フリーランスのAIエンジニア市場に関する最新の調査レポートが発表されました。この調査は、フリーランス案件検索サイト「フリーランスボード」に掲載された8,014件の案件を対象に、2024年2月1日から2025年12月22日までの期間で実施されたものです。
調査サマリー:AIエンジニア案件の現状
今回の調査により、AIエンジニアのフリーランス案件には以下の特徴があることが分かりました。
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AIエンジニア案件の平均年収は999万円
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リモート案件が全体の85.6%を占める
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AIエンジニア案件の占有率は全体の2.03%

AIエンジニアの職種別平均年収ランキング
AIエンジニア案件の平均月額単価は83.2万円で、これを年収に換算すると999万円となります。これはIT職種別の年収ランキングで9位に位置しています。

ITコンサルタントやPMOといった上位職種と比べると年収水準はやや下がりますが、AIエンジニアは成果が事業の売上やコストに直接結びつきやすく、専門性に応じて比較的高い単価を維持しやすい職種と言えるでしょう。
AIエンジニアの業務範囲は広く、機械学習モデルの設計、学習、精度評価だけでなく、運用環境への組み込みや監視まで多岐にわたります。特に、データ品質の確保や運用設計が成果を大きく左右する点がこの職種の特徴です。
生成AIの活用が広がる中で、情報漏えい対策、権利面の配慮、出力品質の管理といった側面も重要性を増しており、業界を問わずAI導入が進むにつれてAIエンジニアの需要は安定して推移する見込みです。
AIエンジニアの職種別案件数ランキング
AIエンジニアの案件は市場全体の2.03%を占め、IT職種別の案件数ランキングでは16位となっています。平均月額単価は83.2万円と高めの水準を維持していますが、案件数自体はそれほど多くありません。

案件数がこの水準にとどまる背景には、AI導入前にデータの準備や検証が必要であり、すぐに外部委託案件として立ち上がりにくい事情があります。特に個人情報や機密情報を扱う業務では、データを社外に出しにくいため、まずは社内で試行する企業も少なくありません。
AIエンジニアは、目的に合わせた学習方法の選定、モデルの作成・精度評価、現場で使える形への組み込み、運用後の精度確認まで、幅広い業務を担います。開発だけでなく、使用するデータの品質管理や、誤った出力が業務に与える影響を抑える設計も重要です。
生成AIの活用が広がるにつれて、回答の正確さ、情報漏えい対策、継続運用の体制構築が求められます。実装と運用の両方に責任を持てる人材は限られているため、案件数が相対的に少なくても、専門性に応じて単価が維持されやすい職種と言えるでしょう。
AIエンジニア案件のリモートワーク比率
2025年12月時点のAIエンジニア向けフリーランス案件におけるリモートワーク比率は、フルリモートが37.5%、一部リモートが48.1%、常駐が14.5%です。フルリモートと一部リモートを合わせると85.6%に達し、在宅を基本としつつ、必要に応じて出社する働き方が主流となっています。

前月比ではフルリモートが+1.6%と増加し、一部リモートは-0.2%、常駐は-1.3%とやや減少しました。AIエンジニアの仕事は、設計、実装、検証、改善といった作業を在宅でも進めやすい傾向にあります。
ただし、学習用データの取り扱いが厳格な企業や、社内のサーバー環境で開発を行う案件では出社が必要な場面もあり、結果として一部リモートが最大の比率を占めることが多い職種です。
前年同月比では一部リモートが-11.4%と減少し、常駐が+11%と増加しました。実運用に近い段階では、データ提供部門や業務部門との調整、品質基準の合意、運用体制の整備が重要になるため、対面で進めた方が効率的なケースも少なくありません。
そのため、今後も在宅中心を維持しつつ、重要な会議や現場確認のときだけ出社する運用が主流になっていくと考えられます。
AIエンジニア案件の多い業界
2025年12月時点のAIエンジニア向けフリーランス案件では、以下の業界が多くを占めています。

