する処理)として提供する役割も担います。
AIシステムは、一度作ったら終わりではありません。運用を始めると、入力されるデータが変化することで、AIの精度が落ちたり、結果に偏りが出たりすることがあります。そのため、AIの性能を常に監視し、問題があればアラートを出し、必要に応じてAIに再学習させる仕組みを整える必要があります。通常のソフトウェア開発と異なり、同じ処理でもデータによって結果が変わるのがAIの特徴です。このため、AIの評価基準を明確に定め、実験の条件やAIモデルのバージョンを記録して、いつでも同じ結果を再現できるようにすることも重要です。
AIの分野は新しい技術が次々と登場し、進化のスピードが非常に速いという特徴があります。また、学習に使うデータの著作権や個人情報の取り扱い、そしてAIを動かすために必要な計算資源の確保とそのコストが、AIの成果に直接影響を与えます。そのため、企画部門や業務部門、さらには法務部門とも連携しながら、AIの判断根拠を説明したり、安全性も考慮したりして、継続的にAIシステムを改善していくことが求められます。
AIエンジニアが担当できる領域は非常に幅広く、次のようなものがあります。
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課題の整理
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データ収集と前処理
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モデルの設計、学習、評価
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実運用システムへの組み込み
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稼働後の監視と改善
学習からシステムへの導入までの一連の流れを自動化し、データやAIモデルの履歴を追跡できる仕組みを整えることも、AIエンジニアの重要な役割の一つです。事業部門と協力して、AIの「成功」が何を意味するのかを明確にし、現場の業務で求められる精度と処理速度を両立させていきます。
具体的には、需要予測、不正検知、おすすめ機能、画像・音声・文章の解析、そして生成AIを活用した業務支援などが主な担当領域です。実験で終わらせず、実際に価値を生み出す運用設計まで求められます。学習用データの作成やラベル付けは手間がかかるため、データの設計の良し悪しが成果を大きく左右します。
また、評価指標の定義、学習条件とモデルのバージョン管理、AIの推論速度とコストの調整なども業務に含まれます。入力データの偏りや変化によってAIの性能が落ちる兆候を検知し、再学習につなげる仕組みを構築することも重要です。誤った判断が業務に与える影響を予測し、しきい値の調整や、人間による確認を組み込むといった安全策も欠かせません。AI分野は技術の進化が速く、データの権利や個人情報への配慮も必須となります。
AIエンジニアの市場価値
AIエンジニアは、生成AIを含むAI技術の活用が広がる中で、非常に専門性の高い需要を維持しています。
平均年収は999万円でIT職種別ランキング9位、平均月額単価は83.2万円、案件比率は2.03%となっており、案件数自体は多くない一方で、単価水準は高めです。
働き方の面でも選択肢が広く、フルリモートが37.5%、一部リモートが48.1%と、在宅で働ける案件が合計で85.6%に達している点も特徴です。
AIエンジニアの市場価値が高い背景には、AIの出力の質が事業の成果や安全性に直結するため、個人情報保護、知的財産権、セキュリティ対策まで含めた運用設計が求められる点が挙げられます。このような幅広い要件に対応できる人材は限られているため、結果としてAIエンジニアの希少価値が高まっています。
フリーランスのAIエンジニアが高い単価を維持するためには、AIモデルの開発だけでなく、ビジネスの要件を理解して「成功」の基準を定義する力、AIの精度低下を検知して改善する運用設計力、そして情報漏洩対策などのセキュリティ知識が求められます。技術面とビジネス面の両方をカバーできる人材は非常に希少なため、高い報酬につながりやすいと言えるでしょう。
フリーランスエンジニア向け求人・案件検索サイト「フリーランスボード」
今回の調査データは、2024年より展開しているフリーランスエンジニア・ITフリーランス向けの求人・案件検索サイト「フリーランスボード」に掲載された案件から作成されました。
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