不動産価格の地域差をAIで解明!東京大学と三菱地所ハウスネットが共同研究成果を発表

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不動産価格の地域差をAIで分析する共同研究が国際学会で発表

三菱地所ハウスネット株式会社と国立大学法人東京大学大学院情報理工学系研究科 山崎俊彦教授らの研究室は、「地域ごとの不動産価格を形成する要因分析」に関する共同研究を実施し、その成果を国際会議「ACM Multimedia Asia 2025」のワークショップで発表しました。

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共同研究の背景

これまでの不動産査定では、立地や築年数、部屋の状態、周辺環境といった評価項目が全国一律で設定され、それぞれの項目に点数をつけて価格を算出していました。しかし、このような評価方法では、地域ごとの細かい特性を反映させることが難しく、査定担当者の経験や知識に頼る部分が大きいという課題がありました。

一方、東京大学山崎研究室のこれまでの研究では、「最寄り駅から徒歩1分の価値は地域によって異なる」ということが分かっており、不動産価格に影響を与える要因には地域ごとの違いがあることが明らかになっています。このような学術的な知見を実際の社会に役立て、より納得できる、透明性の高い不動産査定を実現したいという思いから、今回の共同研究が始まりました。

共同研究の概要と目指す姿

この共同研究では、まず東京都港区における不動産価格への影響要因の地域差について詳しく調べました。今後は、この研究の対象地域を広げ、さまざまな地域での価格影響要因やその度合いを検証していく予定です。これにより、地域ごとの特徴をより正確に反映した、納得感と透明性の高い不動産査定のあり方を検討していきます。

共同研究の詳細

研究では、東京都港区の中古マンションの豊富な取引データを使用し、エリアごとに価格を予測するモデルを作りました。そして、それぞれのエリアで不動産価格に影響を与える要因を抽出しました。これらの結果を、機械学習モデルとAI技術を組み合わせた独自の評価手法で分析することで、エリアによって不動産価格に影響する要因が異なることを明らかにしました。

SHAP値のプロット

SHAP値のバイオリンプロット

この分析結果を従来の評価基準に取り入れることで、これまで捉えきれなかった地域ごとの特性を可視化できるようになりました。これにより、より詳しいデータに基づいた不動産査定が実現できる可能性が示されました。

国際会議「ACM Multimedia Asia 2025」での発表

この共同研究の成果は、2025年12月9日から12日までマレーシア・クアラルンプールで開催された国際会議「ACM Multimedia Asia 2025」のワークショップ「Visual and Signal Communication Technologies in Design of Housing, Urban Spaces, Local Communities, and Human Behavior」で発表されました。

採択論文
「Regional Differences in Feature Importances for Real Estate Prices」(訳:地域ごとの不動産価格影響度について)

著者/発表者(発表当時)

  • 佐部 正太郎 (三菱地所ハウスネット株式会社 副主任)

  • 三戸部 伸之 (三菱地所ハウスネット株式会社 グループ長)

  • 増田 俊太郎 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 電子情報学専攻 博士課程)

  • 山崎 俊彦 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 電子情報学専攻 教授)

国際会議の様子1

国際会議の様子2

山崎研究室について

東京大学山崎研究室は、画像や動画、音声、言葉、データなど、さまざまな種類のデータを活用しながら、AI(人工知能)、マルチメディア、コンピュータビジョン、パターン認識、機械学習といった幅広い分野で、基礎研究から実用化まで研究を進めています。国内外の企業や大学、研究所とも多くの共同研究を行っており、研究成果を社会で役立てることに力を入れています。

三菱地所ハウスネット株式会社について

三菱地所ハウスネット株式会社は、三菱地所グループの一員として、不動産の売買仲介、賃貸仲介・管理を主な事業としています。本社は東京都新宿区にあり、1984年7月16日に設立されました。

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