- サービス:7.40%(593件)
- WEBサービス:6.79%(544件)
- toB:5.40%(433件)
- 通信:4.77%(382件)
- SaaS:3.49%(280件)
これら上位5業界で全体の約27.9%を占めています。
これらの業界に案件が集まりやすいのは、機械学習や生成AIをサービスの価値に直結させやすく、継続的な改善が前提となりやすい点が挙げられます。サービス・WEBサービス分野では、推薦、検索、広告最適化、不正対策などで常に精度改善が求められ、モデル更新や検証の需要が途切れません。
法人向けサービスの売上予測や、通信ネットワークの異常を事前に検知する仕組みなど、AIを継続的に運用・改善していく分野では、今後もAIエンジニアの需要が見込まれるでしょう。
AIエンジニアの特徴と担当領域
AIエンジニアは、データから学習するモデルを設計し、予測、推薦、画像・文章の理解といった機能を製品や業務に組み込む専門家です。課題設定からデータ収集・整形、特徴量設計、学習、評価までを担い、システムとして実装した上でAPIやバッチ処理として提供します。
運用開始後も、入力データの変化によって精度が低下したり偏りが出たりするため、品質を監視し、アラートや再学習の仕組みを整える必要があります。ソフトウェア開発とは異なり、同じ処理でもデータ次第で結果が変わるため、評価指標を定め、実験条件とモデルのバージョンを記録して再現性を確保することも重要です。
AI分野は新しい技術の登場が速く、学習用データの権利、個人情報の扱い、計算資源の確保とコストが成果に直結しやすい点も特徴です。企画部門、業務部門、法務部門とも連携しながら、AIの判断根拠の説明や安全性を含めて継続的に改善していくことが求められます。
担当できる領域は、課題整理からデータ収集・前処理、モデル設計・学習・評価、実運用への組み込み、稼働後の監視と改善まで多岐にわたります。学習からデプロイまでを自動化し、データやモデルの履歴を追跡できる仕組みを整えることも重要な役割です。事業部門と成功基準をすり合わせ、現場の業務要件を満たす精度と速度を両立させていきます。
具体的な業務には、評価指標の定義、学習条件とモデルのバージョン管理、推論速度とコストの調整などがあります。入力データの偏りや変化によって性能が低下する兆候を検知し、再学習につなげる仕組みも構築します。誤判定の影響を見積もった上で、しきい値調整や人による確認を組み込むといった安全策も欠かせません。AI分野は技術の進化が速く、データの権利や個人情報への配慮も必須です。
AIエンジニアの市場価値
AIエンジニアは、生成AIを含むAI活用が広がる中で、専門性の高い需要を維持しています。平均年収は999万円でIT職種別ランキング9位、平均月額単価は83.2万円、案件比率は2.03%となっており、案件数は多くない一方で単価水準は高めです。
働き方の面でも選択肢が広く、フルリモート37.5%、一部リモート48.1%と、在宅を含む案件が合計85.6%に達している点も特徴です。
市場価値が高い背景には、AIの出力品質が事業成果や安全性に直結するため、個人情報や知的財産権、セキュリティまで含めた運用設計が求められる点が挙げられます。こうした幅広い要件に対応できる人材は限られており、結果としてAIエンジニアの希少価値が高まっています。
フリーランスのAIエンジニアが高単価を維持するには、モデル開発だけでなく、ビジネス要件を理解して成功指標を定義する力、精度低下を検知・改善する運用設計力、情報漏えい対策などのセキュリティ知識が求められます。技術と事業の両面をカバーできる人材は希少なため、高い報酬につながりやすいと言えるでしょう。
調査元「フリーランスボード」について
今回の調査データを提供したのは、2024年より展開されているフリーランスエンジニア・ITフリーランス向けの国内最大級の案件検索サイト「フリーランスボード」です。

現在、100社以上のフリーランスエージェントと業務提携しており、検索可能な求人・案件数は39万件以上と国内最大規模を誇ります。フリーランスエンジニアやITフリーランスは、フリーランスボード上で案件・求人情報をまとめて検索し、ワンストップで仕事探しができます。
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