生成AIとカメラが自転車競技の審判を変える!周回検知で99%の検知率を達成した実証実験

ビジネス活用

MASOとロココ社の協業ロゴ

株式会社MASOと株式会社ロココは、2025年8月に伊豆ベロドロームで開催された「全日本自転車競技選手権 トラック競技」で、生成AIとカメラを組み合わせた周回検知の実証実験を行いました。この実験は、MASOにとって初めての試みであり、女子ジュニア スクラッチレースでは99%という高い検知率を達成しました。

自転車競技の審判に潜む課題

自転車競技のトラック競技では、1周250mのコースを選手が何周したか、そして着順やタイムを競います。通常、この競技の審判には約40名もの審判員が目視で選手の周回を記録しています。しかし、この方法では多くの人手が必要となるだけでなく、誤った判定が起こりやすいという課題がありました。

従来の審判方法の課題

このような課題に対し、ロココ社は画像認証技術を活用したスポーツ競技のデジタル化を進めており、カメラ映像と生成AIによる画像解析技術を持つMASO社との連携が実現しました。

生成AIとカメラによる新しい周回検知

今回の実証実験では、選手の周回検知を自動化するために、以下のような方法が取られました。

  1. カメラで撮影: 各選手がフィニッシュラインを通過する瞬間をカメラで撮影します。
  2. AIが分析: MASO社の画像解析ソリューションが、撮影された映像から選手のゼッケン番号を読み取ります。
  3. 周回数を記録: 読み取ったゼッケン番号をもとに、それぞれの選手の周回数を自動で記録します。

生成AIを用いたゼッケン検知判定

このシステムにより、審判員の作業時間は約10分の1以下にまで大幅に削減できる見込みです。さらに、女子ジュニア スクラッチレースで99%を超える検知率を記録したように、判定の正確性も向上することが期待されます。将来的には、選手の現在位置がリアルタイムで表示できるようになり、観戦者もより臨場感あふれる体験を楽しめるようになるでしょう。これにより、競技ファンの増加や収益拡大にもつながることが期待されます。

MASO社とロココ社は今後も、生成AIとカメラを連携させた画像認証技術の精度を高め、審判業務の改善や、競技の魅力をさらに多くのファンに届ける仕組みづくりに貢献していくとしています。

カメラが「監視」から「業務支援ツール」へ

今回の実証実験のように、これまでは主に「監視」のために使われてきたカメラの映像が、生成AIの分析と組み合わせることで、現場の状況を「見える化」できるようになります。MASO社は、この分析結果をさまざまなシステムと連携させるためのプラットフォームを提供しており、専門的なプログラミング知識がなくても、現場に合わせた業務改善を実現できるとしています。

AIによる精度の高い画像解析

日本全体で2035年には385万人相当の労働力が不足すると言われている現代において、MASO社はスポーツ競技だけでなく、オフィス、店舗、倉庫、公共施設など、さまざまな場所での実証実験を進め、社会の労働力不足の解決に貢献することを目指しています。

概念実証実験(PoC)概要

  • 実施対象: 全日本自転車競技選手権 トラック競技

  • 実施日時: 2025年8月22日(金)〜25日(月)

  • 実施場所: 伊豆ベロドローム

  • 従来の方法: 約40名の審判員による目視判定

  • 実証実験を行った方法: カメラで撮影した画像から生成AIを用いた画像認証技術によりゼッケンを検知し、周回数や成績を記録

全日本自転車競技選手権について

公益社団法人日本自転車競技連盟(JCF)が主催する、日本最高峰の自転車競技選手権大会です。世界選手権やオリンピック代表選手選考にも関わる重要な大会で、ロード、トラック、シクロクロスなど複数種目の競技大会が年間を通じて開催されています。この大会は今年で第94回目を迎えています。
全日本自転車競技選手権公式サイト

株式会社ロココについて

株式会社ロココは、アウトソーシングサービス、システム開発・保守・導入支援、海外でのオフショア開発など幅広い事業を展開しています。今回の自転車競技大会や「熊本城マラソン2025」でのゼッケン認証、自社開発の顔認証システム「AUTH thru(オースルー)」の画像認証技術の発展・拡張に力を入れています。

MASO株式会社について

MASO株式会社は「AIで、持続的に産業が発展する社会を作る」という目標のもと、「カメラ映像とAIを活用したノーコード連携プラットフォーム」を提供しています。

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