「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」が新登場!AIがもっと賢く、お仕事をもっとスムーズに

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AIが現実世界と連携!「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」で業務が変わる

AI(人工知能)の進化は目覚ましく、私たちの生活や仕事のあり方を変えつつあります。そんな中、富士通株式会社は、NVIDIAとの協業の成果として、Physical AI(フィジカルAI)とAIエージェントをスムーズに連携させる新技術「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」を開発しました。

Physical AIとAIエージェントとは?

まず、Physical AIとは、AIがロボットなどを通じて現実世界に直接働きかけ、物理的な作業を行う技術のことです。例えば、工場でロボットがAIの指示で部品を組み立てたり、倉庫でAIが最適なルートで荷物を運ぶロボットを制御したりするイメージです。

一方、AIエージェントは、まるで人間の秘書のように、AIが自ら考えて情報を集めたり、判断したりして、特定の業務を自動で行うプログラムを指します。メールの返信を作成したり、会議のスケジュールを調整したりするような役割です。

これまでのAIエージェントは、書類の処理など企業の業務の一部に適用されることが多かったのですが、部署をまたいだ複雑な業務や、企業間の調整が必要な仕事、さらにはPhysical AIとしてロボットと連携するような場面では、その活用はまだ十分ではありませんでした。特に、機密情報を安全に扱いながら、AIエージェントやPhysical AIを連携させていくことが大きな課題でした。

新技術「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」のコア機能

富士通は、これらの課題を解決するために、NVIDIAの技術と富士通独自の技術を組み合わせた「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」を開発しました。この技術は、主に二つの重要な機能を持っています。

1. 機密性の高い業務を安全に自動化するマルチAIエージェントフレームワーク

このフレームワークは、AIエージェントたちが協力し合って、複雑な業務を自動化するための仕組みです。まるで複数の専門家がチームを組んで仕事を進めるようなものです。見た目で分かりやすい設計画面を使って業務の流れを組み立てられるため、特別な知識がなくても、AIを使った業務システムを作りやすくなっています。

また、「セキュアエージェントゲートウェイ」という技術を使うことで、機密性の高い情報も安全にAIエージェント間でやり取りできるようになり、企業の重要な業務も安心してAIに任せられるようになります。

2. 購買部門の調達業務を支援する特化型AIエージェント

「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」では、富士通が開発した大規模言語モデル(LLM)「Takane」をベースにした、企業購買部門の調達業務を自動化・効率化するAIエージェントが搭載されています。

このAIエージェントは、以下の3つの役割に特化しています。

    • 帳票理解エージェント: 複雑な見積書などの書類の内容を正確に読み取り、必要な情報をデータとして整理します。

    • 購買規約解析エージェント: 企業内の購買ルール(規約)を理解し、チェックすべきポイントを自動で洗い出します。

    • 適合チェックエージェント: 整理された見積書データと購買規約のチェックポイントを照らし合わせ、ルールに合っているかを自動で確認します。

AIを活用した文書処理ワークフロー

これらのAIエージェントを活用することで、富士通の購買部門での実証実験では、発注確認にかかる時間が約50%削減できることが確認されました。さらに、NVIDIAの技術を活用することで、AIの処理速度が50%向上することが見込まれており、1日に何百件もの社内規約チェック業務がより速く行えるようになるでしょう。

今後の展望

富士通は、この技術をさらに発展させ、2025年度中には、お客様の環境でAIが自ら学習し、成長していくAIエージェント技術へと進化させる予定です。そして、Physical AIの領域、つまりAIエージェントがロボットと連携して現実世界で高度なタスクを実行するような世界へと、順次拡大していく計画です。

将来的には、AIエージェントとロボットがスムーズに協力し合い、現実世界での様々な業務を理解した複数のロボットが高度に連携して働く社会を目指しています。

関連リンク

SDGsへの貢献について

富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を企業の存在意義としており、これは国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を約束するものです。

SDGsロゴ

今回の技術開発は、特にSDGsの目標8「働きがいも経済成長も」に貢献すると考えられます。AIによる業務効率化は、人々の働きがいを高め、経済成長を促進する可能性を秘めているでしょう。

SDGs目標8

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