Anthropicが第4回「経済指標レポート」を発表、AIが働き方を変える新指標を導入

ビジネス活用

AIと人間の協力関係を示す抽象的なイラスト

最先端のAI開発を手がけるAnthropicは、第4回となる「Economic Index Report(経済指標レポート)」を発表しました。このレポートでは、AIが私たちの仕事や経済にどのような影響を与えているのかを、これまで以上に詳しく分析するための新しい方法が導入されています。

新しい指標「経済プリミティブ」とは

今回、Anthropicは「経済プリミティブ」と呼ばれる5つの新しい指標を導入しました。これには、AIが担当するタスクの複雑さ、そのタスクの成功率、どれだけ時間を短縮できたか、そしてAIにどの程度任されているか、といった視点が含まれています。これにより、AIが「どんなことができるか」だけでなく、「実際にどんな場面で役立っているか」を具体的に把握できるようになりました。この分析は、Anthropicの最新モデル「Claude Opus 4.5」が公開される直前の、Claude.aiとClaude APIの利用状況に基づいています。

世界におけるAI活用の主な調査結果

新しい指標と既存のデータを組み合わせることで、世界中でClaudeがどのように使われているかが、より鮮明になりました。

職種によって異なるAIの影響

AIは、職種によってさまざまな形で働き方に影響を与えています。

  • 専門職の強化: 放射線科医やセラピストのような専門職では、AIが時間のかかる一部の業務をこなすことで、人間はより高度なスキルを活かしたり、患者やクライアントとのコミュニケーションに時間を割いたりできるようになります。

  • 業務の単純化: データ入力担当や旅行代理店のような職種では、AIが高度な業務の多くをカバーできるため、人間の業務が単純になったり、特定のスキルが不要になったりする可能性もあります。

人間との協力と監督の重要性

AIは、専門職を完全に置き換えるのではなく、人間と協力することで生産性を高めていると考えられています。Claude.aiの利用状況を見ると、AIを補助的に使う「拡張型」の使い方が、会話全体の51.7%を占め、再び半数を超えました。これは、AIのスピードと正確さのバランスを考えると、理にかなった結果と言えます。例えば、大学レベルの複雑なタスクではAIを使うことで12倍も作業が速くなる一方、高校レベルのタスクでは9倍にとどまります。業務が複雑になるほど、人間の判断や監督の役割が非常に重要になります。

AIの普及速度

AIは、過去100年間の主要なテクノロジーと比べて、非常に速いスピードで普及しています。現在のペースが続けば、米国では今後5年以内にすべての州でAIの利用が均等に広がる可能性があり、これは従来の技術の約10倍の速さに匹敵します。

世界を牽引する国々

Claudeの利用は、米国、インド、日本、イギリス、韓国といった一部の国に集中しており、これらの国が全体の大部分を占めています。利用状況は、その国の経済水準(一人当たりGDP)と密接に関連しており、一人当たりGDPが1%増えると、Claudeの利用も0.7%増加する傾向が見られます。ただし、現時点では所得の低い国々がこの差を急速に縮めている兆候は確認されていません。

地域ごとの特徴的な利用傾向

世界全体で見ると、Claudeは主にビジネス目的で使われています。しかし、地域によって特徴的な使い方も見られます。

  • ビジネス利用: バルカン諸国やブラジルでは、ビジネスでの利用率が特に高いです。

  • 法務分野: ブラジルは、法務分野でのAI活用が進んでいる地域として注目されています。

  • フィクション執筆: 日本では、フィクションの執筆にClaudeを利用する割合が特に高いです。

  • 教育・課題: インドネシアは、教育や課題解決の用途でAIを活用する傾向が強いです。

Claudeがカバーできるタスクの拡大

Claudeは、コンピュータや数理関連の業務で最も多く使われていますが、Claude.aiではクリエイティブな業務、Claude APIではバックオフィスや管理業務での利用も進んでいます。Claudeが対応できるタスクの数も増えており、現在では49%の職種で、少なくとも4分の1のタスクにAIが活用されています。これは以前の調査の36%から増加しています。

日本におけるAI活用の詳細データ

前回のレポートで導入された「Anthropic AI Usage Index(AUI)」という指標(その地域で生産年齢人口の規模に対してClaudeがどれくらい使われているかを示すもの)によると、日本ユーザーのAUIは1.59に達しており、これは日本の人口規模以上にClaudeが積極的に利用されていることを意味します(国別データはClaude.aiの利用状況に基づいています)。

日本では、特に言語に関する利用傾向が際立っています。

  • 翻訳: 翻訳用途でのClaudeの利用は、グローバル平均の2.5倍に上り、テキストや文書の翻訳が全利用の4.3%を占め、最もよく使われる用途です。

  • プログラミング: プログラミング言語や開発タスク全般におけるコードのデバッグ、修正、リファクタリングにClaudeを使うケースが、全体の3.8%を占め、2番目に多い用途となっています。

  • その他の特徴: その他にも、校正・編集・ビジネス文書作成(グローバル比1.4倍)、マーケティングコンテンツの作成・最適化(グローバル比1.5倍)、チャットボットや自動化を含む応用AI開発(グローバル比1.2倍)などが特徴的な利用方法として挙げられます。

これらの傾向から、日本ではClaudeが主に人間の判断や専門性をサポートする「拡張型AI」として利用されていることが明らかになりました。これは、所得の高い国々全体に共通する傾向とも一致しています。

レポート全文と詳しいデータは、Anthropicのウェブサイトでご覧いただけます。

Anthropicについて

Anthropicは、信頼性が高く、分かりやすく、制御しやすいAIシステムを作ることを目指すフロンティアAI企業です。2021年に設立され、現在では米国で最も価値のある非上場企業トップ10の一つとして、非常に速いスピードで成長しています。Anthropicの代表的な大規模言語モデル「Claude」は、大企業から中小企業、個人まで、毎日何百万人ものユーザーに利用されています。

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