Ragate株式会社は、2025年12月に情報システム部・DX推進室で生成AI導入の意思決定に関わる505名を対象とした「生成AI導入推進における課題と予算動向に関する調査」を実施し、その結果をまとめたレポートを公開しました。
生成AIの普及が進む中で、「どこから始めればよいか分からない」「他社がどんな課題に直面しているのか知りたい」といった声が多く聞かれることがあります。この調査は、そうした疑問に答えるために行われました。
導入推進を阻む「3大課題」が明らかに

調査の結果、生成AIの導入を進める上で、特に大きな3つの課題があることが分かりました。
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1位:出力精度の不確実性(ハルシネーション)への懸念(50.3%)
生成AIが事実と異なる情報を生成してしまう「ハルシネーション」は、業務で使う上で最大の不安要素となっています。 -
2位:情報漏洩・セキュリティリスクへの懸念(48.8%)
会社の重要な情報が漏れてしまうのではないか、というセキュリティ面での心配も非常に高い割合を占めています。 -
3位:著作権・コンプライアンスに関する法的な懸念(39.1%)
生成AIが作ったものが著作権を侵害しないか、法律に違反しないか、といった法的なリスクも多くの企業が気にしています。
これらの課題に対して、技術的な対策や会社としてのルール作りが必要とされています。
61%の企業が予算拡大を見込む

生成AIへの投資計画について尋ねたところ、なんと6割を超える61%の企業が、今後予算を「大幅に拡大する」または「ある程度拡大する」と回答しました。一方で、予算を「縮小・撤退する」と答えた企業はわずか0.7%でした。
この結果は、生成AIへの投資が一時的な流行ではなく、企業にとって長期的な戦略投資として重要視されていることを示しています。多くの企業が、生成AIが業務を変革する力を持っていると期待していることがうかがえます。
活用が進む業務領域TOP3と主流ツール
活用が進む業務領域

企業で生成AIの活用が進んでいる業務領域のトップ3は以下の通りです。
- 情報収集・調査・分析(57.1%):市場調査やデータ分析、情報の要約などで活用されています。
- システム開発・運用(53.8%):コードの生成やデバッグ、資料作成などで効率化が図られています。
- 社内問い合わせ対応・ヘルプデスク(52.3%):AIチャットボットなどを活用し、社員からの問い合わせ対応を効率化しています。
業務利用ツールはChatGPT・Copilot・Geminiが主流

現在業務で使われている生成AI関連ツールでは、以下の3つが特に多く利用されています。
- OpenAI ChatGPT(57.9%)
- Copilot for Microsoft 365(53.5%)
- Google Gemini(46.7%)
これら3つのツールが、企業の生成AI活用において主流となっていることが分かります。
レポート詳細とラーゲイトの支援
本調査レポートでは、上記以外にも、課題の詳しいランキングや、クリエイティブ生成、翻訳対応などの活用領域、ClaudeやPerplexityといった他の利用ツールの状況、そして意思決定者が取るべき具体的なアクション(ガイドライン整備、スキル向上、ROI評価)など、さらに詳細なデータが掲載されています。
レポートの全文はこちらから確認できます。
Ragate株式会社は、今回の調査結果を踏まえ、生成AIの導入・活用推進に悩む企業に対して、AWS FTR認定を取得した専門チームによる一貫した伴走支援を提供しています。具体的には、生成AI活用ガイドラインの策定支援、プロンプトエンジニアリング研修、Difyを活用したノーコード開発環境の構築、AWSサーバーレス基盤での実行環境整備、継続的なリスキリングと組織定着化などをサポートしています。

