小売業の顧客体験(CX)アップ術!商品情報が売上を左右する最新調査から見えた「運用力」の重要性

ビジネス活用

Centric PXM(旧Contentserv)は、年商50億円以上の小売企業を対象に、「商品データのパーソナライズと顧客体験(CX)向上」に関する実態調査を行いました。この調査では、お客様が商品を購入する際の決め手となる商品情報の「質」や「見せ方」が、どのように購買行動やお客様のファン化(ロイヤルティ)に影響しているのか、そしてその現場での取り組みや課題が浮き彫りになりました。

調査の結果、商品情報の重要性は多くの企業で強く認識されているものの、実際の運用では依然として手間のかかる手作業に頼っている部分が多く、お客様の満足度を高める上での足かせになっていることが明らかになりました。

調査レポート

調査結果のハイライト

約9割が「商品ページの情報は購入率に影響」と回答

商品画像、説明文、仕様情報など、商品ページに掲載されている情報がお客様の購買判断にどれくらい影響するかを尋ねたところ、約9割の企業が「非常に大きく影響する」または「ある程度影響する」と回答しました。これは、インターネットでの買い物(EC)において、商品の情報がお客様の満足度(CX)の中心的な要素になっていることを示しています。

約8割が商品情報充実に努力するも、作業負荷が集中

過去1年間で商品情報の充実に「積極的に」または「部分的に」取り組んだ企業は約8割にのぼります。具体的には、商品説明を詳しくしたり、商品画像を追加したり、お客様のレビューや評価を強化したりといった取り組みが中心でした。

商品情報充実の取り組み

しかし、これらの取り組みは「人の手による作業」に頼る部分が大きく、約6割の企業が「商品説明文の作成」や「商品画像の撮影・編集」に最も時間とコストがかかると回答しています。

商品情報の収集・作成にかかる時間・コスト

情報が未整備なために「販売機会損失」が半数で発生

「商品はあるのに、掲載する商品情報(画像や説明文など)が準備できていないために販売できない」という状況が、約5割の企業で「頻繁に」または「時々」発生していることがわかりました。お客様の満足度を高めるために情報を充実させようとする一方で、情報の準備が間に合わないことで、せっかくの販売チャンスを逃している実態が明らかになっています。

販売機会損失の発生状況

パーソナライズ施策は高い効果を発揮

お客様の購入履歴や閲覧履歴に基づいておすすめ商品を提案するなど、一人ひとりに合わせた「パーソナライズされた商品情報」を提供している企業では、8割以上がお客様の満足度向上やファン化(ロイヤルティ向上)を実感しています。

パーソナライズされた商品情報の提供方法

パーソナライズによるロイヤルティ向上

しかし、AIを使った自動でのパーソナライズなど、より高度な取り組みはまだ限定的です。多くの企業が「効果はわかっているけれど、実際の運用が追いつかない」という段階にとどまっています。

小売企業は「商品情報の品質改善とパーソナライズ強化」を最優先

小売企業が今後、商品情報の管理や活用で優先的に取り組みたいこととして、「商品情報の品質や正確性の向上」(42.3%)と「パーソナライズされた商品情報提供の強化」(36.5%)が上位を占めました。

特に注目すべきは、パーソナライズ強化が、AI活用(17.3%)やAR導入(5.8%)といった新しい技術の導入よりも高く評価されている点です。これは、多くの企業が「AIを使うこと」そのものよりも、「お客様の満足度を高めるために、商品情報をどう効果的に使うか」を現実的な優先課題として考えていることを示しています。

商品情報の管理・活用で優先的に取り組みたいこと

まとめ:お客様の満足度を高める鍵は「商品情報の運用力」

今回の調査から、小売業でお客様の満足度(CX)を高める競争は、「どれだけ多くの商品情報を持っているか」ではなく、「どれだけ効率的に商品情報を管理し、お客様に合わせて最適化できるか」へと変化していることがわかりました。

商品情報の質を高く保ち、一貫性を持たせ、素早くお客様に届けられる仕組みがなければ、パーソナライズやお客様の満足度向上といった取り組みは、一部の担当者の努力に依存した「長続きしない施策」になってしまう可能性があります。

お客様の満足度向上と売上アップを両立させるためには、以下の3つが重要です。

  • 商品情報を一箇所にまとめて管理する仕組み(PIM:Product Information Managementなど)

  • 手作業に頼らない効率的な運用方法

  • 販売チャネルやお客様一人ひとりに合わせた最適な商品体験の提供

Centric PXM(旧Contentserv)では、PIM(商品情報管理)やDAM(デジタルアセット管理)というツールを活用した企業事例を、年次カンファレンス「Product Experience Summit Tokyo 2025」のオンデマンドコンテンツで詳しく紹介しています。パナソニックコネクトやロート製薬などの取り組みを直接聞くことができます。

■ Product Experience Summit Tokyo 2025(PXS25)オンデマンド
商品情報管理PIM・CX・PXMの最新トレンドと実践事例を紹介
オンデマンド視聴はこちら:
https://www2.centricsoftware.com/pxs25-ondemand

調査概要

  • 調査名称: 小売業における商品データのパーソナライズと顧客体験(CX)向上調査

  • 調査方法: IDEATECH「リサピー®」によるインターネット調査

  • 調査期間: 2025年6月16日〜8月28日

  • 有効回答数: 104名(年商50億円以上の小売企業/EC・マーケティング・商品管理・CS担当者)

Centric Softwareについて

シリコンバレーに本社を置くCentric Softwareは、小売業者、ブランド、メーカー向けに、AIを活用した革新的なデジタル基盤を提供しています。ファッション、アウトドア、ラグジュアリー、ホーム、マルチカテゴリー小売、食品・飲料、化粧品・パーソナルケア、家電など、様々な消費財業界の専門知識を活かし、以下のようなソリューションを展開しています。

  • Centric PLM™: 商品の企画から開発、調達、製造までのプロセスを最適化し、生産性向上や市場投入期間短縮を実現します。

  • Centric Planning™: AIを活用し、小売・卸売ビジネスの計画を最適化し、利益率向上をサポートします。

  • Centric Pricing & Inventory™: AIを活用した価格・在庫最適化により、収益向上を実現します。

  • Centric Market Intelligence™: AIを活用し、消費者トレンドや競合価格情報を分析し、競争力強化や初期価格設定の向上を支援します。

  • Centric Visual Boards™: 視覚的にデータを整理し、お客様に最適な商品展開や品揃え開発の期間を短縮します。

  • Centric PXM™(旧Contentserv): AIを活用した商品情報管理(PIM)、デジタルアセット管理(DAM)などを統合したクラウドプラットフォームです。社内外に散らばる商品データを一元化し、正確で新しい情報をECサイトや店舗などへ一貫して配信することで、ブランド体験の向上、販売チャネルの拡大、売上アップをサポートします。

Centric Softwareのソリューションは、世界中で高い評価を得ており、多くの業界アワードを受賞しています。

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