シーメンスとNVIDIAが提携拡大!ものづくりを大きく変える「産業用AI」の未来とは?

AI

シーメンスとNVIDIAは、産業界に人工知能(AI)を導入し、ものづくりの方法を根本から変えるための連携を大きく広げると発表しました。このパートナーシップを通じて、デザインやエンジニアリングから製造、運用、そして製品が顧客に届くまでの全ての流れ(バリューチェーン)をAIで新しく作り変えようとしています。

倉庫や物流センターの様子

産業用AIオペレーティングシステムとは?

シーメンスとNVIDIAが目指すのは、「産業用AIオペレーティングシステム」の構築です。これは、工場やものづくりの現場でAIを動かすための「頭脳」のようなもので、物理的な世界がどのように設計され、作られ、運用されるかを再定義することを目指しています。AIを産業界の様々な場面で活用することで、実際のビジネスに大きな影響を与えることが期待されています。

この取り組みでは、NVIDIAがAIの基盤となる技術やシミュレーションのためのライブラリ、モデルなどを提供し、シーメンスは産業用AIの専門知識や業界をリードするハードウェア、ソフトウェアを提供することで、協力体制を築いています。

ものづくりの流れがAIで加速する

両社は、製品のデザインから生産、そして製品が使われるまでの全ての段階でAIを活用した産業用ソリューションを開発しています。これにより、より速いイノベーション、常に改善し続ける仕組み、そしてより丈夫で持続可能なものづくりを目指しています。

デザインとシミュレーションの進化

AIは、製品のデザインや開発のスピードを劇的に向上させます。シーメンスはNVIDIAのGPU(グラフィック処理に特化したコンピューター部品)を使った高速計算技術やAI物理モデルを、自社のシミュレーションソフトウェアに組み込むことで、より大規模で精密なシミュレーションをこれまでにない速さで実行できるようになります。

また、「デジタルツイン」(現実世界をそっくりそのままコンピューターの中に再現したもの)とNVIDIAのAI技術を組み合わせることで、リアルタイムでのデザイン変更や自動での最適化が可能になり、新しい製品開発をより効率的に進められるようになります。

AIが工場を変える「AIファクトリー」

シーメンスとNVIDIAは、2026年にはドイツのシーメンスエレクトロニクス工場を最初のモデルケースとして、世界で初めてAIが完全に管理する「適応型製造拠点」を作ることを目指しています。

この工場では、「AIブレイン」と呼ばれるシステムが、デジタルツインとNVIDIAのAI技術を組み合わせて、工場の状況を常に分析します。そして、改善策を仮想空間で試し、効果が確認された知見を実際の工場の運用に反映させます。これにより、デザインから生産までの意思決定がより速く、より正確になり、生産性が向上し、新しい設備の導入にかかる時間やリスクが減ると考えられています。

半導体づくりもAIで進化

半導体(コンピューターの「脳」となる小さな部品)の設計や製造も、AIの力で進化します。シーメンスは、NVIDIAの技術を自社の半導体設計ツール(EDAポートフォリオ)に統合することで、設計の検証、配置、プロセスの最適化といった主要な作業を2倍から10倍速くすることを目指しています。

AIが設計のヒントを出したり、問題を見つけるのを助けたり、回路を最適化したりすることで、エンジニアの生産性を高め、設計サイクルを短くし、製品の不良率を減らし、信頼性を向上させることが期待されています。

次世代AIファクトリーの構想

シーメンスとNVIDIAは、産業用AIの進化を加速させる「次世代AIファクトリー」の設計図を共同で開発します。この設計図は、AIを活用した産業ポートフォリオを支える高性能な基盤を提供するもので、電力、冷却、自動化といった未来の工場に必要な高密度なコンピューティング要件をバランス良く配置し、スピードと効率の両立を目指します。

この取り組みは、NVIDIAのAIプラットフォームとAIインフラに関する専門知識、そしてシーメンスが持つ電力インフラ、電化、グリッド統合、自動化、デジタルツインの強みを組み合わせるものです。両社は、産業規模のAIインフラを世界中に展開することで、導入の加速、エネルギー効率の向上、そしてより強固なシステムの実現を目指しています。

お互いの技術を活かし合う

シーメンスとNVIDIAは、それぞれの会社でAI技術を導入し、自社のシステムや製品をより良くしていくことにも取り組んでいます。NVIDIAはシーメンスのソリューションを評価し、シーメンスはNVIDIAの技術を使って自社の作業を加速させ、AIを顧客向けの製品に組み込んでいきます。このように、お互いの技術を活用し合うことで、顧客にとっての価値と技術の広がりを示す具体的な成功事例を生み出すことを目指しています。

この発表は、2026年1月6日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。

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