AIとARで男性の顔印象を解析!世代や国で異なる「理想の顔」が明らかに

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AIとARで男性の顔印象を解析!世代や国で異なる「理想の顔」が明らかに

株式会社ファイントゥデイは、AI(人工知能)とAR(拡張現実)技術を組み合わせた新しい方法を使って、男性の顔の印象について国や世代による違いを調べました。

この研究により、男性が「こんな顔になりたい」と考える理想の顔や、その理想に近づけるための方法が、年齢や国籍によって違うことが明らかになりました。この成果は、第27回日本感性工学会と第30回日本顔学会で発表されています。

研究の背景:多様化する美容の価値観

最近では、SNSを通じて世界中の美容情報や流行にすぐに触れられるようになり、自分を表現する方法や「美しさ」の考え方がとても多様になっています。以前は「美容は女性のもの」というイメージが強かったですが、今では男性向けのスキンケアやメイクアップ製品が増え、男性の化粧品市場はこれからもさらに大きくなると予想されています。

男性の美容への関心が高まる一方で、女性に比べて男性の顔の印象に関する研究はまだ少ないのが現状でした。特に、年齢や国籍の違いによって、顔の印象をどう変えたいかがどう変わるのかは、これまで詳しく分かっていませんでした。

そこでファイントゥデイは、パーフェクト株式会社のAI・AR技術を活用して、顔のパーツを感覚的に調整し、「こんな印象になりたい」というイメージをすぐに確認できるシミュレーションツールを独自に開発しました。この新しい方法を使って、世代別と国別に、男性が求める顔の印象と、それを実現するためのアプローチの違いを明らかにしようと試みました。

研究内容:世代別・国別の顔印象アプローチ

実験①:他者の顔に対する印象の変化(世代別)

この実験では、20代から40代の日本人男性65名を対象に、20代から40代の男性の顔写真3枚を見せました。参加者はシミュレーションツールを使い、「目」「瞳」「鼻」「口」「眉」の形や大きさ、位置などを自由に調整して、「かっこいい印象」と「親しみやすい印象」になるように顔を変えていきました。

結果:
「かっこいい印象」を目指す場合、40代の参加者は眉の角度をしっかりさせ、太くする傾向がありました。一方、20代と30代の参加者は、眉と目の距離を近づけ、顔の中心にパーツを寄せる傾向が見られました。

「親しみやすい印象」を目指す場合は、年齢が上がるにつれて、目を丸くし、眉の形をなだらかにする傾向がありました。また、「かっこいい印象」と「親しみやすい印象」では、それぞれ異なる瞳の色が選ばれていました。

これらの結果から、目や眉の形、瞳の色といった目元の変化が、他者に与える印象に大きく影響することが分かりました。

図1 各世代の「かっこいい印象」に対する変容特徴を反映し、AIで生成した男性顔をシミュレーションツールで特徴的に変化させたイメージ画像。20代・30代は、特定パーツのサイズ変更ではなく各パーツの配置を近づけたのに対して、40代は目を大きくさせ、眉の角度を高くした
図1:各世代の「かっこいい印象」への変容イメージ

実験②:自分の顔に対する理想の変化(国別)

この実験では、20代から50代の日本人男性122名とベトナム人男性32名を対象にしました。参加者は自分の顔写真を撮影し、シミュレーションツールを使って「目」「瞳」「鼻」「口」「眉」の形や大きさ、位置などを自由に調整して、「理想の自己顔」を作成するよう指示されました。

結果:
「理想の自己顔」を作る際、日本の男性は鼻を大幅に細くし、目と眉を近づけ、眉の色を茶色に変える傾向がありました。一方で、ベトナムの男性は目を少し垂れ目にする傾向が見られました。

図2 AIで生成した男性顔に対して、各国の被験者の変容特徴をシミュレーションツールで顕著に変化させたイメージ画像。日本人とベトナム人とで、鼻の細さ、目の角度、目と眉の距離が異なった
図2:各国における「理想の自己顔」への変容イメージ

これらの研究から、男性が求める顔の印象や、それを実現するためのアプローチは、評価する人の世代や国籍によって違うことが確認されました。これは、「どう見られたいか」「どう見せたいか」という心の動きだけでなく、日々の生活スタイルや流行、文化的な背景から生まれる「美意識」が、理想の顔への変化のさせ方に関係していることを示唆しています。

今後の展望:多様な美意識に応える製品開発へ

ファイントゥデイは、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を送り、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」という企業としての目的(パーパス)を掲げています。この目的のもと、美意識を大切にした製品開発を行い、「uno」や「エージーデオ24メン」といったブランドから、男性が「自分らしい魅力」を引き出すための革新的な製品を提供してきました。

今回の研究で得られた知見を活かし、世代や文化によって異なる多様な価値観を深く理解することで、一人ひとりが「なりたい自分」になれるような製品やサービスの提供を目指していくとのことです。

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