Box社は、企業のコンテンツから価値ある情報を引き出す新しいAIサービス「Box Extract」の一般提供を開始しました。
このサービスは、企業が日々扱う契約書、報告書、図表といった形式が定まっていない大量の文書(非構造化コンテンツ)の中から、AIが重要な情報を自動的に見つけ出し、使えるデータに変えるものです。これにより、これまで手作業で行っていた情報抽出の作業が大幅に効率化され、企業はより迅速な意思決定や業務の自動化が可能になります。

Box Extractとは?
Box Extractは、GoogleのGemini 3、AnthropicのClaude Opus 4.5、OpenAIのGPT 5.2といった最先端の生成AIモデルと、高度なエージェント機能を組み合わせています。これにより、ただテキストを抽出するだけでなく、文書の構造や意味を理解し、段落、表、図表といった構成要素を分解して最も重要な情報を正確に抽出できます。
抽出された情報はBox内に「メタデータ」として保存されます。このメタデータは、他のシステム(DatabricksやSnowflakeなど)へエクスポートしたり同期したりすることも可能です。Boxの共同創業者兼CEOであるアーロン・レヴィ氏は、「多くの企業では、手つかずのコンテンツの中に、貴重なデータが眠っています。Box Extractにより、その情報が解き放たれ、企業が情報を分析し意思決定を行う方法を変革することが可能となります」と述べています。
どのようなメリットがあるのか?
Box Extractを活用することで、企業は以下のようなメリットを享受できます。
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迅速な意思決定: Box Apps内のメタデータに基づくダッシュボードやビューを活用し、必要な情報をすぐに確認できます。
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ワークフローの自動化: Box Relay(将来的にはBox Automate)と連携し、業務プロセスを自動化できます。
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効率的な情報検索: すべてのBoxユーザーがコンテンツの発掘や検索を効率的に行えるようになります。
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他システムとの連携: 抽出されたメタデータをサードパーティやカスタムアプリケーションで利用し、機能を拡張できます。
実際に、Valmark Financial Groupの最高情報責任者であるジェフ・ムーア氏は、Box Extractが「極めて機密性の高いデータを扱う金融サービス業界において、非構造化された情報源からデータを抽出し、安全に実用可能なインサイトへと変換する」ことに貢献したと評価しています。また、テキサス州自動車局(TxDMV)のウェンディ・バロン氏も、フォームや記録からの情報自動抽出により、「手動レビューを減らし、ワークフローを加速させながら、セキュリティとコンプライアンス基準を維持できる」と語っています。
様々な業界での活用例
Box Extractは、多様な業界でその能力を発揮します。
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金融サービス業: 融資の返済期日や条件を抽出し、支払い処理や融資管理業務を加速させます。
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政府および公共機関: 許可証や公文書から重要な詳細を抽出し、コンプライアンス業務やサービス提供を効率化します。
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メディア&エンターテインメント企業: 制作ファイルやクリエイティブアセットから、タイトル、脚本家、権利者などの詳細を自動抽出し、デジタル資産管理を効率化します。
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保険会社: 事故報告書や病院の請求書から重要な情報を抽出し、保険金請求処理を迅速化します。
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法務担当者: 契約書からリスクのある文言や条項を特定し、契約管理を強化します。
Google Cloudのプレジデント兼最高収益責任者であるマット・レナー氏も、Box ExtractとGoogleのGeminiの統合により、「膨大なコンテンツを即座に構造化された実用的な知見へと変換する支援を実現した」とコメントしており、業務の劇的な高速化が期待されています。
提供形態について
Box Extractでカスタム抽出エージェントを作成・管理する機能は、Enterprise Advancedプランのユーザー向けに提供されています。利用できる抽出エージェントには以下の2種類があります。
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Box AI抽出エージェント(標準): 単純なデータ取得を効率化し、迅速かつコスト効率の高い結果を提供します。
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Box AI抽出エージェント(強化): 複雑な文書構造に基づいた専門的な処理を行い、より深い推論を適用し、大規模・複雑な文書にも柔軟に対応します。
Box Extractについてさらに詳しく知りたい場合は、以下のリンクをご覧ください。
Boxは、2005年に米国で設立されたインテリジェントコンテンツ管理プラットフォームのリーディングカンパニーです。コンテンツのライフサイクル管理、保護、そしてAIによるビジネスワークフロー変革を支援し、アストラゼネカやモルガン・スタンレーといった大手グローバル企業、日本国内の多くの企業で利用されています。

