ネットイント社製VPU搭載「クアドラミニサーバー」登場!モバイル中継やエッジ処理を効率化

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ネットイント社製VPU搭載「クアドラミニサーバー」登場!モバイル中継やエッジ処理を効率化

ジャパン・トゥエンティワン株式会社は、カナダのネットイント社製VPU(ビデオ処理ユニット)を搭載した新しいビデオサーバー「クアドラミニサーバー」の販売を、J21公式オンラインストアで開始しました。この新しいサーバーは、モバイル中継や現場での映像処理(エッジ処理)を効率的に行いたいお客様に、手軽な導入を可能にします。

VPUって何?

VPUは「Video Processing Unit(ビデオ処理ユニット)」の略で、その名の通り、動画の処理を専門に行う特別なチップです。一般的なコンピューターのCPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理ユニット)と比べて、動画のエンコード(圧縮)やデコード(展開)といった作業を、もっと速く、そしてもっと少ない電力でこなせるのが大きな特徴です。特に、たくさんの動画を同時に扱ったり、AIを使った動画解析など、高度な映像処理が必要な場面でその能力を発揮します。

NETINT社のQUADRAビデオ処理ユニットまたは高速SSDのような黒い電子部品が写っています。ヒートシンクが特徴的で、PCやサーバー向けのハードウェアであることが伺えます。

「クアドラミニサーバー」のすごいところ

1. どこにでも置けるコンパクトさ

このサーバーは、わずか1RUハーフラックサイズ(幅330mm × 奥行き160mm)という省スペース設計です。そのため、中継車の中や狭いスタジオ、あるいはイベント現場の隅など、設置場所を選ばずに運用できます。

2. 最新VPU「Quadra T1M」のパワー

「クアドラミニサーバー」には、ネットイント社の第2世代VPU「Quadra T1M」が1基搭載されています。このVPUは、以下のようなリアルタイム処理を高い効率で実行できます。

  • エンコード性能:フルHD(1080p30)動画を同時に20チャンネル、または4K(4Kp30)動画を5チャンネルエンコード可能です。

  • デコード性能:フルHD(1080p30)動画を25チャンネル、または4K(4Kp30)動画を6チャンネルデコード可能です。

  • 対応コーデック:H.264、HEVC、AV1、JPEG、HEIF、AVIF、VP9など、様々な動画形式に対応しています。

これにより、CPUやGPUと比べて、大幅な省電力と高密度な処理を実現します。

NETINTのOEM VPUの技術アーキテクチャを示す図です。ASIC VPUのデコード・エンコード対応フォーマット(H.264, HEVC, JPEG, VP9, AV1)や2Dビデオエンジン機能、PCIeインターフェース、そしてFFmpegやGStreamerなどのソフトウェアスタックとの連携が描かれています。

3. プロ仕様の映像入力に対応

放送業界で広く使われているBlackmagic Design社の「DeckLink」シリーズ(オプション)に対応しており、放送品質のSDI入力をサポートします。これにより、収録から配信までの一連のワークフローをスムーズに統合できます。

4. 電気代を抑える設計

エッジ処理やモバイル中継で特に求められる省電力性を確保しており、消費電力はわずか約138Wです。電源アダプタも同梱されているため、すぐに使い始められます。

5. 今あるシステムとスムーズに連携

このサーバーは、動画処理でよく使われる「FFmpeg」や「GStreamer」といったソフトウェアベースのワークフローに簡単に組み込むことができます。さらに、SDIキャプチャーカード装着モデルには、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使って複雑なFFmpeg処理をコードなしで実行できる映像処理プラットフォーム「Bitstreams」がプリロードされています(1年分のライセンスが付属)。

どんな場面で使えるの?

「クアドラミニサーバー」は、以下のような多様な用途で活躍が期待されます。

  • モバイル中継車での多チャンネル動画エンコード

  • ライブイベントのオンサイト配信

  • 現場エッジでのリアルタイム映像処理

  • クラウドゲーミングやAR/VRコンテンツの配信

  • 映像監視の高効率ストリーミング

ジャパン・トゥエンティワンのサポート

ジャパン・トゥエンティワンは、ネットイント社製品の導入支援から技術サポートまで、お客様の映像関連サービスの高度化に貢献していきます。

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